専門誌では読めない雑学コラム木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第280回 ゴルフのラウンドをする日は、誰しもが「その一日を有効活用したい」と思っていますが、なかなかどうして......。ゴルフ場が遠い場合が多くて、その往復とラウンドで、一日潰…

専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第280回

 ゴルフのラウンドをする日は、誰しもが「その一日を有効活用したい」と思っていますが、なかなかどうして......。ゴルフ場が遠い場合が多くて、その往復とラウンドで、一日潰れてしまうのがほとんどです。

 それに、移動している間に体力が消耗し、帰り道はもはやヘロヘロになっています。若い頃とは違って、二次会で「飲もう!」ってことには、思ったほどなりません。

 そんな状況を打破すべく、今回はいろいろと工夫して、プレー後の"19番ホール"まで突入するプランを考えてみます。

 まずは、車移動の場合は、どんなことを考えるべきか。

 東京から茨城や栃木あたりまで行ってラウンドし、片道1時間半の運転でコースを往復。その後、都内で飲むとなると、体力的にはもはや限界に近いです。ほとんど自殺行為に見えます。

 だいたい、運転してきた車をどうするのか。東京には運転代行サービスが少ないですからね。状況は相当厳しいです。

 では、どうすればいいのか。一番のポイントは、相乗りをして体力を温存すること。3人ぐらいで、交代して運転するのが理想です。そうすると、交通費もワリカンにできますから、経費も浮きます。

 3人いれば、先に2人でお酒が飲めます。車の所有者も一旦帰宅して、あとから合流すればいいのです。

 さすれば、十分に二次会ができるってものです。ゴルフって、ラウンドすると妙に盛り上がって、昼間のプレーをネタに反省会をしないと、気が済まなくなることがありますからね。

 かつて、メンバーコースでプレーしていた頃は、ラウンドが終わると、即帰宅。叩いた時は、練習場に行って、泣きながらボールを打っていました。

 でも今や、そんな情熱は皆無。それよりも、ラウンド後に風呂に入って疲れを癒し、それからコースでハイボールを一杯、クイッと飲むことを、15番ホールあたりから夢想しています。

 最近はラウンド後の1杯に終わらず、場所を移して、腰を落ち着けて飲む率がすごく高くなっています。結果、帰宅が遅くなることがしばしば......。

 そこで、最初から飲むのなら......と考えついたのが、電車でゴルフ&飲み会です。これは、誠にすばらしいシステムです。

 行き帰りは、電車に乗っていればいいので、体力の温存ができます。しかも駅前には、おおよそ飲める場所があるので、超便利です。

 過去によく飲んでいたのは、埼玉の飯能駅前。ここの駅前には、有名な居酒屋があって、そこに行くのを楽しみにして、ラウンドしていたものです。

 他には、千葉の大網駅前。特急電車を待っている間に飲むのですが、ついつい飲みすぎて、目当ての電車が行ってしまう、なんてことも。「じゃあ、次の電車が来るまで飲むか」となって、延々帰れないことがありましたが、それもまた、楽しい思い出です。

 あと、西武線の秩父駅。ここは、駅の付帯施設が飲み屋街になっていて、特急電車を待っている間に、どうしても一杯やってしまいます。近頃、日帰り温泉も出来ちゃって、そこに寄ったらもう、なかなか帰れないですよぉ~......って、うれしい悲鳴ですな。

●究極は電車内で宴会
 電車でゴルフの場合、どこかへ立ち寄る時間がない時は、電車内で飲み会を開きます。茨城の友部駅から東京駅まで、およそ1時間半。その間、座席をクルッと回転させて、オヤジ4人でボックス飲みとか、よくやりました。

 今は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、座席の回転はできませんが、あれをやると、妙な親近感というか、狭い居酒屋空間が出来上がって、変に楽しいんですよね。

