今シーズンの早大BKには、相良南海夫監督(平4政経卒=東京・早大学院)も大きな期待を寄せる頼もしい下級生が存在する。2年生のSO/CTB吉村紘(スポ2=東福岡)、SH小西泰聖(スポ2=神奈川・桐蔭学園)と1年生のSO/CTB/FB伊藤大祐…

 今シーズンの早大BKには、相良南海夫監督(平4政経卒=東京・早大学院)も大きな期待を寄せる頼もしい下級生が存在する。2年生のSO/CTB吉村紘(スポ2=東福岡)、SH小西泰聖(スポ2=神奈川・桐蔭学園)と1年生のSO/CTB/FB伊藤大祐(スポ1=神奈川・桐蔭学園)の3人だ。赤黒のこれからを担う彼らの対抗戦にかける熱い思いをうかがった。

※この取材は9月30日にオンラインで行われたものです。

尊敬し合う関係性


青学大戦では6Gを成功させMOMに選ばれた吉村

――最初に、お互いの他己紹介をお願いします。まずは吉村選手について教えてください

小西 紘はラグビーに対してとても真面目です。SOというポジション柄もありますが、それ以前に一人のラグビー選手としてしっかりラグビーと向き合っていて、誰よりも身体のことや食事のことを気にする選手です。そういう部分では同じ学年だけど尊敬できるなと感じます。ハーフバック団としてはすごく頼れる存在です。ほとんど僕が動かしてもらっているのですが、すごくやりやすいですし、指示をしてくれるおかげで(そこを)使いやすいという部分もあるので、頼れる10番です。あとは、イケメンですよね(笑)。

伊藤 僕は地元(福岡)が同じ地域で、ラグビースクールの時代から何度か対戦したことがありました。プレー面では、とてもスキルフルでパスやキックの判断がすごいなと思うし、小西さんも言われたのですが、ウエイトなどもストイックにやっているなと思います。僕はそういうところが苦手なので、尊敬します。

――続いて小西選手について教えてください

吉村 周りからは真面目なイメージを持たれていると思うんですが、プライベートでは意外とはっちゃけるタイプかなと思っています。ラグビーになるとすごく真面目で意見交換もしますし、僕のことをストイックって言ってくれましたけど、彼もすごくストイックだと思います。中身を見たことはないですが、(ラグビー)ノートとかもすごくたくさん書いています。あとは全てが速いです、脚も、テンポも、パスも。なのでハーフ団としてはすごくやりやすいですね。

伊藤 僕は小西さんのこと「こに」って呼んでいて結構なめてるんですけど(笑)。私生活では友達みたいな感じで接しています。プレー面に関してはやはり、脚が速いことですかね。パスとかももちろんすごく速いんですけど、とにかく脚が速いです。

――伊藤選手は部の公式プロフィールにも敵に回したくない選手として小西選手を挙げられていました

伊藤 そうですね、もし相手のSHだったら嫌かなと思います。

――最後に伊藤選手について教えてください

吉村  さっき大祐が言ったように中学校の頃からずっと相手チームとして戦っていたんですけど、やはりすごい選手だなと思います。プレー中もそうですが、全然物怖じしないというか、堂々としたプレーで、下級生ではありますがすごく頼れる存在です。

小西 僕が先輩のはずなんですけど、友達って言われちゃったので(笑)。「さん」付けで呼ばれたことないんじゃないかっていうぐらいずっと「こに、こに」って呼ばれていますが、上下関係のあるチームの中で物怖じしないところがすごいと思います。僕にはそういうことができないので…。そういった部分が良い意味でチームにも良い影響を与えていると思いますし、大祐自身のすごさを先輩に埋もれることなく発揮できるというところは見習いたいなと思います。あとは、かわいいですね(笑)。

――同じ桐蔭学園出身の小西選手と伊藤選手ですが、伊藤選手の入学前に話をされたりしましたか

伊藤 そうですね。(早稲田が)どんなチームということは、イメージのなかで想像していたのですが、実際に生活面がどうなっているのかということをたまに連絡を取って聞いたりしていました。

――小西選手からアドバイスをしたりすることはありましたか

小西 全くなかったというわけではないのですが、当時大祐も桐蔭学園ラグビー部のキャプテンで、いろいろな大会や試合が多い時期と被っていたので、アドバイスというよりもずっとその応援をしていました。それをやり切ってから早稲田に集中できるように、と思っていました。

