今年3月に4回目を迎えることになったワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。オリンピックに代わる野球世界一決定戦を目指し、2006年にから始まった国際大会は、回を追う毎に盛り上がりを増している。記念すべき第1回大会と2009年に行われ…

今年3月に4回目を迎えることになったワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。オリンピックに代わる野球世界一決定戦を目指し、2006年にから始まった国際大会は、回を追う毎に盛り上がりを増している。記念すべき第1回大会と2009年に行われた第2回大会で連覇した日本代表は、前回大会は準決勝で敗れる悔しさを味わったが、今回は2大会ぶりの王座奪還を狙っている。

■侍ジャパンでは内川が第2回から3大会連続出場、ベネズエラでは…

 今年3月に4回目を迎えることになったワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。オリンピックに代わる野球世界一決定戦を目指し、2006年にから始まった国際大会は、回を追う毎に盛り上がりを増している。記念すべき第1回大会と2009年に行われた第2回大会で連覇した日本代表は、前回大会は準決勝で敗れる悔しさを味わったが、今回は2大会ぶりの王座奪還を狙っている。

 日本代表・侍ジャパンを率いる小久保裕紀監督は、昨年12月に19人のメンバーを先行発表した。その中には、第2回から3大会連続出場する内川聖一外野手(ソフトバンク)、第1、2回大会に続き3度目の出場となる青木宣親外野手(アストロズ)の名前がある。3大会出場でも称賛すべきことだが、世界に目を向けると、さらに上を行く選手がいた。WBC公式サイトでは「4度目のWBCを狙う選ばれし6人」と題した記事を掲載。第1回から今年の第4回まで“皆勤出場”が確実な6選手を紹介している。

 トップバッターは、ベネズエラ代表の主砲ミゲル・カブレラ(タイガース)だ。第1回大会時に23歳だったカブレラは、すでに当時在籍したマーリンズの若手スターとして注目を集め、代表チームでもクリーンアップを任されていた。それからメジャーを代表する好打者に成長。2012年には打率(.330)、本塁打(44)、打点(139)の3冠王に輝き、メジャー最高の打者の座を確実なものとした。WBCでも勝負強さを発揮。通算17試合に出場し、打率.270、5本塁打、12打点をマーク。記事では、昨年7月に地元紙「デトロイト・フリープレス」に語った言葉を引用。「(WBCが)唯一ベネズエラという国名の入ったユニフォームが着られる時。だから、ベネズエラを代表できることを本当に誇りに思う」と代表入りに掛ける熱い思いを語っている。

■プエルトリコ代表には“鉄人”が2選手

 前回準決勝で日本を破り、準優勝を果たしたプエルトリコからは2選手が登場。1人目は今季からアストロズに移籍したベテラン外野手カルロス・ベルトランだ。第1回大会当時、28歳と脂が乗りきっていたベルトランは現在39歳。昨季はシーズン途中でヤンキースからレンジャーズにトレード移籍したが、通算打率.295、29本塁打、93打点と衰えることを知らない。WBCでは通算21試合出場で打率.274、3本塁打、9打点を記録。同時に4盗塁もマークしている。

 もう1人は、メジャーNO1捕手の呼び声も高いヤディエル・モリーナ(カージナルス)だ。元メジャーリーガーのベンジー、ホセを兄に持つモリーナ3兄弟の末っ子は、23歳だった第1回大会は名捕手イバン・ロドリゲスの控えとして出場。第3回大会では正捕手として投手陣を好リードし、日本を破る要となった。WBCでは通算14試合を戦い、打率.289、3打点を記録している。記事によれば、昨年8月に地元紙「セントルイス・ポスト-ディスパッチ」に対し、「ワールドシリーズで戦うことは大きなことだが、故郷を代表して戦うこともまた大きなこと」と、WBCでプレーする意義を伝えたそうだ。

 4人目は、昨年11月の侍ジャパン強化試合で来日したメキシコ代表のエイドリアン・ゴンザレス(ドジャース)。カブレラ、モリーナと同様に、第1回大会当時は23歳だったゴンザレスは、メジャーで59試合プレーしただけの新人だったが、第2回大会開催時にはパドレスの主砲に成長。今では押しも押されもせぬメジャー屈指の巧打者となった。今回代表チームを率いるのは、実兄であり元巨人のエドガー。兄弟タッグで優勝を狙う。WBCでは通算14試合に出場し、打率.267、3本塁打、12打点をマークしている。

■前回ドミニカ共和国を初優勝に牽引したレイエスが4度目狙う

 前回優勝のドミニカ共和国で4度目の代表になるのはホセ・レイエス(メッツ)だ。前回大会は「1番・遊撃」として先発し、強敵ベネズエラ戦では5打数4安打、決勝プエルトリコ戦でも二塁打と三塁打を放ち、悲願の初優勝を演出した。WBCには通算15試合に出場し、打率.260、1本塁打、3打点を記録。大事な時に頼れるリードオフとしてチームを支えている。

 中南米出身選手が並ぶ中、北米地域で唯一4大会連続出場となりそうなのが、カナダ代表のジャスティン・モーノー(ホワイトソックスFA)だ。これまでカナダは決勝トーナメントに進んだことはないが、モーノーはカナダ国旗のタトゥーを入れるほどの愛国心を持っている。WBCでは通算8試合に出場し、驚異の打率.455をマーク。記事によれば、30打席以上の打者に限れば歴代2位の高打率で、二塁打8本は歴代最多だという。カナダ代表ではジョーイ・ボット(レッズ)が出場を辞退したため、モーノーが正一塁手として出場することになりそうだ。

 6選手はいずれもメジャーを代表するトップ選手ばかり。彼らが故郷の名誉と威信を懸けて戦う第4回WBCまで残すところ約2か月。世界の野球ファンを魅了する手に汗握る戦いに期待がかかる。