カタール・ドーハで開催された「カタール・エクソンモービル・オープン」(ATP250/1月2~7日/賞金総額123万7190ドル/ハードコート)の男子シングルス決勝で、前年度覇者で第2シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)が第1シードの…

 カタール・ドーハで開催された「カタール・エクソンモービル・オープン」(ATP250/1月2~7日/賞金総額123万7190ドル/ハードコート)の男子シングルス決勝で、前年度覇者で第2シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)が第1シードのアンディ・マレー(イギリス)を6-3 5-7 6-4で下し、タイトル防衛に成功した。

 男子テニス界最高峰の戦いを2時間54分にわたって披露した、この劇的な試合をものにするために、ジョコビッチは4つのマッチポイントを必要とした。そのうち3つは第2セット、最後の1つは第3セットに訪れた。

 「間違いなく、これは年をスタートさせる最良の方法のひとつだろう」とジョコビッチ。「準決勝で僕が5つのマッチポイントをセーブしたあとで、今日は第2セットで僕のほうが3つのマッチポイントをつかみ、彼がそれを覆したときには、“うわ!”って感じだったね」。

 「アンディと戦うときは、最後の最後のワンショットまで何が起こるかわからない」

 マレーが負けたことで、9月18日から続いた彼の連勝記録は28でストップした。

 ジョコビッチは第2セットの第10ゲームで3つのマッチポイントを手にしながらそれをものにできず、マレーが5-5とし、結果的に彼がセットをつかむのを阻むことができなかった。

 マレーは最終的に第2セット第10ゲームでインサイドアウトのフォアハンドのウィナーを決め、4度目のブレークポイントをものにした。

 しかし第3セットでジョコビッチが5-4からサービスに入ったとき、マレーは一時0-30とリードしながらも、同じ魔法を生み出すことができなかった。マレーは、やはり第3セット第6ゲームでもブレークポイントを握ったが、そこでもそのチャンスから実りを引き出すことに失敗していた。

 「肉体的に、これは年を始めるためのいいテストだった。僕の体は今のところ大丈夫な感じだ。これはいい点だよ」とマレー。

 「それでも、もっとうまくできたはずだったと思うことは幾つかある。今週の僕は、ブレークポイントであまり機能的ではなかった」

 ところでジョコビッチは試合中に2度にわたり、フラストレーションのあまり、我を忘れてしまう場面があった。苛立ちからくるスポーツマンらしからぬ粗野な行為ゆえ、主審のカルロス・ベルネルデスはジョコビッチに2度の警告を与え、その2度目の警告で彼はポイントを失いさえしたのだ。

 1度目の警告は、第1セット第6ゲームで起きた。そして2度目の警告は、マレーのサービスゲームだった第2セット第11ゲーム、40-30の場面で、ジョコビッチが苛立ちのあまりラケットを叩きつけたときに起き、ペナルティでポイントを失ったことにより、ゲームはそのままそこで終わることになった。

 さらに罰でポイントを失ったことに腹を立てたジョコビッチは、カッとなった様子でボールを地面に叩きつけ、それが図らずも観客席に飛び込んで女性にぶつかるという事故も起きていた。

 世界1位のマレーはジョコビッチと対戦し、第1セットを落とした20試合のすべてで最終的に敗れている。全体的に見てもジョコビッチはマレーに対して、25勝11敗と大きく勝ち越している。

 マレーは、この決勝に先立つふたりの最後の対戦だった、昨年11月のATPファイナルズ決勝で6-3 6-4の勝利を収めていた。マレーはその勝利によって、ジョコビッチに先んじ、初の年末ナンバーワンの座をつかみとったのである。(C)AP