専門誌では読めない雑学コラム木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第287回 ゴルフ歴30年以上のベテランですが、いまだやる気満々で、日夜レベルアップに励んでおります。 けど、昔と違って、今のやる気はちょっと違います。以前、メンバーだった頃は、毎…

専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第287回

 ゴルフ歴30年以上のベテランですが、いまだやる気満々で、日夜レベルアップに励んでおります。

 けど、昔と違って、今のやる気はちょっと違います。以前、メンバーだった頃は、毎週必ず練習場に行って、バカスカ打ちまくり、最低でも週1回はラウンドしていました。月例等の競技には、ほとんどエントリーしていましたね。まるで、熱病にでもうなされたかのように、足繁く倶楽部に通っていたのです。

 たぶん、子どもの頃にスポ根漫画で育ったから、こういうふうにガムシャラに鍛錬するのが当たり前、と思っていたんですよね。何ら違和感を覚えることはなかったですから。

 それが、リーマンショック、東日本大震災と続いて、ゴルフどころではなくなります。会員権を売って、ラウンド数も激減。その当時は、ゴルフに対するテンションがかなり下がっていました。

 でも、そこからですよ、クラブ競技に参加しなくても、仲間うちのコンペや、お誘いのラウンドがあったりするわけじゃないですか。

 そこで、たまの80台を目指そうか、と思うようになったのです。



歳を取ってもゴルフへの闘志が衰えず、日々鍛錬に励むことは悪くないと思いますよ。illustration by Hattori Motono

 昔は毎週2回ぐらい練習していましたが、今は年に2回ぐらい練習場に行って......って、ほんと少ないなぁ......。でも、ふつふつと湧き出る闘志は、昔とさほど変わっていません。

 闘志の湧き方を火山の噴火に例えると、昔は大島の三原山などの日本型大噴火が週に1回起きる、という感じでした。今はハワイのキラウエア火山のように、毎日ダラダラとマグマが少しずつ出ている感じ?......って、なんだそりゃ。

 ともかく、そのテンションをどのように維持しているのか、少し紹介していきましょう。

(1)第一に素振りとストレッチ
 歳を取ると、次第に体が回らなくなってきます。だから、なるべく体を柔らかくして、トップをうまく形成できるように、日々軽い運動をします。

 最近よくやっているのは、マスコットの短いクラブを、単にブランブランさせて、肩の可動域を広げる運動です。

 フォームをばっちり作ってやるのではなく、朝起きてブランブラン、夜はテレビのCMの間にブランブランといった感じです。そんな程度でも、以前よりはだいぶ肩が回るようになりました。

 以前は取材などで、自分のスイングを映像で見せてもらうと、トップが浅くて、力のないボールがひょろ~っと飛んで、なんだかなぁでした。だから、ちゃんと肩を入れて、深いトップを形成するようにしました。

 そうして、1週間に4~5回、ほんの5分ぐらい、思い出したようにマスコットクラブを振っています。

 他、散歩をしながらストレッチをするなど、毎日少しずつ何かをやっています。それで、ゴルフに対する闘志について、ダラダラ溶岩が流れる「キラウエア火山のよう」と表現したわけで、日々私がやっていることを"キラウエア型エクササイズ"と命名しました。

(2)コースでやること
 年に2回しか練習場に行かないので、コースに行ったら、なるべく練習するようにしています。特にバンカーの練習ができるところがあれば、入念にやりますね。こればっかりは、他では練習できませんから。

 そして、スタート直前にも念入りに素振りをします。

 ゴルフ番組を見ると、プロやトップアマがドライバーを持つ時、1回素振りをしてから構えに入ります。その素振りは軽くですが、トップまでクラブを運び、一瞬止めるようにして振り下ろします。

 これが、アベレージアマチュアにはなかなかできない。気持ちだけ焦って、おざなりになり、拙いワッグルみたいな素振りになっている。

 それじゃあダメだろうと気づいて、しっかりトップを形成する素振りをするように心がけるようにしたのです。最初は深いトップからクラブを振り降ろすので、あらぬ方向へ飛んだりもしましたが、次第に打球も安定し、以前よりも飛ぶようになりました。

 というわけで、ゴルフに対する姿勢、考え方、やり方など、いろいろ変えて、年相応の対応をしていくのが大事だと思います。

(3)ニューギアはご褒美
 時に新しいクラブを導入すると、ラウンドの際にいい刺激となります。だから、中古クラブでも構わないので、たまにはクラブを購入し、自らのプレーに刺激を与えましょう。

 ここ5年で一番安いクラブの購入は、ネットオークションで買った6番のUTです。確か、3000円台でした。

 しかしこれが、今でも"一軍"で活躍しており、非常に心強い武器になっています。3000円で1年ぐらいゴルフが楽しく、張り合いが出るのですから、コスパは恐ろしくいいですよ。

 今年は、1万円ちょっとでアプローチUTを購入。これも重宝しています。これは新品ですが、驚くほどの安さにびっくりしています。

 練習場に行ったら、2000円ぐらい使うじゃないですか。だったら、それを5、6回我慢して、狙っている中古クラブや格安のクラブを買うのもありかな、と。

 長年ゴルフをやっていると、自分に合うクラブは自ずと決まってきます。それに、ドライバー以外、さほど飛距離を求めませんし、飛ばしたいなら番手を上げればいいだけの話です。

 と言いながら、素振りを繰り返しやっていたら、いやいや、この歳になって飛距離アップなんて!? 自分でも信じられませんでしたよ。

 ゴルフって、まだまだ伸びしろがあるんだな、と。奥が深いな、とつくづく思っています。

(4)現状維持がすばらしい
 これまでのゴルフ人生で、自分のゴルフの最盛期は20年ぐらい前で、年間平均スコアが80台でした。70台もたまに出て、シングルまでもう少し、って感じでしたけど、それが限界でした。

 メンバーだった鶴舞カントリー倶楽部で大きな試合に勝って、我が世の春を迎えましたが、その後は燃え尽き症候群になったんですかね。競技に出ても、90台ばかりでした。それから、ダラダラと平均スコアが下がり、最悪の時は100叩きもしました。

 そんな状況を迎えて「これ以上、下手になったらヤバい」という危機感を抱き、とにかく「現状維持でいいから、これより落ちないようにしよう」となりました。

 けど、人間って次第に歳を取っていくと、現状維持がいかに大変、かつ大事なことか、身に染みてわかってきます。体重もそうだし、毛髪も、下半身の衰えも、仕事量も、ですね。

 ゴルフは必ず誰かとラウンドするので、みっともないプレーはできない。相手に失礼だし、自分でも不甲斐ない。それが「現状維持をしよう」と決めたきっかけです。

 カッコよく言えば、美学みたいなものでしょうか。パスタを食べる時はフォークを使う。納豆を食べる時は必ずネギを入れる、とかね。

 ゴルフをする時は、同伴プレーヤーに対して、失礼のないようにする。手を抜かず、100は叩かないように、と。

 今後も、平均スコア90台のゴルフを維持したいです。毎回100以上を叩いたら、引退するかもしれません。だって、そんなゴルフは自分的には耐えられないんじゃないかと。