新型コロナウイルスの影響を受け、リンクが一時閉鎖されるなど練習中断を余儀なくされたフィギュアスケーターたち。自粛期間を経て抱いた、シーズン前の思いについてのインタビューをお届けする。(この取材は8月26日に行われたものです)第6回は松原星…

 新型コロナウイルスの影響を受け、リンクが一時閉鎖されるなど練習中断を余儀なくされたフィギュアスケーターたち。自粛期間を経て抱いた、シーズン前の思いについてのインタビューをお届けする。

(この取材は8月26日に行われたものです)

第6回は松原星(商2=武蔵野学院)のインタビューです。

――昨シーズンを振り返るといかがでしたか。

 「まとめると一生忘れない1年だなと思っています。夏に2回ケガを連続でしてしまったことが一番悔しい点なんですけど、絶対に諦めたくなくて、諦めたら全日本選手権だって行けないし、ずっと行きたいと言っていた国体にも行けないし、日本学生氷上選手権にも出られないしと思っていました。絶対に諦めないという気持ちで、ケガして滑れなかったりジャンプができなかったり、怖くてトーがつけなくなっちゃったりもあったんですけど、それでもとにかく諦めないで一つ一つやれることを、フリップができないならサルコウ・トーだけでまとめられるように練習するとかスピンのレベルを絶対に取りこぼさないとか気をつけてやっていました。本当に家族の支えとかコーチのアドバイスもあったし、いつも応援してくださる周りの方々からの応援もすごくありがたいなと感じる1年でした」

――コーチからどのようなアドバイスをもらいましたか。

 「2回目ケガした時が本当に自分の不注意で、それは先生の言うことを聞かずにムキになって跳べない、跳べないとなっていたら起きてしまったケガなので、先生の言うことを聞こうと思いました。『とりあえず焦らないでいいんじゃない』と言われました。『まとめれば他で補える力もあるんだし、一個跳べないジャンプを意地になってやり続けないで、できることをやればいいんじゃないか』と言われました」

――なぜ焦りがあったのでしょうか。

 「先々シーズンに初めて全日本に出て、新人賞をいただいて、海外試合とかはもらえなかったんですけど、自分的にはいいところまでいったんじゃないかと思ってて、もうちょっと上にいけると思ったのが焦りにつながっちゃったのかなと思います。(先々シーズンに)東日本選手権で優勝させていただいたりとかもあって、東日本前に2回目の怪我をしてしまって、枠も少ないしなんとかしなきゃという思いが良くなかったのかなと思います」

――今シーズンのプログラムについてお聞かせください。

 「SP(ショートプログラム)もFS(フリースケーティング)も変えました。SPは『Song for the Little Sparrow』という宮原知子選手(関大)が以前使っていた曲です。初めて出た全日本ですごい感動して、ゾワゾワというか初めてこういう気持ちになって、すごい心に残っていて、絶対に使いたいと思ってSPにしました。FSは『The Piano』という『ピアノ・レッスン』の曲なんですけど、結構使っている人がいっぱいいるんですけど、海外のマライア・ベル選手(米)とかジェイソン・ブラウン選手(米)も使っていて、一番近くだと坂本花織選手(神戸学院大)が使っています。それも初めて出た全日本で使っていて、絶対跳んでやるという気持ちが上で見ていてすごく伝わってきて、記憶に残っていて使ってみたいなと思い選曲しました」

――今シーズンは憧れや影響を受けたプログラムですね。

 「そうですね。でも実際やってみてまだまだ知子ちゃん(宮原)の振付がたまに頭の中に出てきて、自分の曲なのにまだ宮原知子選手の曲というのが自分の中にあるので、それを越えるというには言えないですけど、少しでも近づけるように頑張りたいなと思います」

――自分のカラーを出すというところが課題になってくるということでしょうか。

 「こういうのが松原星ちゃんだよねっていうよりかは、こういうのもできるんだと思ってもらえるように頑張っていきたいです」

――今シーズンの目標と理由を教えてください。

 「『ケガをしないは』は、本当に昨シーズン悔しくて、今までケガをしてきてても昨年のようなケガはなくて悔しかったし、何度も後悔して、ここでケガしてなかったらもうちょっと上にいけたんじゃないかとか、これ失敗しなければ表彰台に乗れたんじゃないかとかそういう悔しい思いを何度もしたので、目標を達成する上での大前提ですね。『強化選手になること』は全日本で12位以内に入って、ゴールド選手になって、ゴールド選手になると関空アイスアリーナのリンクに行けて、トップ選手と練習ができるようになるのでそれに行きたいので入りたいです。『国体優勝』は国体が本当に楽しくて、こんなに楽しい試合ってあるのかと思うくらい楽しくて、シーズンの一番最後のシメで絶対に出たいです」

――国体はどのようなところが楽しいですか。

 「インカレみたいな感じで東京都として出て応援するので、普段ライバルでやっている相手とペアを組み、男子も女子も一緒になってチームになって戦うという感じなので応援するというのが新鮮ですね。普段戦っている仲間を応援して、一緒に順位を獲るというのが新鮮で楽しいです」

――昨年度は永井優香選手(早大)と出場されましたね。

 「一緒に行かせていただきました。普段一緒に練習していて、小学4年生の頃からずっと一緒で、動きとかジャンプもすごい高いですし、見習う点がいっぱいあります」

――技術面で成長したい点がございますか。

 「ジャンプはサルコウ・トーを武器としてやってきていたんですけど、ルッツ・トーを少し練習してもし安定するようなら入れたいなと思っています。あと振付をすごく意識して、普段よりも意識して重点的に練習しています」

――振付のポイントの部分はありますか。

 「基本猫背になってしまうのが悪いところで、見返した時に何か丸いというのがいつも思う感想で、そこを少しでも改善したいなと本気で思って、そこを意識しています。丸って思わせる部分をとにかくなくすようにして、伸ばしてるというか緩めないようにしています」

――全日本の順位の目標はありますか。

「12位以内が強化選手なので、そこに入れるように頑張りたいと思います」

――最後に、ファンの方に向けてメッセージをお願いします。

「いつも応援ありがとうございます。本当に普段みなさんの応援がすごく支えになって、演技が始まる前の声援とか、失敗してしまった時とか、成功した時にすごく盛り上げてくださるのがすごくうれしくて、すごく勇気になっています。これからも自分なりに頑張っていきますので、応援よろしくお願いします」

――ありがとうございました。

[中澤美月]