オーストラリア・メルボルンで開催されている「全豪オープン」(1月16~29日/ハードコート)の男子シングルス2回戦。 第17シードのロジャー・フェデラー(スイス)は世界ランク200位で20歳のノア・ルビン(アメリカ)に対してもっとも重要…
オーストラリア・メルボルンで開催されている「全豪オープン」(1月16~29日/ハードコート)の男子シングルス2回戦。
第17シードのロジャー・フェデラー(スイス)は世界ランク200位で20歳のノア・ルビン(アメリカ)に対してもっとも重要なポイントで持ち前のグランドスラムでの経験をよりどころにし、7-5 6-3 7-6(3)で倒した。
フェデラーは過去17度出場した全豪オープンでは必ず3回戦に進出してきた記録を持ち、今回もそれを更新した。
2試合連続で予選勝者と対戦したフェデラー。故障により6ヵ月の休養をとったあとカムバックした彼の行く手に待つ“困難”の度合いは、これから急激に増すことになる。フェデラーは3回戦で、2010年ウィンブルドン準優勝者で第10シードのトマーシュ・ベルディヒ(チェコ)と対戦するのだ。ベルディヒはライアン・ハリソン(アメリカ)を6-3 7-6(6) 6-2で下して勝ち上がった。
そして可能性として、2014年全米準優勝で第5シードの錦織圭(日清食品)の姿も浮かび上がってきた。錦織はジェレミー・シャルディ(フランス)を6-3 6-4 6-3で下し、次の3回戦でルーカス・ラッコ(スロバキア)と対戦する。お互いが3回戦に勝ち進めば、フェデラーは錦織と対戦することになる。
フェデラーは昨年のウィンブルドン準決勝で敗れたあと、故障した左膝を休めるために早めにシーズンを終えた。そして彼は今年、パースで行われたエキシビションのホップマンカップでコートに復帰し、全豪の初戦ではやはり35歳のベテラン、ユルゲン・メルツァー(オーストリア)を倒していた。
2014年ウィンブルドン・ジュニア・チャンピオンのルビンに対し、フェデラーは重要なポイントで百戦錬磨のプロらしいプレーをした。
彼は第1セットの第12ゲームでルビンのサービスを破ると、第2セットではルビンを圧倒した。反対に第3セットでは、ルビンにもチャンスが巡ってくる。彼は第2ゲームでフェデラーのサービスをブレークし、5-2リードで迎えたフェデラーのサービスゲームで2つのセットポイントを手にした。
しかしフェデラーはそこでテンポを上げて最後の5ゲームのうち4ゲームを取り、勝負をタイブレークにもち込むと、タイブレークを牛耳った。ルビンはベースラインでいい動きを見せて11本のウィナーを放ったが、手にした6度のブレークチャンスのうち1つしかものにできなかった。
「間違いなく第3セットを取れたのはラッキーだった。彼は僕のサービスゲームで、いくつかのブレークポイントを手にしていたからね」とフェデラー。しかし彼は、「多くの難しいポイントがあった。それが僕が必要としているものなんだ」と続け、困難を調子の向上に必要な材料と受け取っていることを口にした。
困難は求めずともこれからやってくる。フェデラーはベルディヒに対して16勝6敗の戦績。最後の5対戦で勝っているが、2004年アテネ・オリンピック、2010年ウィンブルドン、2012年全米オープンでは敗れている。
「過去に彼は速いコート上で僕に難題を課してきた。その後、ここで対戦したときには僕に有利な方向にことは進んだ。ただ自分のテニスをしなければならないだけだよ」
一方、全米オープン・チャンピオンのスタン・ワウリンカ(スイス)はスティーブ・ジョンソン(アメリカ)を6-3 6-4 6-4で下した。ワウリンカは3回戦で第29シードのビクトル・トロイツキ(セルビア)と対戦する。
アメリカ人としてはもっとも高いシードである第19シードのジョン・イズナーはミーシャ・ズベレフ(ドイツ)に6-7(4) 6-7(4) 6-4 7-6(7) 9-7で敗れ、ジョンソン、ルビン、ハリソンがそれに続いて男子シングルスのドローから姿を消した。アメリカ人男子にとっての数少ない明るいニュースは、第31シードのサム・クエリーがワイルドカード(主催者推薦枠)で出場した17歳のアレックス・デミノー(オーストラリア)に7-6(5) 6-0 6-1で勝ったことだった。(C)AP(テニスマガジン)