日本学生選手権(インカレ)最初の種目、大激戦の50メートル自由形で自己ベストを記録して決勝に進み、チームに勢いをもたらした今牧まりあ(スポ1=長野・飯田)。女子選手では唯一の新入生として臨んだ初めてのインカレについて、お話を伺いました。 …

 日本学生選手権(インカレ)最初の種目、大激戦の50メートル自由形で自己ベストを記録して決勝に進み、チームに勢いをもたらした今牧まりあ(スポ1=長野・飯田)。女子選手では唯一の新入生として臨んだ初めてのインカレについて、お話を伺いました。

※この取材は10月8日にリモートで行われたものです。

「決勝にも進めて、良い経験になった」

自由形を得意としている今牧(写真は早慶対抗大会)

――初めてのインカレで5種目に出場しましたが、満足のいく結果は得られましたか

 満足のいく結果は得られてはないです。

――具体的にはどういうところが良くなかったなという感じですか

 インカレが始まる前は、個人とリレー全部で予選決勝を10レースちゃんと泳ぎきるというのを目標にしていたんですけど、結局個人の100メートルとメドレーリレーで決勝に進むことができなかったので、10レース泳ぐことがかなわなかったというのと、最終日に個人的に体力的に疲れてしまって、タイムがあまり出せなかったのでそこはすごく悔しかったです。

――女子選手の中では唯一の1年生ということでしたが、大会前は緊張したりしましたか

 緊張はすごくしていて、これから4日間で10レースが待っているんだという気持ちでいたので体力的な不安もあったりしました。

――4日連続で毎日自分が泳がなくてはならない大会というのは今までありましたか

 今まで経験したことはないです。

――それでも最初の50メートル自由形(半フリ)予選ではベストを更新して決勝にも進出しましたが、この種目は振り返ってみてどういうレースでしたか

 予選は結構自分が思った以上のタイムが出すことができて、それはすごく嬉しかったですし、決勝にも進めて、良い経験になったかなと思います。

――大会最初の種目で良い結果を出せたということで先輩たちも声をかけてくださったのではないでしょうか

 自分が1発目のレースで1発目の決勝だったので、先輩方から声をかけていただいて、落ち着いて泳ぐことができました。

「すごく恵まれた機会だと思ったので大事に泳ぎました」

――その次の日は4×100メートルフリーリレー(4継)に出場しました。早大は5位に入ったことはまずまず良い結果だと思いますが、それでも展開を見ているとかなり終盤まで2位争いをしていたのでちょっと惜しい感じもありました。ご自身では振り返ってどう感じていますか

 4継は個人的に予選が全然ダメダメなタイムで、決勝は不安を抱えて臨んだので、5位という結果は自分では良い結果だったなという風に思っています。

――決勝は良いタイムで泳げたんでしょうか

 そうですね、予選のことを考えると自分としてはよくできたのではないかと思います。

――翌日の4×100メートルメドレーリレーは自由形を泳ぎましたが、そちらは振り返ってみていかがですか

 3日目のメドレーリレーは決勝に進めるかどうかが結構ギリギリだったので予選から気を抜かずに前日の4継くらいのタイムで泳ぐことを目標に泳ぎました。

――最後の日にも個人で女子100メートル自由形(1フリ)に出場していますが、リレーを考えると4本目の1フリということになります。前日までの泳ぎも踏まえて、いけそうだなという気持ちでいましたか

 いけそうだなという感じはなかったんですけど、4本目の1フリだったので前の3本と同じような感覚を持って臨もうと思いました。

――タイムについてはどう思っていますか

 56秒台を目指していたのにベストが出なかったので、悔しさがあったんですけど、すぐに気持ちを切り替えて8継(女子4×200メートルフリーリレー)に臨みました。

――8継のときにはもうシードは大丈夫そうだという状況の一方で、自分はすごく疲れているという状態で泳ぐことになったと思いますが、泳いでみてどうでしたか。楽しかったですか

