プロ野球の醍醐味の一つといえば、力と力のぶつかり合いだろう。日本最速165キロを叩き出した日本ハム・大谷を筆頭に“高速化”が著しいパ・リーグ。その中で、最もストレートで空振りを取れる投手は誰か。■先発&救援トップ3は? “高速パ”直球で一番…

プロ野球の醍醐味の一つといえば、力と力のぶつかり合いだろう。日本最速165キロを叩き出した日本ハム・大谷を筆頭に“高速化”が著しいパ・リーグ。その中で、最もストレートで空振りを取れる投手は誰か。

■先発&救援トップ3は? “高速パ”直球で一番空振りを取れる投手は

 プロ野球の醍醐味の一つといえば、力と力のぶつかり合いだろう。日本最速165キロを叩き出した日本ハム・大谷を筆頭に“高速化”が著しいパ・リーグ。その中で、最もストレートで空振りを取れる投手は誰か。

「パ・リーグTV」が分析した「パ・リーグ投手の球種別空振り率」のデータをひも解くと、興味深い結果が見えてきた。以下、昨シーズンの先発部門と中継ぎ・抑え部門に分けて紹介する。

【先発部門(規定投球回到達者)】

○3位 楽天・則本昂大(7.4%)

 3年連続で奪三振王に輝いたエース右腕は150キロ超の直球で強気に押し、本格派らしいスタイルで空振りを奪った。投球回もリーグNO1であることから、より価値は高まる。計3381球のうちストレートを1760球投じ、131球で空振りを奪った。

○2位 西武・菊池雄星(7.7%)

 ライオンズが誇る左の怪腕も同様に150キロ超の直球を投げ、昨年9月には日本プロ野球史上左腕最速の157キロをマーク。チェンジアップ、スライダーとの組み立てで翻弄した。計2405球のうち1350球を投じ、104球で空振りを奪った。

○1位 ソフトバンク・和田毅(10.7%)

 20台の若い速球派を抑えたのが、35歳のベテラン左腕だ。球速は140キロ前後ながら、出どころの見づらいフォームから繰り出すノビのある直球で空振りを量産していた。計2600球のうち1366球を投げ、146球で空振りを奪った。

※番外編 日本ハム・大谷翔平(11.2%)

 日本最速165キロを誇る剛腕は規定投球回に3イニング届かなかったが、空振り率は和田らを抑えている。常識破りの二刀流はやはり、ストレートもまた規格外だったようだ。計2229球のうち1211球を投げ、136球で空振りを奪った。

■中継ぎ・抑えはクローザーが独占、断然1位はあの剛腕助っ人

【中継ぎ・抑え部門】

○3位 西武・増田達至(11.9%)

 15年の最優秀中継ぎ投手に選ばれた右腕は、昨季からクローザーに定着。150キロ近い直球を投げ込み、ややスライダー気味に変化する特徴的なくせ球で高い空振り率をマークした。計897球のうち581球を投じ、69球で空振りを奪った。

○2位 楽天・松井裕樹(12.0%)

 若き守護神の代名詞といえばスライダーだが、150キロ前後のストレートでも空振りを奪っている。スライダー、チェンジアップとのコンビネーションで打者のバットに空を切らせた。計1180球のうち783球を投じ、94球で空振りを奪った。

○1位 ソフトバンク・サファテ(16.4%)

 先発・中継ぎ・抑えを通じてNO1に輝いたのは、鷹の守護神だった。2年連続で最多セーブに輝いた剛腕は150キロ台後半の分かっていても打てないストレートで打者をねじ伏せた。計990球のうち658球を投じ、108球で空振りを奪った。

 ソフトバンク・サファテが2位の楽天・松井裕に4.4%差をつけ、先発、中継ぎ・抑えを通じてダントツの成績となった。

 こうして見ると、150キロ級を操る剛腕の名前がズラリと並ぶが、この事実がリーグのレベルの高さとは無関係ではない。セ・リーグとの交流戦で、ある指揮官が指摘していた。

■交流戦でも圧勝、セ・リーグ指揮官も実感する“パの高速化”

「パ・リーグには150キロを超える投手が各チームに3~4人いて、セ・リーグは各チーム1人くらい。その分、パの打者はセの投手には慣れやすいだろうし、逆にセの打者はパワーピッチャーへの対応が苦しむ要因となってしまっている」

 こう語ったのは、DeNAのラミレス監督だ。

 実際にパ・リーグは交流戦12年のうち11年で勝ち越しており、セ・リーグを圧倒している。そうした中で、リーグ間の特徴的な差として“パの高速化”を現場レベルの指揮官も肌で感じているようだ。

 並みいる剛腕たちが強打者と、しのぎを削るパ・リーグ。日本ハムの大谷の最速記録更新も期待される中、果たして今年はどんな力勝負でファンを沸かせてくれるのか。また、交流戦ではセ・リーグの強打者がどう対抗するのか、楽しみの一つになるだろう。