昨季、球団創設5年目にして初のクライマックスシリーズ進出を果たしたDeNA。その原動力となったのが、若い戦力の躍動だ。例えば、CS進出を決めた9月19日の広島戦(横浜)のスタメンを見ると、それがよく分かる(年齢は当時)。■日本人レギュラーは…

昨季、球団創設5年目にして初のクライマックスシリーズ進出を果たしたDeNA。その原動力となったのが、若い戦力の躍動だ。例えば、CS進出を決めた9月19日の広島戦(横浜)のスタメンを見ると、それがよく分かる(年齢は当時)。

■日本人レギュラーは全員20代、必要となる中堅・ベテラン組

 昨季、球団創設5年目にして初のクライマックスシリーズ進出を果たしたDeNA。その原動力となったのが、若い戦力の躍動だ。例えば、CS進出を決めた9月19日の広島戦(横浜)のスタメンを見ると、それがよく分かる(年齢は当時)。

(中)桑原=23歳
(二)エリアン=31歳
(一)ロペス=32歳
(左)筒香=24歳
(三)宮崎=27歳
(遊)倉本=25歳
(右)梶谷=28歳
(捕)戸柱=26歳
(投)今永=23歳

 平均年齢26.6歳。日本人に限ると、全員20代で平均年齢25.1歳。24歳の4番・筒香に象徴されるように、いかに若いメンバーで戦っていたか見て取れる。桑原、宮崎、倉本、新人だった戸柱はいずれも昨季初めてレギュラーを奪取した選手ばかりだ。

 19年ぶりのリーグ優勝を目指す2017年。長いシーズン、経験の少ない若い選手には波があり、勢いだけで乗り切ることは難しい。求められるのは中堅・ベテラン組の力だろう。特に、期待されるのは、ともに30歳の2人、石川雄洋と荒波翔だ。

 横浜高出身コンビ(学年でいえば荒波が1年先輩になるが)はラミレス監督から昨季、レギュラー候補として期待されていた。

■ともに打撃不振に苦しんだ昨季からレギュラー再奪取を狙う

 だが、正二塁手として期待された石川は右肘の手術で出遅れ、4月上旬に1軍昇格。バントなど小技で仕事はこなしたが、肝心の打撃が打率.209と不振。95試合出場にとどまった。

 正右翼手として期待を集めた荒波は開幕スタメンをつかみながら、打撃不振でシーズンの大半を2軍で過ごした。自己ワーストの打率.195で出場36試合と貢献できなかった。

 ただ、ともに「経験」はチームでも屈指の存在であることは間違いない。

 石川は10年にリーグ2位の36盗塁を記録。主将も経験したリーダーシップで筒香ら若手の人望も厚い。今季、レギュラーを争う二塁は宮崎、エリアン、田中浩ら候補がいるが、三塁との兼ね合いもあって流動的。「凡事徹底」を掲げるチームにおいて、小技の利く背番号7は万全の状態でキャンプインできることを考えても、十分にチャンスはある。

 荒波はゴールデン・グラブ賞を2度受賞した名手。12年に24盗塁した俊足も持ち合わせており、昨季不調だった打撃面が上向けば、まだまだレギュラーを狙える力はある。左翼・筒香、右翼・梶谷が盤石なだけに、中堅の位置を昨季レギュラーだった桑原と争うことになりそうだ。

 生え抜き選手で最古参13年目を迎える石川は、今季への意気込みをこう語っている。

「若い選手も多いので、野球でも私生活でも模範となれるようにやっていきたい」

 初のCS進出から、さらなる浮上を目指すDeNA。30歳にしてベテランに分類されてしまう若いチームで、2人の力が必要となる時が必ず来るだろう。それに応えることができれば、19年ぶりの優勝も見えてくるはずだ。