――続いて2年生のお二方の関係について教えてください

吉村 私生活は、僕が結構一人でいることが多いです。泰聖たちは携帯ゲームをやったりしているんですけど、僕はそういうゲームが苦手であまりやらないので。私生活はそんな感じです。だよね?(笑)

小西 そうだね(笑)。ラグビーをするかしないかではっきりしている感じです。ラグビーをするときは結構しゃべっています。同じ学年なので喋りやすいし、喋らなきゃいけないし。でも特に、特別な感情があるというわけではないです(笑)。

――続いて伊藤さんに質問です。入部して約半年が経ちますが、現時点での学年の雰囲気はいかがですか

伊藤 最初の頃は練習自体があまり被っていなかったので同期とは全く喋れていなかったのですが、 この前福島で合宿をしたときに同い年の選手と交流を持つ機会があり、そこで仲良くなった同期もいたりしてとても楽しかったので、これからはもっとそういう部分も大切にしていきたいなと思っています。

――続いて昨シーズンについてうかがいます。二年生のおふたりは入部1年目で『荒ぶる』を経験されました。この経験からどんな影響を受けましたか

吉村 僕はずっとメンバーに入れるか入れないかのところにいたので、日頃の練習から危機感を持って取り組んでいて、厳しい1年だったかなと思います。先輩の影響としては、直人さん(齋藤直人、令2スポ卒=現サントリー)や将伍さん(中野将伍、令2スポ卒=現サントリー)というすごい選手たちは練習に対する姿勢や私生活での取り組みもすごいんだなと感じました。そういった部分は身近に生活していないとわからないことだと思うので、一年間そんな先輩と一緒にいることができて学べるものはとても大きかったと思います。

――具体的に、先輩たちのどういった取り組みを見てすごいと感じましたか

吉村 直人さんは一番最初にグランドに来て最後に帰るような人でした。長い時間パスの練習をして、終わったと思ったらさらにトレーニングをして、という感じで。将伍さんには個人的にすごくよくしてもらっていたのですが、トレーニングに対する姿勢や食事に関することを聞いて教わっていました。

――昨シーズンについて、小西さんはいかがですか

小西 去年は僕もずっとBチームで出場していて、シーズンの最初はけがで何もできなかったこともあり、秋冬のシーズンに対する思いや熱量というのは自分の中ですごく大きかったです。そのなかで上(Aチーム)に行けたり行けなかったりというところをさまよったり、直人さんというすごい人と、実際争えていたかはわかりませんが、そういう(ポジションを争う)ことができたという、その時間自体が僕の中では貴重な財産でした。一緒に練習もさせてもらいましたし、(チームに)入る前は雲の上の存在だったので、そんな先輩と一緒に練習できたということは嬉しかったし、楽しかったし、とてもいい経験になったなと思います。実際に赤黒を着て試合に出た時間は(大学)選手権の最後だけだったのでかなり少なかったのですが、秩父宮や新国立競技場などの、自分が立ちたいと思っていた憧れの舞台に立てたことがすごく楽しくて。試合がどうとか先輩のプレーがすごい、ということよりも正直、そういったスタジアムの雰囲気が楽しかったという印象の方が大きいですね。

――同学年の相良選手(昌彦、社2=東京・早実)が赤黒を着てスタメン出場をする試合が多くありました。感じるものがあったのでは

小西 いやあそれは、もうすごくあります。自分も(Aチームに)行けるんだと思わせてくれるような、ある意味「同期の星」というか。そう言うと少し言い過ぎかもしれないですけど、学年のモチベーションを上げてくれる存在だったと思います。決勝の舞台でもいいパフォーマンスを見せていて、そういうところはリスペクトしますし、素晴らしいなと思います。

吉村 刺激になりましたね。

――続いて伊藤選手に質問です。昨年は桐蔭学園のキャプテンとして花園に出場されていましたが、当時の早稲田の活躍をどうご覧になっていましたか

伊藤 大学の試合はあまり見ていなかったのですが、やっぱりすごいな、と思ったのと、自分も秩父宮や新国立という舞台でプレーしたいなという思いがすごく強くなりました。まだまだ自分に足りていない部分も見つかったので、そこに向けてレベルアップをして、試合で楽しめるようにしたいなと思います。

