12月26日放送の「卓球ジャパン!」は、「卓球ニッポン最大のライバル 中国徹底解明SP」。前回の男子編に続き、今回は女子編として、中国女子の陳夢、孫穎莎、王曼昱をピックアップ。中国事情をよく知るスペシャリスト、元中国代表で日本に帰化後は日本…

1226日放送の「卓球ジャパン!」は、「卓球ニッポン最大のライバル 中国徹底解明SP」。前回の男子編に続き、今回は女子編として、中国女子の陳夢、孫穎莎、王曼昱をピックアップ。

中国事情をよく知るスペシャリスト、元中国代表で日本に帰化後は日本代表としても活躍した偉関晴光氏、羽佳純子氏がゲスト出演し、中国勢の強さの秘密、攻略法を試合映像を見ながら
DEEPに解説してくれた。



まず最初の試合は、女子ワールドカップ2020、女子決勝の陳夢vs孫穎莎戦。

「力強い両ハンドドライブがあり、バランスが良い選手」(羽佳氏)

「基礎力が高く、特別なプレーはないけど確実に点を取る。日本選手にとっては一番やりにくい」(偉関氏)と語られる世界ランク1位の陳夢。日本のエース・伊藤美誠もいまだ勝ったことがない最大の壁だ。

対する孫穎莎は「女子の中でこれだけパワーがある選手はいない」と偉関氏が脱帽するほどのパワフルなプレーが武器。

そんな2人の一戦は、ハイレベルなミドル攻めの応酬という展開に。たとえば第5ゲーム8-8の場面では陳夢が孫穎莎に対して、一度バックサイドに振って体勢を崩してからのミドル攻め3連打で孫穎莎のミスを誘っている。

孫穎莎/BSテレ東 卓球ジャパン!

フォアハンドで打つかバックハンドで打つか迷う"弁慶の泣き所"であるミドルを狙うことはトップ選手であれば基本中の基本だが、ここまで正確にコースをつけるのは陳夢の技術力の高さがあってこそ。さすがの孫穎莎もこのラリーを切り抜けることはできなかった。

また、陳夢のプレーで羽佳氏が注目したのは第5ゲーム6-5のプレー。陳夢がレシーブで孫穎莎のミドルを突いてから両サイドに振って、後ろに下げさせた後のバック対バックのラリーであえてゆっくり短めに返球。ラリーのリズムを変えて孫穎莎のミスを誘った。

MC平野早矢香も思わず「やばい!」と声がもれるほどのハイレベルなテクニックだ。

陳夢/BSテレ東 卓球ジャパン!

今回、羽佳氏が中国選手の攻略法のひとつとして「相手の予測を外す」ことの重要性をあげている。基礎力が高い中国選手に対して、真っ向勝負で勝つのは至難の業。

厳しくコースを突いて返球するだけでなく、相手を観察し、相手の心理を読み、そのうえで予測を外すプレーができなければ中国勢を崩すことはできない。陳夢が見せたこのような意外性のあるプレーが日本選手にも求められている。

難攻不落とも思える陳夢だが、偉関氏は「レシーブが狙い目」と指摘。陳夢のレシーブは安定性重視で、決して攻撃的ではないので、丁寧に入れてきたレシーブを狙っていけばチャンスはあると語った。

続いての試合は、ITTFファイナルズ2020、女子決勝の陳夢対王曼昱。

陳夢、孫穎莎とともに中国の次世代を担うと言われるのが王曼昱で、その武器は、偉関氏、羽佳氏がともに認める威力満点のバックドライブ。このファイナルズ2020の準決勝でも伊藤美誠をバックドライブで攻め立て、ストレートで勝利をおさめている。

王曼昱のバックドライブはとにかくスイングスピードが速く、第2ゲーム1-0の場面ではミドルに来たツッツキに対してバックドライブで攻撃し得点しているが「中国女子の中でもミドルのボールをあれだけ回転をかけられる選手は少ない」と偉関氏も驚いている。

王曼昱/BSテレ東 卓球ジャパン!

「ミドルも効かないってどういうこと? どうしたらいいんですか? 勘弁してくださいよ、もう」と叫びたくなるMC武井壮の気持ちもよくわかる。中国選手に弱点らしい弱点などないのだ。

1試合目と同じくスーパープレーがたくさん見られた陳夢vs王曼昱戦。陳夢の逆モーションバックフリックや精度の高い3球目攻撃、終盤で王曼昱が披露したノータッチで抜けていく一撃必殺のチキータ。「全部高等技術じゃないですか」と、もはや武井も呆れ顔だ。

以上をふまえて、中国選手を倒すカギとして偉関氏があげたポイントは2つ。

1つ目は日本のプレースタイルの「速さ」を活かすこと。

2つ目はサーブレシーブ。「この分野は中国は意外に進化していない。日本の方が種類が増えている。この部分を伸ばせればチャンスが見えてくる」と語った。

......と、DEEPに中国選手を徹底分析した今回だが、実はもう1つおもしろい見所があった。それは、"事情通"羽佳純子氏が明かす中国選手のプライベート情報だ。

たとえば「陳夢は人気俳優の従兄弟の影響を受けて、結構オシャレに気をつけている」とか「一緒に焼肉に行った時はかなりの量を食べていて、だから力強いドライブが打てる」、「孫穎莎は意外にもインドア派」、「真面目で努力家の王曼昱は東野圭吾の大ファン」など、日本ではなかなか知ることができないレアな情報を仕入れてくれたのだ。

「羽佳さんの解説いいですね。陸上界の増田明美さんとかぶる(笑)」と武井も大絶賛。次はぜひ中国男子編のプチ情報を聞きたいものだ。



次回は「卓球ジャパン!クロニクル」で、世界卓球2016 での日本女子の戦いぶりをプレイバック。お見逃しなく!

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