25年ぶりのリーグ制覇を果たした広島。しかも、2位の巨人に17.5ゲーム差をつける記録的な圧勝だった。優勝するときはこんなものなのか。黒田博樹が日米通算200勝を達成。新井貴浩も通算2000安打に到達するなど、話題には事欠かない1年となった…
25年ぶりのリーグ制覇を果たした広島。しかも、2位の巨人に17.5ゲーム差をつける記録的な圧勝だった。優勝するときはこんなものなのか。黒田博樹が日米通算200勝を達成。新井貴浩も通算2000安打に到達するなど、話題には事欠かない1年となった。そんなカープの2016年10大ニュースを振り
■2位巨人に17.5差、「神ってる」圧倒的V
25年ぶりのリーグ制覇を果たした広島。しかも、2位の巨人に17.5ゲーム差をつける記録的な圧勝だった。優勝するときはこんなものなのか。黒田博樹が日米通算200勝を達成。新井貴浩も通算2000安打に到達するなど、話題には事欠かない1年となった。そんなカープの2016年10大ニュースを振り返る。
◯黒田が日米通算200勝を達成
メジャーから電撃復帰して2年目。残り7勝で迎えたシーズンは開幕から順調に勝ち星を重ね、迎えた7月23日、マツダスタジアムでの阪神戦だった。7回を5安打無失点。味方の大量援護にも恵まれて節目の大記録に到達した。日米通算での達成は野茂英雄以来、2人目だった。
◯新井が通算2000安打
開幕の時点で残り29本。当初から時間の問題だと思われていたが、予想以上のハイペースで安打を量産した。Xデーは4月26日のヤクルト戦(神宮)だ。第2打席で成瀬から左翼線へ二塁打を放ち、47人目の通算2000安打を達成した。「広島に戻ってこなければ達成できなかった」と感謝した。
◯悲願のリーグ制覇
前田健太が抜け、開幕前の下馬評は低かったが、開幕から安定した戦いを続けた。6月5日に首位に返り咲くと、苦手の交流戦も好成績で乗り切り、独走態勢に。そして、マジック1で迎えた9月10日の巨人戦(東京ドーム)。先発・黒田が6回3失点と試合を作ると、鈴木が2本塁打など投打ががっちりかみ合い、6-4で勝利。25年ぶりの優勝を決めた。黒田と新井は号泣しながら抱き合った。
◯鈴木が神った
鈴木誠也が奇跡を起こした。6月17日のオリックス戦(マツダ)。延長12回にサヨナラ2ランを放つと、翌18日の同戦でも2点を追う9回に逆転サヨナラ3ラン。緒方監督は「今風の言葉で言うと『神ってる』よね」と興奮気味にたたえた。さらに19日にも決勝弾を記録した。4年目の鈴木はこの年、大ブレイク。「神ってる」は後に流行語大賞にも輝いた。
◯黒田が引退
クライマックスシリーズ最終ステージを勝ち抜き、日本シリーズ進出を決めた直後に黒田が引退を表明。「ファンやチームメートに最後の登板前に伝えておきたかった」と理由を説明した。日本シリーズでは第3戦(札幌ドーム)に登板。6回途中で大谷を抑えたところで両足がつったため降板。これが現役最後の登板となった。
■菊池が守備のあの記録で歴代ベスト3独占
◯優勝パレードに31万人
初優勝時以来、41年ぶりの優勝パレードには31万3000人がつめかけた。その後にマツダでの優勝報告会では黒田がナインに胴上げされ、号泣した。
◯野村祐輔がマエケンの穴を埋め最多勝
前年5勝に終わっていた野村が開幕から快進撃。5月25日の巨人戦から8連勝。最終的には、前年のマエケンの15勝を上回る16勝(3敗)をマークし、最多勝、最高勝率に輝いた。
◯新井がリーグ最年長MVP
通算2000安打の後には、通算300本塁打も達成した新井。同時達成は史上25人目の快挙だった。4番として打率.300、19本塁打、101打点と好成績を残した。39歳シーズンでのMVP獲得はリーグ最年長だった。
◯タイトル独占
新井がMVP。ジョンソンが沢村賞。菊池が最多安打。野村が最多勝、最高勝率を受賞。ゴールデン・グラブ賞は4人(石原、菊池、丸、鈴木)、ベストナインは5人(野村、石原、新井、丸、鈴木)が受賞した。
◯菊池が補殺数歴代ベスト3を独占。
今季の補殺数は525。2014年の535、13年の528に次いで、歴代でもベスト3を独占。数字上でも史上屈指の二塁手であることを証明した。
また、年末には赤松真人外野手が胃がんを患っていることを公表。初期段階で、手術を受けることとなった。球団、チームメート、そしてファンにとっても大きなニュースとなったが、一日も早い戦列復帰を願いたい。