例年5月に開催される早慶対抗試合(早慶戦)。今年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、開催の延期が発表されていた。依然として全国各地に感染者は見られるが、他競技では観客を入れての大会の開催も徐々に認められつつある。テニスは密になりや…

 例年5月に開催される早慶対抗試合(早慶戦)。今年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、開催の延期が発表されていた。依然として全国各地に感染者は見られるが、他競技では観客を入れての大会の開催も徐々に認められつつある。テニスは密になりやすい競技の一つであり、特に団体戦は大きな声援が飛び交う。早慶両校で早慶戦の開催の可能性を模索してきた結果、この度無観客での開催に至った。またラストイヤーを迎えた4年生の最後の大舞台として、早慶交流試合が開催される運びとなった。

┃男子団体戦Bチーム

 準レギュラー組で構成された男子Bチームには、関東学生トーナメント(春関)でも本戦出場が有力視されるメンバーが名を連ねた。ダブルスは2組とも3年生と1年生のペア。昨年の全国高校選抜男子シングルスを優勝した影山太星(社1=愛知・名古屋経大市邨)、全日本ジュニアダブルスベスト4の吉野郁哉(スポ1=兵庫・西宮甲英)が大学初実戦を飾った。ダブルスを1勝1敗で終えて迎えたシングルス。シングルス2で堀凌輔副将(社4=福岡・柳川)、シングルス3で本多映好(社4=岩手)が登場した。「個人よりもBチームとして勝てたらいいな」(堀)と話すように意地でも勝利したかったところだが、両者敗れる結果に。特に堀は春関に出場しないため、今回の早慶戦が大学最後の試合であった。また今回の結果を受けて、本多も春関はダブルスのみの出場にすることを決めた。シングルスラストマッチであった両選手にとって、自身の敗戦が直接チームの敗戦につながっただけに、悔しさもひとしおだろう。「早慶戦のために、気を引き締めていきたい」(本多)との言葉が示す通り、11日に行われる早慶戦では応援の側からチームを鼓舞していきたい。


現役ラスト試合であった堀

┃男子団体戦Cチーム

 Cチームにエントリーした選手の多くは、春関(関東学生テニストーナメント)などの学生大会で、本戦出場を目指す選手たちである。ダブルス1で出場した長倉謙伸(スポ4=静岡)・尾形健悟(スポ2=香川・大手前高松)組は、ファーストセットを4-1と序盤はリードしていたが、ブレイクを許すと一気に相手に流れを明け渡してしまった。セカンドセットは1ゲームも取ることができず、ストレート負け。ダブルス2を務めた新井湧己(教3=東京・早実)・西原優輝(スポ3=神奈川・湘南工大付)の同級生ペアが6-2、6-3と完勝し、1勝1敗でシングルスにつながった。シングルスは3戦中2戦がスーパータイブレークにもつれ込む熱戦に。清水拓弓(スポ1=滋賀・光泉カトリック)は、試合序盤は相手に押される場面もあったが、セカンドセット以降立ち直り、タイブレークも難なく制した。小林大修(文構2=東京・早実)の完勝もあり、Cチームは早大の勝利が確定した。加藤翼(社4=和歌山・慶風)はミスが響き、勝利することは叶わなかった。だが隣のコートがちょうど試合が終わるタイミングでタイブレークに突入したことで、自分の1試合のために皆が集まり応援するという団体戦特有の貴重な体験をすることができた。「そのような場面は人生で一度もなかった」(加藤)と語るように、引退を前にかけがえのない試合になったのではないだろうか。


ダブルスで勝利した新井、西原組

┃男子団体戦Dチーム

 高校時代に全国大会で実績を残すことができなかった新入生が数多く名を連ねたDチーム。勝利を手繰り寄せたのは最上級生の力だった。ダブルス1では谷垣絢也(スポ4=東京・足立学園)・池田文隆(政経2=カナダ・Glebe Collegiate Institute)組が出場。緊張も見られた池田であったが、「セカンドセットから谷垣さんが笑わせてくれました」とリラックスすることができた。セカンドセットからは一進一退の攻防が続いたが、谷垣・池田組が勝負どころをものにする。「チームの勝利に貢献できて引退試合を終えたのは本当に良かった」と、谷垣にとっては最高のラストゲームとなった。ダブルス2は敗戦し、BチームやCチームと同様に1勝1敗で迎えたシングルス。前日のチーム内での話し合いで出場が決まった藤井竣介(商4=愛知・昭和)は、楽しんでやることを心掛けてプレーした。試合は接戦となり、スーパータイブレークまでもつれた。今までタイブレークには苦手意識があった藤井であったが、「やり切ろう」と前向きな気持ちで、見事苦手意識を払拭してみせた。シングルス1の村松海斗(政経1=埼玉・早大本庄)も勝ち、Dチームが勝利を収めた。


