メジャー2年目を迎えるドジャース・前田健太投手への期待が高まっている。広島からポスティングシステム(入札制度)で海を渡った昨年は、2012年のダルビッシュ有(レンジャーズ)に並んで日本人投手の1年目最多となる16勝(11敗)をマーク。怪我人…
メジャー2年目を迎えるドジャース・前田健太投手への期待が高まっている。広島からポスティングシステム(入札制度)で海を渡った昨年は、2012年のダルビッシュ有(レンジャーズ)に並んで日本人投手の1年目最多となる16勝(11敗)をマーク。怪我人続出の中で先発ローテーションを唯一守り、32試合に先発した。
■米メディアが更なる飛躍を予想する特集記事を掲載
メジャー2年目を迎えるドジャース・前田健太投手への期待が高まっている。広島からポスティングシステム(入札制度)で海を渡った昨年は、2012年のダルビッシュ有(レンジャーズ)に並んで日本人投手の1年目最多となる16勝(11敗)をマーク。怪我人続出の中で先発ローテーションを唯一守り、32試合に先発した。
シーズン後には新人王投票で3位に入った日本人右腕の2017年シーズンについて、ESPNは「より強力なマエダがドジャースを飛躍させる」とのタイトルで特集を組んだ。その中で、ドジャース番のダグ・パディーヤ記者は更なる活躍を予想している。
記事は、昨年10月のプレーオフを振り返る記述からスタートしている。「2016年ドジャースのプレーオフについて考えてみると、最も興味深いのはケンタ・マエダのパフォーマンスである」。ドジャースの4年連続地区制覇の原動力となった前田だったが、プレーオフでは3試合に登板して計10回2/3しか投げられなかった。ナショナルズとの地区シリーズでは、第3戦に登板して3回5安打4失点で敗戦投手に。カブスとのリーグ優勝決定シリーズでは、第1戦で4回4安打3失点、第5戦で3回2/3を3安打1失点でいずれも勝敗はつかず。ドジャースはここで敗退した。
「ナショナルリーグ・チャンピオンシップで勝ち進めなかったのは、前田だけの責任ではない。ブルペンは不安定で、第3戦での6得点は別として、打撃も振るわなかった」
記事では、このように振り返りながら、特にリーグ優勝決定シリーズの2度の登板で結果を残せなかったことを指摘。前田が先発した2試合でドジャースはいずれも8失点(4-8、4-8)を喫して敗れたことにも触れ、「彼は計7回2/3を投げ、4得点を許した。カブスは、より多くの点を稼いだ可能性があり、懸念すべきことではない。しかし、ブルペン陣は彼の先発2試合で計9回1/3を投げなければならず、崩壊してしまった」と分析している。
■大台の200イニング突破も視野? 編成部門取締役も期待「昨季よりも良くなる」
ただ、これも今季への糧になると、パティーヤ記者は見ている。「ポストシーズンで苦しんだ印象は残っているが、全体的に見て2016年のルーキーシーズンが悪かったわけではない。前田はレギュラーシーズンで32試合に先発、ドジャース開幕ローテーションで唯一怪我がなかった」。前田が新人王投票で3位に入ったことにも言及しつつ、ドジャースの編成部門取締役のアンドリュー・フリーマン氏が「彼は昨シーズンよりも良くなるだろう。プレーオフも含め、メジャーリーグを理解したはずだ」 と話していることも伝えている。
さらに、記事では「2017年の前田はより強力になるであろう」とも指摘。その「兆候」の1つとして挙げられているのが、今春のWBC不参加が決まったことだ。新シーズンに向けてのトレーニングに励めることが、プラスに働くという。
フリードマン氏の「今冬、彼が非常に熱心にトレーニングに励んでいることを知っている。来年、200イニングを達成できるよう、あらゆることをしているのも」というコメントを紹介。メジャーの先発投手にとって「一流」の条件となるシーズン200イニング突破も見据えたトレーンングを続けているという前田に対して、チームも大きな期待を抱いているようだ。
昨年のプレーオフでは疲労が蓄積していた可能性もあるだけに、デイブ・ロバーツ監督も「今冬、ケンタについて話し合った。彼は並外れたシーズンを送った。彼の体への負担を理解することができた。仕事をこなすために、筋肉をつけ、体重を増やす必要がある」と“要求“しているという。
ドジャースにはクレイトン・カーショーという絶対的エースがいる。昨年は負傷離脱もあったメジャー最強左腕だが、今季は本来の投球を見せてくるはずだ。もし前田が昨季以上の成績を残し、先発ローテーションを牽引すれば、ドジャースにはもう1本の柱が通ることになる。
そして、昨季からパワーアップしてプレーオフでも好投できれば、29年ぶりのワールドシリーズ制覇も見えてくるはず。今季のドジャースにおいて、前田がキーマンの一人となることは確かだ。