2006年第1回大会での準決勝以来、WBCでは決勝ラウンド進出にすら届いていないキューバ。3月に開幕する第4回WBCでは、日本と同組のプールCに組み分けされ、3大会ぶりの2次プール突破、そして悲願の初優勝を狙う。数々の国際大会で強さを見せつ…

2006年第1回大会での準決勝以来、WBCでは決勝ラウンド進出にすら届いていないキューバ。3月に開幕する第4回WBCでは、日本と同組のプールCに組み分けされ、3大会ぶりの2次プール突破、そして悲願の初優勝を狙う。数々の国際大会で強さを見せつけ、”赤い旋風”の異名を執るキューバだが、今回も苦戦を強いられることになりそうだ。

■トップ選手は亡命してメジャーへ、打線の核はデスパイネか?

 2006年第1回大会での準決勝以来、WBCでは決勝ラウンド進出にすら届いていないキューバ。3月に開幕する第4回WBCでは、日本と同組のプールCに組み分けされ、3大会ぶりの2次プール突破、そして悲願の初優勝を狙う。数々の国際大会で強さを見せつけ、”赤い旋風”の異名を執るキューバだが、今回も苦戦を強いられることになりそうだ。

 近年、キューバ国内リーグのトップ選手や若手有望株が、メジャー球団との契約を求めて続々と亡命した。今回の代表チームは、アメリカでプレーする亡命選手の招集が見送られたため、国内リーグでプレーする選手が中心となる見通し。同国の現時点での戦力を特集したMLB公式サイトでは「だからと言って、この国のメンバーが手強くないというわけではない」と分析。「この島は、代表の責務を果たせる才能あふれる選手で溢れかえっている」とリポートしている。

 そんな中、キューバ代表チームの”ハイライト”とされているのが、昨季までロッテでプレーしたアルフレド・デスパイネ外野手だ。2013年の第3回大会では、打率.389、出塁率.522、長打率.944、3本塁打、8打点という好成績を残し、プールAのMVPに輝いた。その後、ロッテでプレーした大砲は、同組ライバル日本の手の内を十分に知り尽くしているだけに、カギを握る存在となるだろう。だが、記事では「主砲デスパイネの周りを固める打線作りに苦労するだろう」と予測。「キューバを代表する強打者が出場できず、得点を挙げるのに苦労するだろう」と分析している。

■先発ローテの軸はエスカランテとアルバレスの両右腕か?

 一方、長所として先発ローテーションを挙げ、中でもベテラン右腕ウラディミール・ガルシア・エスカランテとフレディ・アシエル・アルバレス・サエスに注目。記事によると、34歳のエスカランテは、キューバ国内リーグで通算120試合に先発、77勝49敗、防御率2.74という圧倒的な成績を収めている。また、27歳右腕のアルバレスは、通算164試合に先発し、64勝48敗、防御率2.90という数字で、この2人が「ローテーションの軸になるだろう」と予測している。

 現時点では代表選手が誰一人として発表されておらず、実体はベールに包まれたままのキューバだが、記事では「ロースターは国際経験が豊かなベテランで占められる模様」とリポート。同時に「2大会連続で2次プールには進むだろう」と予測しつつも、先に進めるか否かは「同組の日本が道に立ちはだかるだろう」と締めくくっている。

 国内リーグのレベルは高く、底知れぬ才能を持つ選手が集結することは間違いないが、メジャーの第一線で活躍するヨエニス・セスペデス外野手、ホセ・アブレイユ内野手、ヤシエル・プイグ外野手、アロルディス・チャップマン投手らを招集できないのは、やはり大きな痛手か。だが、甘く見てかかると、しっぺ返しを喰らうことになりかねない。最強メンバーが揃うとは言いがたいキューバだが、日本は警戒の手綱を緩めずにいた方がよさそうだ。