オーストラリア・メルボルンで開催されている「全豪オープン」(1月16~29日/ハードコート)の男子シングルス4回戦で、第9シードのラファエル・ナダル(スペイン)が第6シードのガエル・モンフィス(フランス)を6-3 6-3 4-6 6-4…

 オーストラリア・メルボルンで開催されている「全豪オープン」(1月16~29日/ハードコート)の男子シングルス4回戦で、第9シードのラファエル・ナダル(スペイン)が第6シードのガエル・モンフィス(フランス)を6-3 6-3 4-6 6-4で下し、2015年全仏以来のグランドスラム30回目の準々決勝進出を決めた。

 世界1位のアンディ・マレー(イギリス)と2位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)が、すでに1週目に姿を消している中、元世界1位のふたり、ナダルとロジャー・フェデラー(スイス)が準々決勝に勝ち残ったことで、ふたりの決勝での対決を期待する声が上がり始めている。

 フェデラーは4回戦で第5シードの錦織圭(日清食品)を6-7(4) 6-4 6-1 4-6 6-3のフルセット、3時間23分をかけて破り、大きな山を越えている。

 ナダルとフェデラーは過去に34回対戦し、最後の対戦は2015年バーゼル(室内ハードコート)の決勝。フェデラーが6-3 5-7 6-3で勝っている。グランドスラムでは2014年全豪準決勝でナダルが7-6(4) 6-3 6-3で勝っており、全対戦成績は23勝11敗でナダルが勝ち越している。

 だが、ふたりが決勝にたどり着くまでには、まだまだ道のりは長い。

 ナダルは準々決勝で第3シードのミロシュ・ラオニッチ(カナダ)と対戦する。ラオニッチは第13シードのロベルト・バウティスタ アグート(スペイン)を7-6(6) 3-6 6-4 6-1で倒し、3年連続のベスト8進出を決めた。

 マレーとジョコビッチがいない中、ドローでもっともランキングが高いのが3位のラオニッチだ。ラオニッチは昨年のウィンブルドン準決勝でフェデラーを倒して決勝に進出し、マレーに敗れたが自身初のグランドスラム準優勝を果たした。

 ラオニッチは4回戦でバウティスタ アグートに対して33本のサービスエースと75本のウィナーを決めたが、9本のダブルフォールトと55本のアンフォーストエラーもおかしている。第3セット第9ゲームでは苛立ってコートにラケットを打ちつけるなどもしているが、結果的に勝ち上がった。

 ドローのボトムハーフ(下半分)で勝ち残っている選手の中で、唯一のグランドスラム優勝者がナダルだ。2014年の全仏オープン優勝が14番目のグランドスラム・タイトル。しかし、それ以降は2015年の全豪、全仏のベスト8が最高成績で、昨年は左手首の故障に悩まされ、シーズン終盤はついに休養をとった。

 2017年はブリズベンでプレーを再開させ、準々決勝でラオニッチと対戦し、6-4 3-6 4-6で敗れている。そのラオニッチがブリスベン準決勝でグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)に6-7(7) 2-6で敗れ、勝ち上がったディミトロフが決勝で錦織圭(日清食品)を6-2 2-6 6-3で破り、ツアー5勝目を挙げている。

 ディミトロフは今大会で第15シードをつけて、ナダル、ラオニッチと同じドローのボトムハーフにおり、準々決勝で第11シードのダビド・ゴファン(ベルギー)と対戦する。

 ディミトロフは4回戦で、ジョコビッチを2回戦で破った世界117位のデニス・イストミン(ウズベキスタン)を2-6 7-6(2) 6-2 6-1で破り、ついその快進撃を止めた。イストミンはこの試合で足の疲労を隠せず、第3、4セットでは何度も治療を受けながら最後まで戦った。

 ゴファンは第8シードのドミニク・ティーム(オーストリア)を5-7 7-6(4) 6-2 6-2で倒し、昨年の全仏以来、グランドスラム2度目のベスト8進出を果たした。

 ドローのトップハーフ(上半分)にいる第17シードのフェデラーは、火曜日に行われる準々決勝でミーシャ・ズベレフ(ドイツ)と対戦する。この試合の勝者が準決勝で第4シードのスタン・ワウリンカ(スイス)と第12シードのジョーウィルフリード・ツォンガ(フランス)の勝者と対戦する。

 世界50位のズベレフは4回戦でマレーを7-5 5-7 6-2 6-4で倒す大番狂わせを演じた。サーブ&ボレーのほか、スライスのアプローチでネットをとるオーソドックスなプレースタイルが大きな武器となっている。準々決勝で対戦する34歳のフェデラーは、彼にとって「憧れの存在」だということを隠していない。

 ナダルは、昨年の全米ベスト4のモンフィスとの4回戦で、しびれるような激しい打ち合いを見せて打ち勝った。モンフィスの52本のウィナーに対してナダルは21本と少ないが、この日は屋根が閉じられたハードコート。風の影響のない中でモンフィスが放つ時速224kmのサービス、リスキーなハードショットが続けて決まり始めたときでも、ナダルはそれにいっさい動じず、アンフォーストエラーはモンフィスの64本に対して27本と、抜群の安定性を見せた。

 ナダルにとってこの試合は、グランドスラムの優勝候補として存在することを示して見せた、復活を証明した一戦だったと言える。もしもこの全豪で優勝すると、2009年以来となる。

 「数年が経ったあと、ふたたびグランドスラムの準々決勝へ、それもハードコートで勝ち上がるということは、僕にとって本当に特別なこと。とてもハッピーだよ」とナダル。

(テニスマガジン/Tennis Magazine)