大差で連勝を飾った。台風の影響を受けることなく迎えた対抗戦2戦目は青学大と対戦。開始3分で先制トライこそ許したものの、その後は流れを離さない。左フランカー福田陸人(法3=国学院栃木)、左ウイング石川貴大(政経4=報徳学園)が3トライを挙げ…

 大差で連勝を飾った。台風の影響を受けることなく迎えた対抗戦2戦目は青学大と対戦。開始3分で先制トライこそ許したものの、その後は流れを離さない。左フランカー福田陸人(法3=国学院栃木)、左ウイング石川貴大(政経4=報徳学園)が3トライを挙げるなど、大量得点で青学大を下した。前半戦の山場となる次戦の筑波大戦へ弾みをつける結果となった。

            

◆10・11 関東大学対抗戦(八幡山グラウンド)

▼対青学大戦

 ○明大82 {41―5、41―5} 10青学大

 強みのアタックを取り戻した。先制トライを許すも直後の前半5分。キックカウンターからフルバック石田吉平(文2=常翔学園)がラインブレーク。「吉平が抜けてくるだろうという感覚を信じた」(スクラムハーフ飯沼連・営3=日川)。飯沼がサポートに入り、そのままグラウンディング。すぐさま5-5の同点に追いつくと、10分には、ゴール前ラインアウトから展開し続け、最後は右プロップ大賀宗志(営2=報徳学園)が勝ち越しトライ。「立大戦ではうまくやろうとしすぎて、前に出られなかった」(ナンバーエイト箸本龍雅主将・商4=東福岡)。今試合は、チームのテーマとしてアタック時の縦への意識を強めた明大。FWを中心に、前に出続け得点を量産し、前半を41―5で折り返す。

 後半に入ると、16分には廣瀬雄也(商1=東福岡)、33分には為房慶次朗(文1=常翔学園)がトライを奪取。「1年生は頼もしく、明治の戦える選手の1人だと感じている」(箸本)。対抗戦デビューで初トライを決めた1年生の活躍が目立ち、後半もコンスタントに得点を重ねた。計12トライを奪い、82―10で快勝した。

 MOM(マンオブザマッチ)に選ばれたのは福田。1、2年時は期待されたものの、対抗戦出場はかなわず。「ボールキャリーとジャッカルという強みをアピールできている」(福田)。今シーズンからフランカーのスタメンに定着し、今試合でもチームの誰よりも体を張り続け、3トライを挙げた。「いつも安定したプレーをするので、驚きはない」(箸本)。主将からも信頼される男の活躍に今後も目が離せない。

 次節は熊谷での筑波大戦。ウイング仁熊秀斗、センター岡﨑航大ら切れ味鋭いBK陣をどこまで抑えられるか。「プレッシャーのなかでのビッグゲームになる」(飯沼)。勝負の11月へ、今シーズン初の有観客試合でさらにギアを高めたい。

[田中佑太]

試合後のコメント

(※電話での事後取材になります)

箸本

――試合を振り返っていかがですか。

 「先週の立大戦はうまくやろうとしすぎました。明治といえば強く前に出るアタックですが、それをあまり意識できずに、外に、外にプレーを意識しすぎて、あまり前に出られませんでした。点差が離れてきたときに、チーム一丸になれなかったという反省が出たのですが、そこはよくなったと思います」

――FWのセットプレーはいかがでしたか。

 「片倉(康暎・法4=明大中野)が復帰してきてくれたことで、青学大のラインアウトをコピーしてくれたり、しっかり練習できて、そういうところが繋がったと思います。スクラムは田森(海音・政経3=長崎北陽台)がいいトークをしてくれて、コミュニケーションを取りながら、相手にプレッシャーをかけられました」

――チームの雰囲気はいかがですか。

 「2週間経ち、試合が始まってきた雰囲気がチーム内に伝染して、練習に取り組む姿勢も良くなっています。しかし、練習中のコミュニケーションの精度がまだまだなところもあるので、そこから取り組まないといけません。梅川(太我・営4=石見智翠館)を中心にBチームが良いプレッシャーをかけてくれて、Aチームの良い練習になっています」

福田

――トライシーンを振り返ってください。

 「ゴール前スクラムからのトライが印象的でした。急にボールが入って、コントロールできるかという場面でしたが、トライを取りきることができました」

――ご自身のプレーはいかがでしたか。

 「強みのボールキャリーを出せたことは良かったです。しかし、ジャッカルが1本しか取れなかったので、2本以上取れるように次の試合も頑張ります」

飯沼

――今シーズンはどのようなテーマを掲げていますか。

「今年の自分のフォーカスは、ゲームコントロールとアグレッシブにいくことです。昨年は、攻め上がるようなプレーはしなかったのですが、今年は試合でも何本か見せられています。練習でも意識してやっているので、まだ満足はできないですけど、感覚はつかめてきていると思います」

――トライシーンを振り返ってください。

「練習中からサポートの走るコースは意識しているので、予測能力というか感覚がさえてきていると思います。あの場面も吉平が抜けてくるだろうなと思ったので、そこでしっかりとサポートに入り、トライに繋げられました。世界で活躍するスクラムハーフは、そういう感覚が目立ちますし、サポートの重要性は頭に入れています」

石川

――個人の出来はいかがですか。

「トライを取れたので、結果を出せたという意味では満足です。まだまだ課題は残っているので、次の試合までに修正したいです。コミュニケーションや、専門的な小さな課題が残った印象はありました。ウイングは毎年、どこのポジションよりも激戦だと思っています。そこで自分の持ち味を発揮していかないとスタメンには残れないと思うので、切磋琢磨して頑張っていきます」

――どのようなテーマを掲げましたか

「チーム全体で、アタックでどんどんゲインラインを切っていこうということを話しました。ディフェンスでもスペーシングを大切にして、一人ひとりの幅をしっかりと考えてプレーしようと思いました。アタックを特にフォーカスしてやったんですけど、ゲインラインを数多く切ることはできたので、テーマは達成できたのではないかと思います」