――「足りていない部分」という話が出ましたが、大学に入って高校ラグビーとの違いを感じた点はありますか

伊藤 高校と比べて、正しいことをより「正しく」やっているなと思いました。例えばハンズアップだったり、ボールをもらう仕草だったり、ポジショニングについて、曖昧に済ますのではなく、正確にどこに立つ、という具体的な部分まで決めているので。スピードやパワーももちろんなのですが、そういった正確性がさすがだなと思いました。また、「余っている」という表現は普通3対2の場面とかで使うけど、早稲田のBKでは3対3とか5対5でも「余っている」とする考え方なので、そこはすごく刺激を受けましたし、僕もそこで勝負したいなと強く思いました。

「(齋藤、岸岡が)抜けた穴だからではなくて、今年のスタイルでまた日本一を獲りに行く」(吉村)


青学大戦で相手選手を振り切る小西

――練習が6月中旬から始まるまでの過ごし方についてうかがいます。伊藤選手は入部してすぐにチームから離れた環境に置かれることとなりましたが、どのようにコミュニケーションをとっていたのですか

伊藤 Zoomで定期的にミーティングがあったので、そのグループ内だけではありますがコミュニケーションはとれていました。

――1年生として、コロナ禍での活動や授業は特に大変だったと思います

伊藤 でも、楽観的に「休みがもらえた」と考えて、自分の好きなことに時間を注げて楽しめたので良かったとも思います。その他にも、走ったりボールを触ったりしていたし、フィットネスの数値も上がったので。そこはすごく良かったです。授業に関しては、先輩に聞いたり、同級生に教えてもらったりしながらやっていました。

――自粛期間にハマったことはありますか

吉村 ギターをちょっとやってみようと思ったんですけど、3日くらいでやめました(笑)。楽器は向いていなかったです。ウクレレとかギターとかが寮で流行っていたんですよ。僕も流行りに乗っかってやってみようと思ったんですけど、早くに諦めちゃいました。

――どうして諦めてしまったんですか

吉村 指が結構痛いんですよ(笑)。

一同 (笑)。

――小西選手はいかがですか

小西 コーヒーを飲めるようになって、僕の中でブームが来ています(笑)。ブラックが飲めるようになりました。大人になったんじゃないかな。

――本格的にやられているのですか

小西 そこまではできないです。そんなにやっても味の違いが分からないので(笑)。

――伊藤さんは

伊藤 僕はピアノとゴルフですかね。ずっとやっていました。

――実戦から離れている間、モチベーションを保つ方法は

吉村 僕は、個人のスキルやフィジカル面に時間を割けると思ったので、トレーニングや食事にフォーカスしてやっていました。だからモチベーションが下がることはなかったです。

――モチベーションを保とうとするというより、自然と保たれるという感じですか

吉村 そうですね。だんだん習慣になっていった感じです。

――お二方はいかがですか

小西 僕の場合は、試合もなく比べる対象がないなかで、いかに自分と向き合うかにフォーカスしていました。ポジション柄やはりパスがとても大事になってくるので、自粛期間中は本当にパスの練習だけしていた感じですね。ひじの動きがどうの腰のひねりがどうのと、細かく動画を撮って振り返ってみたり。そういうところにこだわった結果、今はかなり変わったなと感じています。そうやってモチベーションはうまく保てていたのではないかと思います。

――そのように自分に向き合うことは、普段通りの練習のもとではなかなかできないのですか

小西 そうですね、自粛期間だからこそできたと僕は思っています。春はU20だったり大学の試合だったりなんだかんだ忙しいと思うので。(普段通りの練習下でも)できたとは思うんですけど、ここまで濃密にできたかと言われたら分からないですね。

――最後に伊藤選手、お願いします

伊藤 僕は、デビューして赤黒を着て試合に出るのがまず目標で、そこをスタートラインにしようとしていたので、モチベーションはあまり変わらなかったです。今できることをやって、公式戦に出て貢献したいという思いでした。

――代替わりしてからのチームの雰囲気や新キャプテンの丸尾選手は、下級生からはどのように見えていますか

小西 丸尾さんは「大学選手権で優勝するための練習だ」とずっと言っていて、その気持ちを一番熱く持っているのも丸尾さんで、そうやって引っ張ってもらっている感じです。チームとしては、試合数がまだ少ないので、対抗戦をやりながら1試合ずつ成長できればいいんじゃないかな。

