モチベーターとしての手腕を発揮するも、五輪出場は果たせず本日、日本バスケットボール協会が会見を行い、男子日本代表の長谷川健志ヘッドコーチの退任を発表した。技術委員長の東野智弥は「2020年に向けて抜本的に体制を変え、中長期の視野に立って強化…

モチベーターとしての手腕を発揮するも、五輪出場は果たせず

本日、日本バスケットボール協会が会見を行い、男子日本代表の長谷川健志ヘッドコーチの退任を発表した。

技術委員長の東野智弥は「2020年に向けて抜本的に体制を変え、中長期の視野に立って強化をしていく必要がある」と説明する。「最終予選の直後から様々な検討をし、長谷川監督とも議論を重ねた末での決定。任期の途中ではあるが、こういう決断をいただいた。選手もスタッフも長谷川監督の顔を見て戦ってきた。この思いは継承したい。今後のコーチ人生についても、さらなる成功を祈念しています。長谷川さん、ありがとうございました」

『前ヘッドコーチ』となった長谷川にとっては、2018年3月までの任期を残しての退任となる。本人は「早く新体制をスタートしたいという協会の希望があった」と語り、「志半ばで、悔いはあります」と正直な気持ちを打ち明けた。11月末日をもっての退任で、日本バスケットボール協会からも離れることになる。

「私はOQT(リオ五輪の世界最終予選)まで行きましたが、そこで1勝もできなかったことには責任があった」と長谷川は振り返る。

「就任の時には『勇気と覚悟を持って職務を全うしたい』と申し上げました。それを意識し、この3年間、40数名の選手を呼びました。すべての選手が代表選手として高いモチベーションを持って参加してくれました。コーチングスタッフと選手、みんなが団結して、日の丸のプライドを持って戦ってきたことは私の誇りです」

大目標だったリオ五輪への出場は果たせなかったが、就任から先月の台湾遠征まで、男子日本代表の強化に尽力してきた前ヘッドコーチ。OQTに参加する権利を手にしただけでも、男子日本代表にとっては大きな進歩だった。自身の言葉にもあったように、選手のモチベーションを刺激し、チームを一つにまとめるヘッドコーチの手腕あってこその『進歩』であった。

気になる後任監督は未定。現在交渉中で、就任は来年夏になる見込み。しばらくは新たに技術委員会アドバイザーとして招聘したセルビア人のルカ・パヴィチェヴィッチが『個のレベルアップ』をテーマに掲げた強化合宿で選手の指導にあたる。