オーストラリア・ホバートで開催された「ホバート国際」(WTAインターナショナル/1月8~14日/賞金総額25万ドル/ハードコート)のシングルス決勝で、予選から勝ち上がってきたエリーゼ・メルテンス(ベルギー)が第5シードのモニカ・ニクレス…

 オーストラリア・ホバートで開催された「ホバート国際」(WTAインターナショナル/1月8~14日/賞金総額25万ドル/ハードコート)のシングルス決勝で、予選から勝ち上がってきたエリーゼ・メルテンス(ベルギー)が第5シードのモニカ・ニクレスク(ルーマニア)を6-3 6-1で倒して初優勝を遂げた。その瞬間、全豪オープンの予選出場を取りやめるというメルテンスの決断は、大きな報酬をもたらした。

 第1シードのキキ・バーテンズ(オランダ)に対する勝利も含めてホバートで勝ちを重ねて前進していく中、21歳のメルテンスは難しい決断に迫られた。それは大会から棄権して全豪オープンの予選に向かうか、タスマニア州の州都に残ってプレーを続けるか、というものだ。

 メルテンスは留まることを決めた。そして彼女は最終的にホバートでの頑張りのおかげで優勝杯と3万2000ドルの優勝賞金に加え、ランキングでトップ100に食い込むことになったのである。大会開始時に127位だった彼女だが、来週頭のランキングでは最高81位にまで上がる可能性がある。

 2000年には同国のキム・クライシュテルス(ベルギー)がホバートを制しており、メルテンスはクライシュテルスからインスピレーションを得たのだと言う。

「彼女は私にとってのお手本なの。彼女が達成したことは、本当に素晴らしいわ」とメルテンスは元ナンバーワンのクライシュテルスについて言った。「ちょっぴり彼女みたいになれるよう祈っている…まだまだ先は長いから、最終的にどこまでいけるか気長に見てみないとね」。

 キム・クライシュテルス・アカデミーの生徒だったメルテンスは、4度にわたってグランドスラム大会で優勝したクライシュテルスや、やはりベルギー人のジュスティーヌ・エナンのプレーを見ていた子供時代のことをこう回顧する。

「ひたすら彼女たちのプレーをテレビで観ていたわ。あんなふうにすごいショットを打ち、ああも多くの試合に勝つというのは、本当に信じられないほどすごいことだった」

 彼女はまた、今週の自分自身のパフォーマンスについても感銘を受けていた。

「私はトップ100以内の選手を4人も倒したのよ!プランを持って臨んだのだけれど、それがうまくいったわ」

 全豪のシングルス予選を断念しはしたが、メルテンスはルイーザ・チリコ(アメリカ)と組んでダブルスに出場するため、変わらずメルボルンに向かうことになる。

 メルテンスにとってこれは4度目のWTA大会であり、優勝はおろか決勝進出も初だった。

 予選勝者が(予選から合わせ)8連勝してホバートのタイトルを獲るのは、ここ6年で3度目のことである。メルテンスはモナ・バートル(ドイツ/2012年)と2016年に全仏を制したガルビネ・ムグルッサ(スペイン/2014年)に続き、予選を勝ち抜いた末にホバートの優勝杯を勝ち取ったプレーヤーとなった。(C)AP