代替大会も3戦目を迎えた。相手は個々が高いスパイク能力を誇る敬愛大。早大がテーマとして掲げる、「繋ぎ」の部分が機能するかどうかが鍵を握る試合となった。全てのセットで前半から主導権を握り、粘り強いレシーブから幅広い攻撃を展開。結果はセットカ…

 代替大会も3戦目を迎えた。相手は個々が高いスパイク能力を誇る敬愛大。早大がテーマとして掲げる、「繋ぎ」の部分が機能するかどうかが鍵を握る試合となった。全てのセットで前半から主導権を握り、粘り強いレシーブから幅広い攻撃を展開。結果はセットカウント3-0(25-20、25-21、25-21)のストレート勝ちで、代替大会の成績はこれで2勝1敗となった。

 ゲームは早大の5連続得点で幕を開ける。中澤恵(スポ2=大阪・金蘭会)を中心に攻撃を組み立て、先週の試合後に課題として上がったレシーブも、井上裕利惠主将(スポ4=岡山・就実)を中心によく繋がった。15-9の場面では橋本美久(社3=福島・郡山女大附)のサーブが相手レシーブを乱し、ネットを越えた球を橋本彩里(教2=東京・早実)がダイレクトアタック。自分たちのプレーで流れを引き寄せた。終盤苦しむも築いたリードは大きく、25-20で逃げ切って第1セットを先取した。第2セットも滑り出しの良さが光る。2-3の場面で橋本彩理のブロックが決まると、またも5連続得点でリードを奪った。以降粘る相手に流れが傾きかけ、18-15と3点差に迫られるも、ミスに助けられ22-15。終盤に連続失点はあったが、逆転こそ許さず25-21でこのセットも取った。


ライトから要所で得点を重ねた植松

 第3セットは長いラリーを制しながらも8-11とされる。しかし、そこでぐっとこらえられるのがこの試合の早大だった。中澤が二段トスを打ち切ると、橋本彩里と村山果菜(教4=東京・国際)にそれぞれブロックポイントが出るなど勢いづき、一気にスコアは16-12。ライトの植松知里(文構4=香川・高松)やセンターにトスを散らしてブロックを分断させたことで、得点が欲しい場面でレフトのスパイクがよく決まった。19-16から池田華(社4=韓国・ヨンサンインターナショナル)がピンチサーバーで出場すると、その一球を同じく4年生の植松が決めきり、試合を決定づける。終盤は中澤が後衛に回るが、最後の3点は全て井上が決めてゲームセット。4年生が存在感のあるプレーで締めくくり、25-21で大会初日以来のストレート勝ちを決めた。


この試合もチームの攻撃を牽引した中澤

 先週の敗戦後に悔しさが滲んだ選手たちにも、試合中から笑顔があった。それは「自分たちの目指している形が、先週に比べるとだいぶできていた」(植松)という、実感を伴う笑顔だっただろう。序盤に相手に流れを渡さず、レシーブで粘って打ち切る、という早大の目指すべき姿勢を感じさせる試合だった。これで代替大会は中盤に差し掛かり、残すところあと4試合。「一試合一試合このチームでバレーができる時間を噛みしめて」(池田)、最後まで走り抜ける。

(記事、写真 平林幹太)

セットカウント
早大25-20
25-21
25-21
敬愛大
スタメン
レフト 中澤恵(スポ2=大阪・金蘭会)
レフト 井上裕利惠(スポ4=岡山・就実)
センター 橋本彩里(教2=東京・早実)
ライト 村山果菜(教4=東京・国際)
ライト 植松知里(文構4=香川・高松第一)
セッター 橋本美久(社3=福島・郡山女大附)
リベロ 梨本未央(社4=東京・駒場)
コメント

植松知里(文構4=香川・高松第一)

――試合全体を振り返っていかがですか

火曜日のミーティングで自分たちのプレーをするということ話してから、今日までの一週間チーム練習などをやってきました。繋ぎの部分や、最後に打ちきるといった自分たちの目指している形が、先週に比べるとだいぶできていたかなと思います。

――今までの試合より攻撃に絡む場面が多かった印象ですが、ご自身のプレーを振り返っていかがですか

今日は打ちきれたなという部分もありましたし、ラリー中にも自分のところにトスが上がってきました。先週や先々週よりは攻撃に絡めていたと思うのですが、相手に読まれてブロックにつかれた時に決めきれなかった場面があったので、そこはまだまだ改善したいです。

――ライトやセンターにトスが上がることで、レフトへのブロックを分散させていました。そこは狙い通りでしたか

そうですね。どうしても裕利惠(井上)とめぐ(中澤)にトスが集まると相手のブロックがそこに2枚つけてしまうので、ワンタッチを上手く取られてしまいがちです。そこでミドルだったり、私のライトの攻撃を絡めていきたいということでずっと練習しているので、それができていれば良いなと思います。

――来週以降の試合に向けて意気込みをお願いします

あと4試合しかないので、今日できていたことを今日だけで終わらせずに、また来週から一週間4年生を中心に練習からしっかりつくり上げていきたいです。今日はコート内の雰囲気なども全体的にすごくよかったと思うので、ここからもう一つレベルアップした形で次週以降臨めるように頑張ります。

池田華(社4=韓国・ヨンサンインターナショナル)

――試合が終わって率直な感想をお聞かせください

すごかったです。いつも出だしが悪いというのは課題に上がっていて、今日はそこはすごく良かったのですが、外から見ていると試合を通してそれを継続できるかという不安もありました。それをちゃんと最後まで継続できたのは良いなと思いました。

――繋ぎの部分など、一週間でどのように修正してきましたか

先週の試合は相手の分析や対策という部分を徹底的にやっていました。今週はそれに比べると際立った特徴の無いチームが相手だったので、私たちがどうやって自分のバレーをするのかという部分を意識してやってきました。スパイカーにとってはきつい練習も多かったと思いますし、厳しいチーム練習もやってきました。そういったものが試合の最後の一本に繫がったのかなと思います。

――ピンチサーバーからレシーバーとしての出場が続いていますが、ご自身の役割はどのようなものだと感じていますか

チームの流れが悪いときはその流れを取り戻し、チームが流れに乗っている時はそれを加速させるのが自分の役割だと思っています。そういう意味合いで監督も私を起用してくれていると思うので、今後もチームを勢いづける役割を果たしていけたらなと思います。

――やはり4年生に良いプレーが出ると盛り上がりますね

個人の話で言うと、良いワンタッチからのチャンスボールのレシーブを私がずらしてしまったのですが、ちい(植松)が最後決めてくれたのがすごく嬉しかったです。やっぱり同期って良いなと思いました。

――今後に向けて意気込みをお願いします

いつ状況が変わってこの大会が終わってしまうかも私たちには分かりません。なので一試合一試合このチームでバレーができる時間を噛みしめて、周りに支えてもらいながら私も周りを勢いづけたり支えたりして、このチームでやり抜きたいです。