新型コロナウイルス禍で、今年度唯一の全国大会となった「春高」が幕を閉じた。感染防止のため全試合を無観客で開催。大歓声が飛び交う恒例の光景は見られなかったが、選手の活気あるプレーが最後まで大会を盛り上げた。  感染リスクを抑えるため会…

 新型コロナウイルス禍で、今年度唯一の全国大会となった「春高」が幕を閉じた。感染防止のため全試合を無観客で開催。大歓声が飛び交う恒例の光景は見られなかったが、選手の活気あるプレーが最後まで大会を盛り上げた。

 感染リスクを抑えるため会場入りは監督やスタッフのほか、出場登録した18選手のみに限定。会場周辺には「気持ちだけでも」と応援に来た保護者らの姿も見られた。試合中に選手が大声を出すシーンも目立ったが、肘での“ハイタッチ”や試合以外でのマスク着用が徹底されるなど、随所で感染対策への意識が垣間見られた。

 開会式は簡素化し、入場者には開幕日の2週間前から検温や体調の確認を義務づけた。出場校は大会前の対外試合を自粛したり、宿泊先を個人部屋にしたりと対策を講じてきた。発熱者が出た影響で男子の東山(京都)が大会途中で欠場を余儀なくされたが、各校の努力もあって男女計104校が少なくとも1試合を戦うことができた。

 8日には、1都3県に緊急事態宣言が発令された。予断を許さない状況が続いたが、主催者側は感染対策をさらに徹底して大会を続行。女子を制した就実の周田(すだ)夏紀(3年)は「いつ試合がなくなるかも分からない状況で、一戦一戦を悔いがないようにと戦ってきた。決勝までいくことができてよかった」と感慨を込めた。

(川峯千尋)