関東大学対抗戦(対抗戦)で連勝を続ける早大の前に立ちはだかったのは日体大。対抗戦において最初のヤマ場である帝京大戦を前にこの試合での敗北は許されない。試合開始の笛が鳴ると、序盤から相手の陣地に大きく攻め入り連続でトライを決め続ける。後半も…

 関東大学対抗戦(対抗戦)で連勝を続ける早大の前に立ちはだかったのは日体大。対抗戦において最初のヤマ場である帝京大戦を前にこの試合での敗北は許されない。試合開始の笛が鳴ると、序盤から相手の陣地に大きく攻め入り連続でトライを決め続ける。後半もその流れは変わらず安定した試合運びを見せる早大。結果、大幅なリードをつけ70-5で見事、日体大を下した。

 日体大に地力の差を見せつけ勝利した第3節。試合を通して好タックルが連発し、ここぞという場面でディフェンスラインを破る突破力が大量得点に結びついていた。前半開始2分、SO吉村紘(スポ2=東福岡)のキックパスを右端で受けたWTB槇瑛人(スポ2=東京・国学院久我山)が先制トライをあげるとそこから早大の猛攻が始まった。日体大ディフェンスの穴を冷静に突き大幅なゲインを繰り返すプレーが見られると、大きな拍手が響く会場。8分にはNO・8丸尾崇真主将(文構4=東京・早実)、13、22分にはどちらも仲間のアシストからSH小西泰聖(スポ2=神奈川・桐蔭学園)がインゴールに走り込み大きく日体大を引き離す。前半終了間際にはスクラムから押し込みトライを挙げ、35-0で早大は試合を折り返した。


的確なポジショニングでボールを受けインゴールへ走りこむ丸尾

 後半に入っても早大の流れが途切れることはなかった。途中出場したプロップ横山太一(スポ3=東京・国学院久我山)が交代直後にトライを挙げるなど、多くのリザーブメンバーを次々と投入した後半。それでも変わらず敵陣でのプレーが繰り広げられ、後半11分には吉村がゴールに蹴り込んだボールをCTB平井亮佑(スポ4=福岡・修猷館)が抑えグラウディングを成功させる。その後、外国人選手を3人抱える日体大の屈強なフィジカルに押され自陣に攻め入られる場面が続くが、力強いタックルで何度もキャリアーを仕留め相手のラインを押し戻す。32分に隙をつかれトライを献上してしまったものの、早大はほとんど日体大に思い通りの攻撃を展開させず主導権を渡すことはなかった。後半43分には試合を通してコンバージョンキックが冴え渡った吉村が自身でもトライを決め、早大がダメ押しの追加点を挙げたところでノーサイド。試合後、選手たちは満足げな表情で互いの健闘を称えあい勝利を噛み締めていた。


後半2トライをあげMOMに選ばれた横山

 リザーブのメンバーが数多く出場した後半でも日体大相手にぶれない攻守を繰り広げ、選手層の厚さも見えた早大。まだまだポジションが確定していない中での選手間のスタメン争いがチームに良い影響を与えているのは間違いない。早大は初戦の青学大から日体大に至るまで様々な可能性を試し課題を修正し続けてきた。いよいよ次戦の相手は優勝候補の帝京大だ。『BATTLE』と掲げたスローガン通りの試合運びで勝ち星を手繰り寄せることはできるのか。次戦も早大のラグビーから目が離せない。

(記事 髙橋さくら、写真 細井万里男、初見香菜子)

コメント

相良南海夫監督(平4政経卒=東京・早大学院)※記者会見より抜粋

――今日の試合を振り返って

 今日は熊谷(ラグビー場)で今年初めて観客を入れた試合をしたと聞きました。W杯を行った会場で、観客のいる中でゲームができてよかったです。過去の2戦よりは自分たちとしてテーマに掲げていたことがある程度表現できたように思うので、そういった意味では及第点かなと思っています。ただ、取れるはずの部分を取り切れていなかったり、ゴール前で外国人選手が3人出ているなかでトライを許してしまったりというところは、今後を見据えるとまだまだ練習して改善していかなければと思っています。

―帝京大戦までの2週間の使い方は

 その前に出た課題をしっかりと整理して、次の4試合に向けて何をしていくかも整理して、ギアを上げた練習をしていきたいと思います。

NO・8丸尾崇真主将(文構4=東京・早実)※記者会見より抜粋

――今日の試合を振り返って

 対抗戦の課題として『一戦一戦成長していって日本一になる』というのを掲げていますが、アタック・ディフェンスともに仕留めの部分で課題があるので、そこを修正して帝京大戦に臨みたいと思います。

