不名誉な記録とおさらばする。2016年は“完全最下位”に終わったオリックスが、2017年が狙うのは最下位からの巻き返しだ。2016年は広島が25年ぶりのリーグ制覇を達成し、オリックスはこれでプロ野球12球団で最も優勝から遠ざかっているチーム…

不名誉な記録とおさらばする。2016年は“完全最下位”に終わったオリックスが、2017年が狙うのは最下位からの巻き返しだ。2016年は広島が25年ぶりのリーグ制覇を達成し、オリックスはこれでプロ野球12球団で最も優勝から遠ざかっているチームとなってしまった。

■“完全最下位”からの巻き返しを狙うも、プラス要素は新外国人の出来次第

 不名誉な記録とおさらばする。2016年は“完全最下位”に終わったオリックスが、2017年が狙うのは最下位からの巻き返しだ。2016年は広島が25年ぶりのリーグ制覇を達成し、オリックスはこれでプロ野球12球団で最も優勝から遠ざかっているチームとなってしまった。

 阪神・淡路大震災からの復興の願いを込めた「がんばろう神戸」をスローガンに、1995、96年はイチロー、田口らを擁しリーグ連覇を成し遂げた。あれから20年――。当時の主力選手たちは立場が変わり、今は首脳陣としてグラウンドに立っている。1軍には福良監督、星野投手コーチ、平井投手コーチ、2軍には田口監督、佐竹ヘッドコーチ、小林投手コーチ、勝呂内野守備走塁コーチの布陣。黄金期を過ごした彼らにとっては、歯がゆいシーズンが続いているに違いない。

 果たして優勝から最も遠ざかっているチームは、戦国パ・リーグを制覇できるのか? FA宣言した糸井が阪神に移籍し、53盗塁を記録した「1番・右翼」を失った。日本ハムからFA宣言した陽岱鋼の獲得にも失敗。今季に向け、補強でのプラス要素は新外国人の出来次第となった。

■戦前評価が高いと低迷、評価低かった2014年は0.5差の2位…2017年は?

 近年のオリックスは戦前の評価が高いほど、その年のシーズンに低迷する傾向にある。例えば2012年。オフに李大浩、ミンチェ、高橋信など大型補強に成功し、優勝候補に挙がっていたが57勝77敗10分。借金20で断トツの最下位に終わり、岡田監督はシーズン終盤に解任された。さらに2015年。前年はソフトバンクと優勝争いを演じて2位となり、オフには中島、小谷野、ブランコ、バリントンら「40億円補強」を行ったがケガ人が続出。立て直すことができず、61勝80敗2分で5位に終わり、シーズン途中で森脇監督は休養となった。

 反対に戦前の評価が低かった2014年には、優勝したソフトバンクに0.5ゲーム差と肉薄する2位に付けている。誤解を恐れずに言うなら、期待値が低い時ほどオリックスは何かを起こす可能性があるということ。2017年を他球団と同等に戦い抜くためには、エース・金子、西、ディクソンの3枚看板が最低でも2桁勝利、移籍3年目の中島と小谷野の活躍、ルーキーイヤーに10本塁打をマークした吉田正のレギュラー定着などが必要になってくる。

 両リーグを見ても、関西から優勝球団が出たのは2005年の阪神まで遡らなければならない。来季、21年ぶりの優勝を成し遂げることができるのか。福良オリックスに注目したい。