ヤンキースの田中将大投手は、今季終了時に契約破棄できるオプトアウトの権利を保有している。米メディアでは今季限りでの退団の可能性やシーズン中のトレードの可能性も報じられているが、ヤンキースのブライアン・キャッシュマンGMは今季中の契約延長交渉…

ヤンキースの田中将大投手は、今季終了時に契約破棄できるオプトアウトの権利を保有している。米メディアでは今季限りでの退団の可能性やシーズン中のトレードの可能性も報じられているが、ヤンキースのブライアン・キャッシュマンGMは今季中の契約延長交渉を行わない方針を明らかにしたと、ニュージャージー州最大のニュースサイト「NJ.com」が報じている。

■今季終了時に契約破棄の権利を持つ田中、米メディアは「長期契約にリスク」と指摘

 ヤンキースの田中将大投手は、今季終了時に契約破棄できるオプトアウトの権利を保有している。米メディアでは今季限りでの退団の可能性やシーズン中のトレードの可能性も報じられているが、ヤンキースのブライアン・キャッシュマンGMは今季中の契約延長交渉を行わない方針を明らかにしたと、ニュージャージー州最大のニュースサイト「NJ.com」が報じている。

 記事では、ヤンキースで4シーズン目を迎える田中が2014年から結んだ7年総額1億5500万ドル(約179億円)の大型契約を今季終了時に破棄し、フリーエージェント(FA)となれる「オプトアウト」の権利を保有していると紹介。その上で、もしも残留を決断すれば、20年まで3年間の契約を残しており、合計6700万ドル(約77億円)の報酬を手にすることができると紹介している。ただ、今季も好成績を残してFAとなれば、田中がさらに好条件の契約を結べることは確実だ。

 日本人右腕流出の可能性もあり、ヤンキースがその前に契約延長を目指す可能性もあると見られていたが、キャッシュマンGMは今季中の田中サイドとの交渉を否定したという。

「彼が素晴らしいシーズンを送れたらいいね。そこで彼は(オプトアウトするかどうかを)決断をするだろう。彼が決断しないのなら、(契約破棄は)しないということだろう」

■「長期契約を延長するにあたって未だに多大なリスクがつきまとう」!?

 同GMはマンハッタンで行われたイベントに出席後、こう語った上で「我々は重大な投資を行った。彼は昨年、サイ・ヤング賞候補だった。間違いなく、我々はもう一度活躍を期待している。しかし、現時点では契約延長についてのチーム内の話し合いは行っていない」と説明したことを記事は伝えている。当然、田中がシーズン後にFAとなっても、ヤンキースとさらにいい条件で再契約し、残留する可能性は十分にある。

 昨季31試合に先発し、14勝4敗で防御率3.07と活躍した田中だが、ヤンキースの動きの裏には田中の健康への懸念が存在するようだ。「NJ.com」は「田中は昨季初めて24試合以上先発し、故障者リストに一度も入らなかったが、彼は長期契約を延長するにあたって未だに多大なリスクがつきまとう」と分析している。

 田中はルーキーシーズンの2014年に右肘靭帯部分断裂で長期離脱を余儀なくされた。ヤンキースは患部を修復するトミー・ジョン手術ではなく、保存治療を選択。その結果、昨季は大活躍したが、記事では「田中は靭帯周辺を強化することで手術を回避した。2015年には右手首の腱と右前腕部の張りを訴えたが、ヤンキースはトミー・ジョン手術を将来的に受ける警告かもしれないと認めていた」と指摘している。

 地元メディアでは未だに消えない肘の不安を、快刀乱麻のピッチングで払拭することができるだろうか。