 ラウンドを終えて、駅前や駅構内のコンビニなどでお酒とおつまみをしこたま買って、電車に乗った瞬間、即宴会開始。ほんと、たまりません。

 けどこれ、比較的空いている常磐線だからこそ、できるんです。例えば新幹線じゃあ、ビジネス客が多いですから、みんな疲れていて寝ているでしょ。そこで宴会なんかしていたら、かなりの迷惑ですからね。

 それに比べて、平日の常磐線は夕方の上りなら、特急でも空いていることが多いです。おかげで、迷惑をかけることなく宴会を楽しめるわけですな。

 電車の飲みは、移動時間をフルに活用した方法で、下車してから、わざわざ飲みに行かなくて済むのが、またいいところです。出費も最低限で済みますしね。

 電車での飲み会がついたゴルフって、ほんとコスパ最高です。新型コロナウイルスの影響がなくなったら、また電車飲みを復活させたいですね。



ラウンド後の飲み会が、気兼ねなく楽しめる日が早く戻ってきてほしいですね...

●都内で飲むなら近隣コースへ
 この前、多摩地区のゴルフ場に行ったのですが、その時は最初から三鷹で飲むと、スケジュールが決まっていました。

 ここ最近はそんな、多摩地区でゴルフをして、三鷹、吉祥寺界隈で飲む、というケースが増えています。というのも、その近辺には一緒にプレーする知り合いの漫画家さんが住んでいて、ラウンド後に立ち寄って飲むことが多いのです。

 先日も、10時半という遅めのスタートでしたが、三鷹に着いたのは5時半過ぎ。いやぁ~、近いところでゴルフをすると「こうも時間を稼げるのか!?」と、びっくりしました。

 居酒屋が開くと同時ぐらいに、反省会スタート。たっぷり飲んで、騒いで、それで家に帰ったのが9時半ですからね。普段の帰宅時間とさほど変わりません。有意義な一日を過ごせるってものです。

 現在、会員権とは言わなくても、友の会や1人予約などを使ってラウンドし、それからラウンド仲間と飲み会ができたらいいな、と思っています。

 昔、ゴルフを覚えたての時に叩くと「腹減ったぁ~。オレは昼飯を食べるためにゴルフをしているんだ。腹をすかそう」って、言い訳してプレーしていました。さらに、後半も叩くと「疲れ果てて、風呂にどっぷり入るのが楽しい。そのためにゴルフをしているんだ」と、またも言い訳......。

 最近はそんなふうに言い訳することはありませんが、ラウンド後に居酒屋へ行って「宴会するためにゴルフをしているんだ」なんて、思っています。ゴルフにはそういった目的があることが、還暦をすぎて悟ったことのひとつですね。

●泊まりゴルフの裏技
 ちょっとしたリゾートや温泉地にあるコースで、ロッジが併設しているコースは非常に魅力的です。前泊してのゴルフや、1泊2ラウンドといった楽しみ方ができます。

 そもそもロッジ付きの場合、ラウンドと宿泊がパックになっていて、1泊夕食付でいくらという料金設定で結構安いのです。それを利用して、ロッジで鍋でもつまみながら宴会をして、温泉に入れば、もう極楽。

 今なら、Go Toトラベルキャンペーンも適用されるかもしれません。泊まりゴルフで宴会したほうが、コスパが安かったりしてね。

 泊まりゴルフの場合、翌朝のスタートは8時くらいとか、早くしてもらうほうが何かと都合がいいです。2時ぐらいにはラウンドを終えて、そのまま電車に乗って帰れば、東京に戻ってからまた、反省会ができるってものです。

 今さらながらわかったのですが、ゴルフはものすごいコミュニケーションツールだってこと。老舗コースのレストランには、ボトルがたくさんキープされていますよね。みんな、ゴルフ場にいる時からガンガン飲むんです。

 そう思うと、新型コロナウイルスを駆逐して、早く堂々と飲める世の中になってほしいです。