プロップ横山太一(スポ3=東京・国学院久我山)※記者会見より抜粋

――今日の試合を振り返って

 チームとしても個人としても自ら「仕掛ける」というのは前の2試合よりもできたかなと思います。しかし課題はまだたくさんあるので、修正して次の試合に臨みたいと思います。

――どんなことを意識して臨みましたか

 今日の試合はリザーブだったので「すぐに相手に対応できるようにする」ということをフロントロー3人で意識して試合に臨みました。今日は対応しきれずすぐに修正できなかった点もありましたので、そこをスタメンであってもリザーブであっても引き続き取り組んでいきたいと思います。

 

関東大学対抗戦
早大スコア日体大
前半後半得点前半後半
3535
70合計
【得点】▽トライ 槇、平井、古賀、吉村、横山2、小西2、丸尾2▽ゴール 吉村(10G)
※得点者は早大のみ記載
   

早大メンバー
背番号名前学部学年出身校
久保 優スポ4福岡・筑紫
 後半0分交代→17横山  
宮武 海人政経3東京・早大学院
 後半0分交代→16芦刈  
小林 賢太スポ3東福岡
 後半0分交代→18土田  
大﨑 哲徳文構3東京・国学院久我山
下川 甲嗣スポ4福岡・修猷館
 後半17分交代→19星谷  
田中 智幸政経3東京・早大学院
 後半35分交代→20小柳  
村田 陣悟スポ1京都成章
◎丸尾 崇真文構4東京・早実
小西 泰聖スポ2神奈川・桐蔭学園
 後半17分交代→21河村  
10吉村 紘スポ2東福岡
11古賀 由教スポ4東福岡
12平井 亮佑スポ4福岡・修猷館
13長田 智希スポ3大阪・東海大仰星
 後半33分交代→22松下  
14槇 瑛人スポ2東京・国学院久我山
 後半38分交代→23今駒  
15南 徹哉文4福岡・修猷館
リザーブ
16芦刈 太政スポ4福岡・東筑
17横山 太一スポ3東京・国学院久我山
18土田 彬洋スポ4茨城・茗溪学園
19星谷 俊輔スポ4東京・国学院久我山
20小柳 圭輝社3東京・国学院久我山
21河村 謙尚社3大阪・常翔学園
22松下 怜央スポ2神奈川・関東学院六浦
23今駒 有喜文2東京・早実
※◎はゲームキャプテン、監督は相良南海夫(平4政経卒=東京・早大学院)
 
関東大学対抗戦Aグループ得点表(10月18日現在)
チーム勝ち点試合得点失点得失トライ
帝京大12(15)33002742724739
明大12(15)33001884214629
早大12(15)33001633313025
慶大8(10)32011713513626
筑波大4(4)310264106-428
青学大0300331251‐2204
立大0300327197‐1704
日体大0300315242‐2272
( )内の数字はリーグが全試合実施された場合にボーナスポイントを加算した際の勝ち点。
 
関東大学対抗戦Aグループ星取表
 明大早大帝京大筑波大日体大慶大青学大立大
明大12/6 14:00秩父宮11/22 13:00秩父宮◯33‐1711/7 14:00秩父宮11/1 14:00秩父宮◯82‐10◯73‐15
早大12/6 14:00秩父宮11/1 11:30秩父宮11/7 11:30秩父宮◯70‐511/23 14:00秩父宮◯47‐21◯46‐7
帝京大11/22 13:00秩父宮11/1 11:30秩父宮◯54‐17◯98‐1012/6 14:00熊谷◯122‐011/8 14:00上柚木陸上
筑波大●17‐3311/7 11:30秩父宮●17‐5412/6 11:30熊谷◯30-1911/23 14:00AGFフィールド11/1 13:00熊谷B
日体大11/7 14:00秩父宮●5‐70●10‐9812/6 11:30熊谷●0‐7411/1 13:00青学大G11/23 11:30AGFフィールド
慶大11/1 14:00秩父宮11/23 14:00秩父宮12/6 14:00熊谷●19‐30◯74‐011/8 11:30上柚木陸上◯78‐5
青学大●10‐82●21‐47●0‐12211/23 14:00AGFフィールド11/1 13:00青学大G11/8 11:30上柚木陸上12/5 13:00大和スポーツセンター
立大●15‐73●7‐4611/8 14:00上柚木陸上11/1 13:00熊谷B11/23 11:30AGFフィールド●5‐7812/5 13:00大和スポーツセンター

※秩父宮は秩父宮ラグビー場、熊谷および熊谷Bは熊谷ラグビー場、帝京大Gは帝京大学百草園グラウンド、早大Gは早大上井草グラウンド、明大Gは明大八幡山グラウンド、上柚木は上柚木公園陸上競技場、大和は神奈川大和スポーツセンター競技場。