フェイスオフではコロナ禍でもマスクなしで“超接近” ボクシングの世界ライト級3団体統一王者ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)とIBF同級王者テオフィモ・ロペス(米国)は、17日(日本時間18日)に米ラスベガスで4団体のベルトをかけて激突する…

フェイスオフではコロナ禍でもマスクなしで“超接近”

 ボクシングの世界ライト級3団体統一王者ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)とIBF同級王者テオフィモ・ロペス(米国)は、17日(日本時間18日)に米ラスベガスで4団体のベルトをかけて激突する。16日(同17日)の前日計量は両者パス。フェイスオフで怒りを見せた様子のロマチェンコに注目が集まっていたが、ロペスは計量後のインタビューで、にじり寄った理由を明かしている。

 注目のビッグマッチは早くも火花が散った。両者リミットの61.2キロでパスした直後のフェイスオフ。ロマチェンコがロペスと顔を近づけた。勢いづいた体を関係者が制止に入る。鼻先がくっつきそうな距離だ。止めようとする関係者の腕に少し抵抗するロマチェンコ。すると、今度はロペスがその腕をどけろと言わんばかりににじりより、何か言葉を発している。

 約30秒のにらみ合い。最後はロマチェンコが頷きながら笑みを浮かべた。これまでの計量はコロナ禍で数メートルの距離をとり、両選手がマスクをつけるのが恒例。しかし、お構いなしにバチバチの戦闘モードだ。

 コロナ禍では異例ともいえる“超接近フェイスオフ”。計量後にロペスがその真意を明かしている。米興行大手・トップランク社が公式SNSで公開した動画で、ロマチェンコに向かっていった理由を問われたロペスは「そうあるべきだからだよ。これは戦いだ。分かるか。俺はこうした新型コロナのようなものが好きじゃない。陰性だったし、彼も陰性だった。それなら近寄っていくだろ。みんなそれを求めているんだ。俺は準備万端だぜ」と話しているという。

動じないロマチェンコは長期戦を展望「12ラウンド戦いたい」

 両者陰性ならマスクなしの超接近も問題なしと強調している。

 一方のロマチェンコも動じなかった。ロペス対策については「明日それを見る機会があるよ」とかわし、ロペスがにじり寄ってきたことには「リング上でやらなければいけないことは分かっている」と冷静だ。

 さらに「12ラウンドまでやりたい。この試合を早く終わらせたくはない。12ラウンド全てを戦いたい」と長期戦のプランも明かしている。

 冷静な“精密機械”ロマチェンコと“テイクオーバー”(奪取)の異名をとる血気盛んなロペス。対照的な2人はどんなドラマを生み出すのだろうか。(THE ANSWER編集部)