シングルス3で出番のあった藤井竣

(記事 大島悠希)

結果

男子団体戦Bチーム
D1● 武藤洸希・影山太星 [2-6、4-6] 小路博隆・赤西大樹
D2○ 名越大地・吉野郁哉 [6-2、4-6、10−8] 春山慶太・菅谷拓郎
S1○ 藤岡凌大 [6-0、6-2] 本郷荘一郎
S2● 堀凌輔 [6(4)-7、1-6] 吉本優太
S3● 本多映好 [3-6、2-6] 今鷹洸太
男子団体戦Cチーム
D1● 長倉謙伸・尾形健悟 [6(8)-7、0-6] 藤岡仁・酒井亮
D2○ 新井湧己・西原優輝 [6-2、6-3] 田村勇太・二見圭吾
S1● 加藤翼 [3-6、6-4、4−10] 竹内悠大
S2○ 小林大修 [6-1、6-3] 増岡忠洋
S3○ 清水拓弓 [4-6、6-2、10−3] 落合健太
男子団体戦Dチーム
D1○ 谷垣絢也・池田文隆 [1-6、6-4、10-7] 林春輝・神田喜慧
D2● 鍬辰明・峰岸勇気 [1-6、0-6] 丸山優佑・伊藤龍佑
S1○ 村松海斗 [6-0、6-1] 高山統行
S2● 津村涼翔 [1-6、2-6] 亀井陸
S3○ 藤井竣介 [7-6(2)、4-6、10−5] 佐野進太郎

※インタビューは10月5日に行われたものです。

コメント

堀凌輔副将(社4=福岡・柳川)

――今回の交流試合はシングルス2での出場となりましたが、昨日の試合に向けてどのような調整してきましたか

気負わずにやるつもりだったのですが、いざ試合になると直前から緊張してしまいました。調子は良かったのですが、いざ試合になると変わってくるなと思いました。早慶戦前は4年生ですし、サポートすることは多かったです。調子は良かったので、準備はできていたと思います。

――関東学生トーナメント(春関)には出場されず、今回の早慶戦で引退とお聞きしましたが

引退します。

――今回の試合への意気込みはどのようなものでしたか

個人よりもBチームとして勝てたらいいなと。そのためにも1本取りたかったのですが、しっかり負けてしまいました。チームが負けたことに関しては悔しかったです。

――引退試合は、プレッシャーの懸かる場面でしたが、出番が回った時の心境は

本多も隣でやっていて、楽しそうにやりながらファイトしていたので、僕も緊張はしていたのですが、元気良くいくようにしました。

――ファーストセットはタイブレークとなりましたが、どのような状態でしたか

5ー3でセットポイントもあったのですが取りきれずに、5ー6までいきました。ブレイクできて6ー6にすることができたので、その流れのままいきたかったのですが、相手のプレーも良くなって、それに押されました。

――タイブレーク、セカンドセットは相手ペースになった感じですか

そうです。セカンドセットは防戦一方でした。相手はフォアが良くて、勝ち込まれてしまう場面ばかりでした。

――サポートメンバーとして帯同する早慶対抗庭球試合(早慶戦)への意気込みをお願いします

4年生として最後の試合になるので、ベンチコーチもありますし、後輩をまとめることもあります。各持ち場で役割をこなせるように、戦えたらいいかなと思います。

本多映好(社4=岩手)

――Bチームでの出場が決まったのはいつ頃ですか

3日、4日前だったと思います。

――1勝1敗でシングルスを迎えましたが、どのような心境でコートに入りましたか

ダブルスで2勝して回して欲しくて、チームとしてもその方向だったのですが、1勝1敗で回ってきました。自分がしっかり勝利をすればチームの勝利に近付くのを、2勝0敗だった時よりも強く感じていて、自分の勝利が大きくなるのを感じていました。

――ファーストセットを落とした時の心境は

自分の身体がイメージよりも動かず、それに終始苦労していました。自分のサーブも良かったのですが、相手のストロークが良かったので先にブレイクを許してしまい、これどうしたら勝てるのかなと思っていたら、ファーストセットが終わっていました。

――セカンドセットに向けて修正した部分は

セカンドに入る時にベンチコーチに入ってくれた名越(大地、社3=兵庫・相生学院)から、相手の球が結構低いので思ったよりも自分の身体を低くして対応しないとミスになってしまう。あと下がりすぎていたので、ポジションを前に取ってプレーした方がいいと話して、セカンドセットに臨みました。