 8継はもう終わることを考えて、きつさもあったんですけど、偉大な先輩方とリレーを組ませていただいて、すごく恵まれた機会だと思ったので大事に泳ぎました。

――今大会それらの種目や泳ぎ以外の部分も含めて、自分の中でここはうまくいったな、良かったんじゃないかと思っていることは何かありますか

 1本目の半フリでコンディションを合わせてベストを出して納得のいくパフォーマンスができたことは良かったのではないかと思います。

――逆にもう少しできたんじゃないかとか、ここは課題だなと思っていることはありましたか

 4日間モチベーションを下げずに最後の8継まで自分の自己ベストくらいのタイムで泳ぐことができれば良かったなという風に思います。

「最高峰の環境で学びたい」

――早大に入学してから半年ほど経ちましたが練習など慣れましたか

 練習は若干慣れてきました。合流して2ヶ月経ったんですけど、最初の頃よりは慣れてきたかなという風に感じています。

――早大に入学したきっかけを教えてください

 もともとスポーツ科学に興味があったので、最高峰の環境で学びたいと思ったので入学しました。

――今は授業はオンラインで実施されていますが、いかがですか

 全部家で受けていてレポートの課題がすごく多いです。

――水泳部以外のスポ科の方と関わる機会はありますか

 リアルタイム授業でちょっとだけ話すみたいな、本当に機会が少ないです

――早慶対抗大会の生配信の解説では大谷さんが今牧さんのことを男子に混ざって練習でも良いタイムを出しているという風におっしゃっていましたが、自分としては今の練習状況についてどう思っていますか

 周りの選手がすごくレベルの高い方々ばっかりで…今まで自分はそんなに練習を頑張るタイプではなかったというか、練習から質の高い内容をできるようにするとかあまり考えてこなかったので、大学の練習に参加して、周りの方のレベルに追いつけるような質を目指して練習しています。

――今はスプリンターのチームで練習していると思いますが、どなたと一緒ですか

 3年生の村上雅弥(スポ3=香川・坂出)さんと伊藤新盛(スポ3=岐阜・中京学院大中京)さんと、2年生の今野太介(スポ2=山形・羽黒)さんと峯野友輔(スポ2=大阪・関大北陽)さんと、1年生の須田悠介(スポ1=神奈川・湘南工大付)さんと練習しています。

――コーチはどなたですか

 小島毅さんです。

――自分の泳ぎの得意なところや良いところはなんですか

 スプリンターにしてはストローク長が長いところが特徴でもあり、良いところかなと思います。あとはプルのキャッチの強さも自分の強みだと思います。

――プロフィールを見ると身長が175センチあるということでどの長身も強みなのではないかという風に思ってしまうのですが、自分としてはどう思いますか

 身長が高くて有利なのは最後のタッチくらい、最後のタッチで先に手がとどくっていうくらいなのかなと思います。

――ずっと背は高い方でしたか

 小学生の頃は平均的な身長くらいで、多分高校で伸びました。だらだら伸び続けた感じです(笑)

――これから課題として、大学4年間を通じてタイムをこうしたいなどという目標はありますか

 自分はパワーが足りないので筋トレをしてまずはパワーをつけて50から200までちゃんと泳げるようになりたいです。

――50メートルも200メートルもというのはかなり大変だと思いますが、自分の中で200メートルはここが難しいから今出られていないというところは何かありますか

 まず後半のスタミナが足りないので、前後半の差を縮めるのが目標です。

――早大の水泳部に入って良かったなということはありますか

 毎日の練習で日本代表選手だったりインカレで得点を稼げるような先輩方だったりを間近で見て練習できる環境は、自分が求めていたものだなという風に思っています。

――今まではインカレを1つ大きな目標としていたと思いますが、次にターゲットとしている大会はありますか

 まだ特に考えていないです。近い大会を一つひとつっていうタイプなので。

――近い大会でいうと短水路の日本選手権がありますが、タイム等どういったことを目標にしていますか

 半フリはとりあえず自己ベストを2年半くらい出せていないので確実に出したいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 青柳香穂)

◆今牧まりあ(いままき・まりあ)

長野・飯田高出身。スポーツ科学部1年。2020年日本学生選手権の50メートル自由形では予選で自己ベストを更新し決勝は25秒89で8位。100メートル自由形は57秒42で20位。女子選手では唯一の1年生ながらリレーにも全種目出場し、4日間で5種目のハードスケジュールをこなしました。