伊藤 丸尾さんは、チームのことになると厳しいというか、ダメなことにはダメと言ってくれるので、すごいなと思います。個人に対しては、声掛けもしてくれるし、僕が1年生というのもあるかもしれませんがすごく優しく接してくれるので、プレーしやすい環境を作ってもらっていると思います。

吉村 丸尾さんは熱い方で、引っ張ってくれていると思います。また、スローガンの『BATTLE』にあるように、チーム1人1人各練習でも戦う気持ちを持ってガツガツやっていこうという雰囲気なので、下級生の僕たちからしても意見しやすくアピールしやすい環境だと思っています。岸さん(岸岡智樹、令2教卒=現クボタ)や直人さんが抜けたといろいろな記事で言われていますが、あまり選手は、僕だけかもしれないですけど、気にしていなくて。9番10番でポジション争いしている選手はその人たちを超えるつもりでやっていると思いますし、抜けた穴だからではなくて、今年のスタイルでまた日本一を獲りに行くという考えのもと皆でやっています。

ポジションへの思い

――吉村選手は昨年度CTBでの出場もありましたが、今年はSOに集中して練習しているのですか

吉村  SOをやっていることの方が多いですが、その試合でベストなメンバーがベストなポジションで選ばれると思うのでまだわかりません。どちらでもできるように練習しています。

――小西選手は齋藤選手と同じSHになりますが、どのような意気込みで臨んでいますか

小西  直人さんは現時点で日本のトップレベルであることは間違いないので、そこを目指すことにも変わりはありませんが、直人さんと全く同じになる必要はないと考えています。自分の持ち味は直人さんとは別にあるので、そこを極められれば直人さんにも追いつけると思うし、一緒に肩を並べてプレーができる日が来るのではないかと思います。

――自分の持ち味というとどのようなところですか

小西 今まではランやスピードが強みでしたが、SHって結局パスなんですよ。今はとにかくそこを練習しています。パスを放るSHというポジションとして、早稲田だからフィットするということではなくどのチームであっても柔軟に対応できるSHになるべく、パスを強みにしたいと考えています。

――桐蔭学園出身のお二人は、同校出身である齋藤選手に影響を受けた部分はありますか

小西  直人さんのサンウルブズやサントリーでの活躍は、そのこと自体が僕にとって大きな影響になっています。去年までは近くで見てきたけど、見ていないところでも直人さんは努力していたと思うし、その結果として今しっかり活躍しているので、僕も負けていられないなと思います。

伊藤 僕はごはんに連れて行ってもらったくらいですかね。あと、僕が中2でまだ進路を決めていない時に直人さんが高3で花園準優勝をしていて印象的だったので、そういった意味では進路を決める際に影響を受けました。

――吉村選手は中野将伍選手との親交が深くよく一緒にトレーニングをしていたということですが、印象に残っていることなどはありますか

吉村 (大学選手権の)天理戦の時、試合前に将伍さんが泣いているところを見て、「もしここで負けたら一緒に練習できるのも最後か」とじーんとした思い出はあります。地元がずっと一緒で背中をみてきた存在だったので、また一緒にラグビー出来たらいいですね。

――伊藤選手はどのポジションでの起用になりそうですか

伊藤  まだ定まっていないのでわからないです。10、12、15のどれかならこだわりも特にないですが、いろいろなポジションができるのも僕の強みなので、どこでもできるように練習していきたいです。

――今後チームでどんな役割を果たしていきたいですか

伊藤  ジャッジの面でチームに貢献したいと思っています。12番や15番だったらセカンドジャッジというか第二のプレーメーカーという役割もあるので、そこで活躍したいです。また、自分の強みがランなので、ラインブレイクしてトライだったりポイントアシストだったりというチャンスメークができたらいいかなと思います。

――今年のBKはどのようなところに力を入れて練習していますか

吉村  去年より細かいところにこだわって練習している印象です。立ち位置とか選手の動きとか。「よりボールが動くラグビーを」という感じですね。

小西  その通りです。

――BKの連携については現状いかがですか

吉村  毎日100%を求めてやっています。その目指すべき100%のレベルがどんどん上がっていく感じ。去年より(練習)時間が少ない分、1日1日のこだわりが強いと思います。

小西  良い回答!そういうことです。

「大胆に、堂々と、自信を持って」(伊藤)


