専門誌では読めない雑学コラム木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第277回 今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、コンペはほとんどありませんでした。たとえあったとしても、数組の小さいコンペで、パーティーはなし。そんな状況ですから、これまでコ…

専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第277回

 今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、コンペはほとんどありませんでした。たとえあったとしても、数組の小さいコンペで、パーティーはなし。そんな状況ですから、これまでコンペを開催してきたみなさんは今、来年の"リベンジコンペ"開催に向けて、着々と構想を練っているようです。

 ちなみに、我々の仲間内では、毎年1月に80人ぐらい集めて大規模なコンペを開いているのですが、今度の年明けの開催はどうするか、幹事連中と協議を重ねてきました。

 まずは、参加人数について。80人は多いので、減らすのか? さらに、パーティーはどうするのか? ラウンドよりも、ゴルフが終わったあとの「パーティーが楽しみ」という人が多く、それをナシにはできないし......。でも、80人が同じ空間に集まったら、密になるので、現状では無理だし......など、いろいろと話し合ってきました。

 そうして、現在検討しているのは、前半のハーフで新ペリアの成績を集計。プレーが終わったら、順次パーティー会場に集まってもらい、立食形式で束の間の時間を楽しんでいただく、というもの。

 従来のコンペでは、最終組が18ホールのラウンドを上がってきてから集計していたので、時間がかかりました。その分、パーティーも長くなっていましたが、ハーフのスコアだけで集計するなら、1組目がプレーを終えた時には、すでに成績表が上がっている手筈です。

 あとは、プレーを終えた方から賞品をもらって、サクッと食べて、知り合いに軽く挨拶して帰るだけ。

 どうです? なかなかいいアイデアでしょ。実現するかどうかわかりませんが、コロナ対策バージョンとして今後は、ハーフ集計コンペもありかな、と思っています。

 このアイデアは、多くのゴルフ場が開催しているオープンコンペから拝借したものです。オープンコンペだと、まったく知り合いがいなかったりして、パーティーや表彰式に参加してもつまらなかったりするじゃないですか。それで最近は、ハーフのみで成績を集計。ラウンドが終わった時には成績が出ていて、パーティーなどなく、各自賞品をもらって帰っていくシステムが主流になっています。

 今後は一般のコンペでも、こうしたスタイルが流行ると見ているのですが、どうでしょうかね?



コロナ禍ではコンペのスタイルも様変わりしそうですね...。illustration by Hattori Motonobu

 さて、ここからは正統派のコンペのお話です。

 ゴルフコンペって、多くは新ペリアで成績を計算しますから、さほどがんばらなくても、上位入賞の可能性があるんですよね。今はゴルフ好きが集まって、ワイワイやるのが楽しいので、ゴルフの腕前は二の次、というのが多いです。

 でも、今年はそうした機会がなく、「さあ、来年はコンペに呼ばれたら、必ず行くぞぉ~!」と思っている方が多いと思います。そこで、どんなタイプのコンペがあるのか、そこではどう楽しんだらいいのか、少し考えてみたいと思います。

(1)正統派"コンペ御政道"
 芸能人やスポーツ選手が集まる派手なコンペって、昔はたくさんありましたよね。まずは、そんなコンペの話から。

「業界のデカいコンペがあるらしいぞ」といった話が出回ると、有象無象&魑魅魍魎が大挙、馳せ参じます。というのも、名前のある芸能人やスポーツ選手と仲よくなりたがる、お金持ち社長がたくさんいるからです。

 コネを使って、某有名スポーツ選手と同じ組にしてもらい、そのスポーツ選手と懇意になって、飲み友だちになる。あるいは、スポンサーになったとかね。そういう話はたくさん聞いています。

 そうした出会いの場を提供しているのが、業界コンペです。その結果、世間の常識の範囲内での付き合いならよいのですが、富と名声が合体すると、ロクなことが起きないのが世の常です。くれぐれも遊びすぎには注意しましょう。

