SUVを語るとき、やはり“アメリカンSUV”は外せない。そこで今回は日本でも人気を博した個性的で懐かしいモデルを取り上げる。◆ジープ・チェロキー(2代目・1984年)それまでの『ワゴニア』に代わる、コンパクトで近代的なSUVとして登場。ユニ…

SUVを語るとき、やはり“アメリカンSUV”は外せない。そこで今回は日本でも人気を博した個性的で懐かしいモデルを取り上げる。

◆ジープ・チェロキー(2代目・1984年)

それまでの『ワゴニア』に代わる、コンパクトで近代的なSUVとして登場。ユニフレームと呼ぶシャシーフレームとボディを一体化した構造は、軽量&コンパクト化を実現した。年式ごとにディテールは異なるも、四角くシンプルなスタイリングは、今、カタログで眺めてみると懐かしくも愛おしい。

フカッとしたシートに腰かけ、バシャ!とドアを閉め、ザクッ!とセレクターレバーを入れ走り出すと、ステアリングも乗り味もいかにもアメリカ車らしい、鷹揚な走りが楽しめた。

一時期、ホンダのディーラーでも扱われ、右ハンドル車の設定、4リットルのV6を搭載し300万円を切る価格なども話題に。

◆フォード・エクスプローラー(2代目・1994年)

北米市場で14年間連続でSUVのトップセラーを記録したモデル。初代は1990年に登場し、日本市場へも導入された。カタログの写真は2代目で、4ドア車では右ハンドルも用意された。

ポートホイールインフレームボディ構造を採用し、2代目では「旧型に比べねじり強度で350%、垂直・横方向の曲げ強度を26%も向上」(カタログの文面より)、4輪独立サスペンションも採用している。エンジンにはV6の4リットルとV8の4.6リットルを設定。

シートの座り心地はもとよりカーラジオの音質まで甘く心地いいアメリカンSUVだった。

◆シボレー・ブレイザー(1995年)

『ブレイザー』は、もともとフォードの『ブロンコ』に対抗するため、シボレー・ディビジョンのSUVとして仕立てられた。カタログは1995年にヤナセにより導入されたモデルで、『ブレイザーLS』と呼び、4.3リットルのV6を搭載した。

トランスファーはボタン操作で切り替えができ、“2HI”では前輪の駆動系を自動で切り離すインスタトラック機構も装備。スペアタイヤは床下に吊り下げ、バックドアは上下2分割開閉式。コラムシフト、スコッチガードファブリックス(撥水加工のシート生地)も採用。

途中のマイナーチェンジでおなじみの2段構えのフロントマスクが採用された、

◆ハマーH2/H3(2002年)

もともと軍用だったAMジェネラル社の『Humvee(ハンビー)』を民生用に仕立てたのが『H1』。『H2』はGMのSUV、『シボレー・タホ』をベースとし、全長5180mm、全幅2130~2180mm、全高2060~2070mm、ホイールベース3120mmの堂々たる姿態が特徴。

搭載エンジンにはV8の6.2リットル、6リットルなどが選ばれている。一方の『H3』は『H2』のイメージを踏襲しながらよりコンパクトなボディサイズを実現したもの。全長×全幅×全高は4720×1970×1850mm(Type-S)、ホイールベースは2842mm。室内は『H2』ほど前席左右間が遠くはなく、インパネのデザインもグッと乗用車的なものに。

とはいえ床面にクッション材が敷かれた実用的なカーゴスペースをもち、5速MT社も設定。搭載エンジンは直列5気筒の3.5リットル。