専門誌では読めない雑学コラム木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第293回 みなさん、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、さまざまな予定が滞っていることでしょう。そこで今回は、ゴルフの年間スケジュールの再考を試みたいと思います。 簡単に言えば…

専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第293回

 みなさん、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、さまざまな予定が滞っていることでしょう。そこで今回は、ゴルフの年間スケジュールの再考を試みたいと思います。

 簡単に言えば、昨春の2~3カ月の間、ゴルフをやってはいけない雰囲気になり、泣く泣く断念した。あるいは、いつも参加しているコンペが中止になった。多かれ少なかれ、そういうことを経験している方々が多いかと存じます。

 さらに2021年に入ってからは、「寒い日が多いし、しかも緊急事態宣言中だから、渡りに舟だ。じゃあ、ゴルフを休むか」なんてことが起きているんじゃないですか。

 私は30数年前にゴルフをやり始めて、最盛期は年間60回ぐらいラウンドしていましたか。今ではその回数も減ったとはいえ、年間20~30回ぐらいはプレーしています。それが昨年は、1カ月以上まるっきりゴルフをやらない時がありました。長い人生では、そういうこともあるんだな、と。

 続けるものは必ず終わりがくる――。

「明けない夜はない」と言いますが、それは地球全体の話です。個別には、いつか明けない夜が来るし、ゴルフをやらない時期も来る、ということです。

 そのように寸断したゴルフスケジュールにおいて、個人的に感じたことをいろいろと述べたいと思います。

(1)禁断症状は出ないのか
 ゴルフをやらない日が長く続いて禁断症状が出たのは、40代半ばぐらいまでです。その時は、代わりに練習場に行って気持ちをスカッとさせていました。

 しかし今は、ゴルフを長い間やらなくても禁断症状は出ないです。そもそもゴルフの準備が面倒くさいから、ないならないで楽だったりします。クラブを入れ替えたり、ゴルフ場の住所を調べて宅急便を送ったり、集合場所を確認したり......と、細かいことが苦手なんですな。

 それに、前日はお酒も飲まずに早く寝るとか、健康管理もしなきゃいけない。平日のラウンドが多いので、プレー前後は仕事の調整もしなきゃならない。

 ゴルフがあれば、あったでうれしいのですが、何もない淡々とした平凡な日もわりと好きです。

(2)苦手な季節は?
 これまで、通年でゴルフをやっていましたが、今年は冬場、ほとんどしていません。それで、楽になりました。

 やっぱり冬のゴルフはしんどいです。まずは朝5時、なかなか布団から出られません。年齢的にパッチリ目は覚めますが、布団の中でぬくぬくしていたいじゃないですか。

 今は東京のマンション暮らしだからいいのですが、宮城県の実家に住んでいた時は、冬の朝は部屋の中にいるのに、屋外にいるような寒さでした。窓ガラスには霜が固まった氷が張っていました。それも、部屋の内側で......。

 それに比べて「東京って、なんて暖かいところなんだろう」、上京当初はそう思いましたが、今ではすでに慣れて軟弱になっています。結果、なかなか起きられなくなりました。

 だいたい冬はイレギュラーなことが起きやすいです。予定していた日に、寒波襲来なんてことになったら、地獄です。風がビュービュー吹く日なんか、手は寒いし、ボールは飛ばないし、つらいことが多いです。

 ならば暖かいところ、沖縄などの南国に逃げればいいのですが、それはひとりでできません。誰かとツアーを組まないといけないし、お金もかかるし、面倒くさい。だったら、いっそ休んでしまえ、とね。

 千葉の南房総や伊豆に逃げるテもありますが、寒い時は寒いです。太平洋側に雪を降らせることもある南岸低気圧は、南海上で発生するので、荒れた日はどこも一緒です。

 一方、夏は暑さでバテますが、ゴルフそのものは楽しいです。緑鮮やかな芝が伸びていて、軽装で済むし、ボールも飛ぶし、やり甲斐があります。冬と夏、どちらかを選ぶなら夏かなぁ~。

(3)競技スケジュール
 かつてメンバーだった頃、最初のうちは月例競技に出るのがお約束でした。けど、ハンデ12になって、大きな競技で優勝すると、限界を感じるんですよね。「あと、目指すのはクラブチャンピオンか......」って。でもそれは、ハードルが高すぎです。

 結局、クラチャン以外の競技はハンデ戦なので、ハンデが上がれば、入賞の可能性はほぼ皆無に......。そうして、あれだけ頻繁に入賞していた競技において、2年ぐらい一度も表彰されなくなる。そうなると、競技に出るモチベーションも下がってしまうんですな。

 クラブ競技って、1回出なくなると、不思議なもので、また「今月も休むか」となってしまう。「どうせ90台のスコアだし、表彰式に出る機会はないだろう」「なら、ジャケットを着ていく意味もない。じゃあ、行くのをやめよう」とね。

 そうやって、いつしかクラブ競技に出なくなり、友人との遊びラウンドだけになってしまいました。

(4)コンペスケジュール
 クラブ活動をやめると、ゴルフのスケジュールはコンペが中心になります。今はだいぶ減りましたが、最盛期には年間20回ぐらいですか。大小、さまざまなコンペに参加していました。自由業だから、平日に都合がつくので、みんな、誘いやすかったのでしょう。

 ところが、昨年から新型コロナウイルスが蔓延し、そのコンペが激減しました。今年に入ってもその状態は続いていて、大人数で集まるラウンドはまったくありません。

 今は人知れず、仲間内数人がこっそり集まってラウンドするか、取材でのラウンドのみです。

(5)モチベーションの問題
 要するに、ゴルフはモチベーションの問題です。

 コロナ禍にあって、なかなかゴルフはやりづらい。もしやったとしても、SNSなどに投稿するのはためらってしまいます。どこから矢が飛んで来るかわからない時代ですから。

 けど、ゴルフ場の営業成績はすこぶるよろしい。お客さんは結構入っているのです。そうなると、自粛している自分がアホらしいと感じてしまいますよね。

 まあでも、春になれば、堂々とゴルフができるはずです。あと、ほんの少しの辛抱ですよ。

 今は逆に、プレー代2、3回分が浮いたと考えて、その予算でニューギアを買うとか、行きつけの練習場でワンポイントレッスンを受けるとか、何かしら前向きなことはやりましょう。

(6)プロにはオフがある
 ゴルフを通年の遊びと思うのは、アマチュアのみです。プロの世界には、必ずオフシーズンがあります。

 一年間のスケジュールを立てて、ある時期は休んだりして調整期間にするのは、お決まり事。だから、アマチュアも一年中ゴルフをやるのはどうなんでしょうか。



プロと同じく、アマチュアも冬はオフにして、寒い中で無理にラウンドしなくてもいいと思うのですが...。illustration by Hattori Motonobu

 冬の2カ月はクラブを握らない。そんなふうにメリハリをつけたほうが、冷静に自分を見つめ直す時間もできて、いいかもです。そして、プロ野球のオープン戦みたいに、3月に入ってから徐々にラウンドを始めるとかね。

 そうやって、4月~6月の最初のコンペシーズンに備えるのです。そこからはもう、エンジン全開。夏にはちょっとバテますが、リゾートでゴルフ三昧し、秋のコンペシーズンでその年のベストスコアを出す!

 このほうが、目標が明確になってよろしいんじゃないですか。

 コロナのおかげで、災い転じて福となす。

 今年こそ、すばらしきゴルフライフを送ってください。