(2)豪華賞品コンペの難点
 どうせコンペに行くなら、賞品が豪華なコンペに行きたいですよね。キャディーバッグやドライバーなどが何本も並んでいるような、豪快なコンペに参加したいです。

 でも待てよ。大企業やスポーツメーカーが主催のコンペではないのに、その賞品の出所はどこなんだ? 豪華コンペでは、そんな問題が生じてきます。

 なぜなら、その出所がパーティー代であることが多いからです。通常、コンペのパーティー代は、実費で2000円~3000円。それに、賞品代が加算されて、5000円が上限とされています。

 それが以前、私が参加したコンペではパーティー代として1万円も取られました。その代わり、「賞品を豪華にしました」と言われても、それをゲットする確率は限りなく低いです。だったら、参加賞だけでいいから、安い会費にしてほしいと思っちゃいますよね。

 そこで、いかにしてコンペを安く、楽しく盛り上げるかが大事になります。つまり、こういうことです。

(3)コンペにおける役割分担が重要
 コンペはゴルフ好きな仲間が集まる"パーティー"ですが、それぞれの得意分野を生かして、最小の努力で、最大の効果をもたらさないといけません。どんなことが大事かというと、以下のとおりです。

◆司会やゲスト
 ラウンド後のパーティーの司会は、おおよそ幹事がやる場合が多いですが、参加者の中にお喋り好きな人がいれば、その人にやらせるのが一番ですよ。よく結婚式の司会を頼まれる人っているでしょ。そういう仕切りがうまい人がやるのがいいのです。

 予算があれば、ローカルのフリーアナウンサーを呼ぶ方法もあります。名前が売れていなくても、美人キャスターが仕切れば、俄然盛り上がるってものです。

 同時に、伸び盛りの若手女子ゴルファーをゲストに呼んだりすれば、コンペ全体に華を添えることができます。最近はBS放送のゴルフ番組などにも出演しているように、ツアーに参戦していなくても、若くて可愛い女子プロや女子プロ候補生がたくさんいます。

 案外、そういう選手は身近なところにいる可能性もあって、大学のゴルフ部の後輩や自分の通っているコースなど、コネを使って聞いてみれば、意外と簡単に招待できるかもしれません。そこに、派手なミニスカ姿で「85」以下で回る若い子がいたら、迷わずゲストとして呼んじゃいましょう。オジさんたちは大いに喜ぶはずです。

◆賞品係
 コンペの賞品については、格安の量販店などから購入するのもありですが、それでは持ち出しが多くなってしまいます。そこは、やはり参加者の方々に、何かしら無料で賞品を提供していただくのがいいかと。

 お酒の卸しをやっている方、スポーツ用品メーカーに勤めている偉い人、旅行会社に顔が利く人など、そういう参加者がいたら、賞品をぜひ提供していただきましょう。

 みなさん、すでに40歳も越え、さまざまなコネクションをお持ちでしょうから、何かしら貢献できるものがあるはずです。

◆幹事の役割
 幹事は、ゴルフ場との値段交渉をはじめ、ゲストの招集など、非常に大事な役回りです。単に人数をそろえるだけでなく、いかに盛り上げるか、ということも考えなければいけません。

 ゲストとは事前に打ち合わせをして、何かしら貢献していただく。さすれば、コンペはものすごく盛り上がります。

 ちなみに、25年ぐらいやっている我々のコンペは、過去には人気芸能人、売れっ子漫画家、女子プロなどにも参加していただいて、今もその顔ぶれは華やかです。もちろん、賞品も毎回豪華です。

 賞品は持ち寄りで、建前は「何でもいいですから」となっていますが、あまりの賞品の豪華さに、しょぼい賞品を持っていくと恥ずかしくなる場合が多いです。そう感じた方は、翌年にはがんばって立派な賞品を用意してきます。

 だから、賞品の質が落ちることがありません。まるで"コンペ賞品男気ジャンケン"みたいな展開になっていますね。

 そんなわけで、コンペを盛り上げるのは、自らの参加意識です。自らが盛り上げる気持ちを持っていれば、きっと素敵な"パーティー"になると思いますよ。