上井草で練習に励む伊藤

――吉村選手と小西選手は二度目の、伊藤選手は初めての対抗戦となります。春夏に満足な練習ができなかった中での開幕となりますが

伊藤 初めての対抗戦で特別な扱いになりそうですけど、僕の中ではただの試合というか、そういうイメージで試合をすることで余裕が生まれてくるかなと思っています。1年生ではありますが、その冷静さを持ってやりたいです。不安な部分としては、けがをしてしまったので出遅れるところですかね。この前練習試合をしても通用するところはありましたし、あとは(高校までの60分と違い)試合時間が80分あるので、セーブの仕方を覚えようと思います。しっかり活躍できるように頑張ります。

小西 2回目とはいっても、ほとんど初めての対抗戦なので、正直僕は(開幕戦のある週の)月曜日くらいから緊張しています。結構場所に影響されやすいタイプですし、小さい頃は試合を観に秩父宮とかに毎週通っていたくらいなので、そういうところで試合をするんだと考えるとすごく緊張しますね。緊張とか不安はありますが、それは無いよりは絶対いいので、毎日つけているラグビーノートとかをしっかり活用しながら良い準備をして、1試合1試合さらに成長していけたらいいなと思っています。

吉村 僕も(昨年は)出場時間が少なかったですし、ほとんど初めての対抗戦という感じなんですけど、堂々とやりたいというのはあります。上井草でやっているパフォーマンスをそのまま、試合会場が変わっても表現できたらいいなと思います。

――自分の注目してほしいところはありますか

伊藤 1年生ですけど、積極的にチームにどんどん勢いを与えるところです。例えば、ラン・パス・キックの3つをすごく大切にしているので、そこで判断してどんどんチャンスメークしたいです。

小西 「得点力のあるスクラムハーフ」を目指しています。得点力というのは、僕が走ってトライするというのはもちろん、誰かが抜けたところをサポートしてトライするとか、ビッグゲインに繋がるパスを僕がするとか。ただの繋ぎ役としてのハーフではなく、そういう得点力のあるスクラムハーフというのを体現したいと思っているので、そこを見てほしいです。

吉村 パス・キックのスキルですかね。あとはタックルを見てほしいと思います。

――他大学に意識している選手はいますか

吉村 僕はいません。

小西 僕も、今は自分が一番のライバルです。

 一 同  (笑)。

伊藤 僕もいないです。

――最後に意気込みをお願いします

吉村 勝ちにこだわることにフォーカスしてやっていきたいと思います。勝ちに行く姿勢というのをグラウンドで体現できたら、それが見ている人に伝わったらいいなと思います。

小西 準備できることはしっかり準備してきたので、自信を持ってプレーしたいです。あとは、1試合1試合に対して自分ができる限りの100%の準備をして、その結果からフィードバックして、新しい課題を見つけてというサイクルを繰り返していきます。

伊藤 大胆に、堂々と、自信を持ってやりたいです。自分のプレーでチームを助けたり、チャンスメークしたりできるように準備して、試合では楽しんでプレーしたいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 安岡菜月、大滝佐和、山口日奈子)


色紙を書いていただきました!

◆小西泰聖(こにし・たいせい)(※写真右)

2000(平12)年9月1日生まれ。167センチ。72キロ。神奈川・桐蔭学園高出身。スポーツ科学部2年。自粛期間中もパスにこだわって練習していたというストイックな小西選手ですが、私生活ではゲーム好きという意外な一面も。磨いたパススキルと、持ち前のスピードを生かした「繋ぐ」ラグビーから目が離せません!

◆吉村紘(よしむら・こう)(※写真中央)

2000(平12)年10月7日生まれ。175センチ。84キロ。東福岡高出身。スポーツ科学部2年。昨シーズンを厳しい一年だったと振り返る吉村選手。先輩である中野将伍選手から学んだトレーニングや食事法などを継続して実践しているそうです。また、中野選手と一緒に通っていた美容院にも、今も変わらず通い続けているそう。色紙には「勝」の一文字を力強く書いてくださいました。勝利を呼びこむプレーに期待しています!

◆伊藤大祐(いとう・だいすけ)(※写真左)

2001(平13)年7月15日生まれ。179センチ。85キロ。神奈川・桐蔭学園高出身。スポーツ科学部1年。今回が早スポ初登場の伊藤選手。先輩2人から「物怖じしない」と評価される一方で、隣に座る小西選手に「だよね?」と度々確認しながら質問に答えてくださる姿が印象的でした。赤黒を着てグラウンドを「ブレイク」する姿に期待です!