2016年、球団創設5年目にして初のクライマックスシリーズ進出を果たしたDeNA。若いチームが一体となって躍進し、球界に話題を振りまいたが、果たして今季はどんなシーズンになるのか。2017年に予想される注目ニュースをピックアップする。■筒香…

2016年、球団創設5年目にして初のクライマックスシリーズ進出を果たしたDeNA。若いチームが一体となって躍進し、球界に話題を振りまいたが、果たして今季はどんなシーズンになるのか。2017年に予想される注目ニュースをピックアップする。

■筒香3冠王なら松中以来13年ぶり

 2016年、球団創設5年目にして初のクライマックスシリーズ進出を果たしたDeNA。若いチームが一体となって躍進し、球界に話題を振りまいたが、果たして今季はどんなシーズンになるのか。2017年に予想される注目ニュースをピックアップする。

○筒香、侍4番&3冠王なるか

 昨季、自身初タイトルとなる打撃2冠に輝いた筒香。一躍、球界を代表するスラッガーとなったハマの大砲は、シーズン後の侍ジャパンの強化試合に選出された。注目の打順は4試合ともに5番で、4番は日本ハム・中田に譲ったが、3月に行われるWBCの4番候補であることに違いない。打線の真ん中に筒香がいれば、頼もしいだろう。

 一方、シーズンでは歴史的な快挙に期待がかかる。昨季は44本塁打、110打点でタイトルを獲得したが、打率.322は惜しくもリーグ3位。打率.344で首位打者に輝いた巨人・坂本とは2分2厘差。同2の広島・鈴木、同4位の広島・菊池、さらに筒香同様に打撃3冠の実力を秘めるヤクルト・山田らライバルは多いが、04年のダイエー・松中以来13年ぶりの3冠王誕生も夢ではない。

○19年ぶりのリーグV&日本一へ

 チームに目を移すと、最大のテーマは19年ぶりのリーグ優勝だろう。就任1年目のラミレス監督は4月に最大借金11の最下位からチームを立て直して3位に入り、球団初のCSに導く快挙を達成。来季は98年以来となるリーグ制覇を目標に掲げており、就任2年目となる手腕に注目が集まる。

○FA移籍山口の代役は誰?

 今オフ、チームで最も大きな話題となったのが、山口のFA移籍だ。昨季取得した国内FA権を行使して巨人に移籍。11勝の勝ち頭を失うのは痛手だが、その穴を埋めなければ上位進出は見込めない。山口の代役で開幕投手を務めた井納、侍ジャパンも経験した石田、12球団新人トップ8勝を挙げた今永らが候補となるが、まずは誰が開幕投手を務めるか。

■昨季は助っ人がハマらなかったが…

○今季こそ外国人は当たるか

 昨季はオフにロマック、ぺトリックと2人を獲得。だが、米マイナー通算200発のロマックは、まさかの0本塁打。シーズン中に加入したザガースキー、ブロードウェイも含め、昨季獲得した5人のうち4人が1シーズンで退団するなど、補強に失敗した感が否めなかった。今オフはワールドシリーズを制したカブスで中継ぎを務めたパットンを始め、クライン、ウィーランド、シリアコと外国人4選手を積極補強。ハマれば大きな戦力上積みとなるだけに、助っ人の働きがチームのカギを握る。

○山崎康は守護神を守り抜ける?

 史上初となる新人から2年連続で30セーブを達成した山崎康。だが、昨季は8月に打ち込まれて球場ごとに配置転換されるなど、苦しいシーズンとなった。今オフに獲得したパットンについて、球団は抑え候補として期待。高田GMは「山崎康といい方を抑えに使う」という方針を示しており、ハマの小さな大魔神は9回のマウンドを守りたいところだ。

○若手主力“2年目のジンクス”は?

 CS進出の原動力となったのは、桑原、宮崎、倉本、戸柱といった若い選手の躍動だ。だが、彼らはいずれも昨季初めてレギュラーをつかんだ選手たち。チーム内では定位置を狙ってくるライバルもいて、当然、他球団からの研究も進むだろう。レギュラー2年目のシーズン、彼らは昨季の立場を守り抜けるか。

■精神的支柱となる「松坂世代」の2人

○次世代のブレイク候補は?

 新たにレギュラーをつかもうとしている選手たちもいる。ルーキーではドラフト1位・浜口、同2位・水野が開幕ローテ入りを狙う。ほかにも、投手では20歳の飯塚、昨季ドラ2の熊原、野手では21歳の関根、外野にも挑戦している白根らが秋季キャンプから猛アピールしている。チームを活性化させるには、彼らの成長が不可欠になるだろう。

○セカンド&サードは誰が埋める?

 今季レギュラーが固まっていないのが、セカンドとサードだ。昨季は宮崎が両方のポジションを日ごとに務めたが、サードでは白崎、山下、セカンドでは石川、エリアンなどを起用した。クリーンアップを務めた宮崎は今季もレギュラー候補の筆頭だが、ポジションは流動的。セカンド候補で田中浩、サード候補でシリアコも加わり、ポジションを固定したいところだ。

○「松坂世代」の奮闘は?

 ソフトバンク・松坂が故障から完全復活を目指し、「松坂世代」がクローズアップされる機会が多いが、DeNAにも松坂世代が2人いる。松坂と横浜高で一緒に全国制覇した後藤は代打の切り札、松坂とセンバツで投げ合った久保は先発ローテの一角として期待される。それぞれ野手と投手の最年長となり、精神的支柱としてもチームを支えることになる。

○観客動員数はどこまで伸びる?

 11年12月の球団創設以降、伸び続けていたのが本拠地の観客動員数だ。昨季は主催72試合で193万9146人を動員。日本一となった98年の185万7000人を超え、球団史上最多。座席稼働率93.3%で推移した本拠地・横浜スタジアムではチケットが“プラチナ化”しており、大幅な上昇には限界があるが、200万人近くに伸びる可能性もある。

 こうしてみると、グラウンド内外で話題は満載。球団創設6年目を迎える2017年、DeNAはどんなニュースで球界を盛り上げてくれるだろうか。