オーストラリア・ブリスベンで開催されている「ブリスベン国際」(ATP250/オースラリア・ブリスベン/1月1~8日/賞金総額43万7380ドル/ハードコート)の男子シングルス準決勝で、第7シードのグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)が…
オーストラリア・ブリスベンで開催されている「ブリスベン国際」(ATP250/オースラリア・ブリスベン/1月1~8日/賞金総額43万7380ドル/ハードコート)の男子シングルス準決勝で、第7シードのグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)がディフェンディング・チャンピオンで第1シードのミロシュ・ラオニッチ(カナダ)を7-6(7) 6-2で破り、ツアー5度目の決勝進出を果たした。ディミトロフはこのブリスベンで2012年に準優勝している。
ラオニッチは前日に行われた準々決勝でグランドスラム14度の優勝を誇る第5シードのラファエル・ナダル(スペイン)をフルセットで破り、1勝5敗だった対戦成績を一つ改善させて、自信をつけて臨んだ準決勝だった。だが、連覇への道はここで途絶えることになった。
第1セットのタイブレークでラオニッチがセットポイントをつかんだときは、2015年大会の決勝でロジャー・フェデラー(スイス)に敗れ、そして2016年大会の決勝でそのフェデラーを破って優勝したラオニッチが3年連続の決勝へ向かっているように見えた。
だが、25歳のディミトロフはそこを譲らずにセットを奪うと、第2セットでラオニッチのサービスを2度破って勝利をつかんだ。
ラオニッチは前日、ナダルに挽回勝ちした試合の終了時間が遅かったことや、ナダルのような強靭で粘り強い相手と戦ったことからくる肉体疲労を敗因に挙げようとはしなかった。
「言うまでもなくディミトロフが、ことを僕にとって非常に難しくし、僕のほうは勝つために必要なパフォーマンスを生み出すことができなかった」とラオニッチ。「僕はただ、(動きが)少し遅かったと思う」。
昨年のラオニッチは全豪オープンで準決勝に進出し、ウィンブルドンでは初のグランドスラム決勝に進出。最終的に世界ランキングを3位で終えた。反面、彼は昨年のブリスベン以来、優勝を遂げていない。
ラオニッチは、2017年にはそれらすべてを、さらにいい方向にもっていけると信じている。
「すごくいい感触を覚えている。僕は正しい軌道上にいる。予想外の躓きさえ避けられれば、僕はメルボルンで非常によい時を過ごすことができると感じている」とラオニッチは言った。
世界17位のディミトロフはラオニッチとの対戦成績を3勝1敗とし、第3シードの錦織圭(日清食品)と決勝を争う。その錦織は準決勝で、第2シードのスタン・ワウリンカ(スイス)を7-6(3) 6-3で倒して勝ち上がった。錦織はディミトロフに対してこれまで3戦全勝だ。
ディミトロフは2012年大会で初めて決勝に進出し、アンディ・マレー(イギリス)に敗退。2015年と16年はいずれもロジャー・フェデラー(スイス)に阻まれ、今回が2度目の決勝となる。
ワウリンカは過去3年、新シーズン1週目にはチェンナイで優勝を遂げてきたが、今年はシーズンの始め方を変えて臨んだ大会だった。彼は第1セットと第2セットで左足首の治療を受けたが、それが16日に始まる全豪オープンに影響をおよぼすことはないだろうと言った。
ワウリンカがバックハンドを続けてミスしたとき、錦織はそのチャンスを逃さずつかみ、第2セット最初のブレークポイントをものにして3-1とリードを奪った。ワウリンカはすぐにブレークバックしたが、続くゲームで自分のサービスゲームを落とした。
ワウリンカは昨年の全米オープン準決勝で錦織を破ったが、今回の対戦を含む直近の4戦においては、唯一の勝利だ。ふたりの対戦成績は4勝4敗のタイとなった。
錦織が今大会に出場するのはこれが7度目で、準決勝進出は4度目のことだったが、これまではベスト4の壁を破れずにいた。
「何度もトライしたけど、日曜日まで勝ち残ったのはこれが初めて。だからすごくうれしい」と錦織。「特に、今日はスタンを破ったのだから、よい年のスタートだと思う。明日の試合はより厳しいものになるかもしれないが、決勝を戦うのを楽しみにしている」。
錦織は2014年全米オープンのファイナリストで、まだなし得ていないグランドスラム優勝を目指している。(C)AP(テニスマガジン)