――結果としてBチームは負けてしまいましたが、そのことをどのように捉えていますか

本当に申し訳ない気持ちが強くて、僕と堀の4年生が2つ落としてしまったので、本当に情けない気持ちが大きいです。

――シングルス1の藤岡(凌大、文構1=東京・早実)選手が最後に勝利されましたが、上級生としてどのように感じましたか

藤岡は本当に昨日凄く良くて、相手も強い選手だと思うのですが圧倒していましたし、プレーからは藤岡自身の成長も見ることができました。その中で勝敗が決まっている中で試合をさせてしまったことは、なんとかさせてあげたかったです。

――今後春関には出場されますか

春関は単複両方で出場する予定だったのですが、昨日の試合を経て、シングルスはもう無理だなと思ったので、昨日でシングルスの引退を決意しました。ダブルスだけ出ることができたら出たいなと思います。

――4年生としては早慶戦で引退となりますが、今のお気持ちは

引退と聞くと大きいイメージはあるのですが、僕としてはそこまで引退とは思っていなくて。来週の早慶戦のために、気を引き締めていきたいと思います。

加藤翼(社4=和歌山・慶風)

――シングルスでの出番が決まったのは、つい最近とのことでよろしいですか

そうですね。

――出番が回ってきた時には勝ちがほぼ決まっていたと思うのですが、出番が回ってきた時の心境は

ダブルスが1ー1、シングルスの2人は強いので多分大丈夫だろうと思っていました。S3の清水(拓弓、スポ1=滋賀・光泉カトリック)の相手が4年生だったのですが、最初清水が4年生の気迫に押されて危なかったのですが、清水が強いのは知っていたので意外と安心して待っていました。結果として勝ってくれたので、見立ては間違っていなかったと思います。

――ファーストセットを落とされましたが、セットを落とされた時の心境は

勝ちが決まったのと、最後の団体戦で緊張はなかったのですが、いつものプレーではなかったと感じます。自分はいつも粘るところを粘って、スライスを使ったりと我慢強いのですが、ファーストセットは強気にいきすぎました。いつもの自分のプレーではなかったです。

――セカンドセットに向けて修正はしましたか

セカンドセットは、自分のプレーが最後なので心掛けようとの一心でやったら取ることができたので良かったと思います。

――タイブレークまで持ち込みましたが、どのような気持ちでタイブレークに臨みましたか

隣のコートが、ちょうどタイブレークに入る時に終わり、自分の1試合のために皆が集まったので。そのような場面は人生で一度もなかったので、どうすればいいのかの緊張と最高の舞台でやらしてもらえること。この後は個人戦があるのですが、この試合に勝ったら引退しようと。優秀の美を飾るつもりでいったら、結果負けました(笑)。なので、春関には出るのですが(笑)。気持ちとしては応援がいてくれたので、応援を盛り上げられる試合をしたかったです。声は出せたかなと思うのですが、テニス的にはファーストサーブの確率であったり、ミスがあったりしたので、テニスの面ではあまり良くなかったですが、わりと悔いはないです。

――例年の団体戦に比べると声援の部分は小さかったと思いますが、力になりましたか

そうですね。やはりいてくれるだけで。個人戦だと決めても自分で盛り上げないといけないので、団体戦の方が楽しいです。声も出せるし、力も出せると思います。

――最後に春関への意気込みをお願いします

まずはサポートの形なのですが、来週の早慶戦をしっかり優勝して、選手の試合からいい刺激を受けて。春関でテニスをやめることになるので、悔いのない試合をできたらなと思います。

長倉謙伸(スポ4=静岡)、尾形健悟(スポ2=香川・大手前高松)

――今回の早慶交流試合にはどのような意気込みで臨まれましたか

長倉 僕にとっては引退前最後の試合になるので楽しんで。楽しんでダブルスができたらいいなというのがありました。いつもは上の層だけだったのですが、王座がなくなったこともありこのような大会を開催することとなり、貴重な機会で本当に楽しかったです。(尾形)健悟とのダブルスはいつも楽しかったから、最後勝って終わりたかったです。

尾形 去年は早慶戦をサポートする側だったのですが、今年から交流試合ということで下の層も出場できることになったので、選手たちがどう感じながらプレーしているかを知れるいい機会になりました。長倉さんとダブルスをしてから結構経つので、勝ちたい気持ちがありました。

――試合ではファーストセットから接戦となりましたが、振り返ると

長倉 出だしは本当に良くて、2人ともいいプレーをしていました。4ー1で自分がサーブをダブルフォルトしてしまい、そこでブレイクされたことで流れを渡してしまいました。そこをキープしていれば流れは違ったと思います。

尾形 僕も4ー1とリードした場面で勝てると思ってしまい、気持ちの緩みからチャンスがピンチとなりました。2セット目は、1セット目を何故取れなかったのだと気持ちのままプレーをしてしまいました。

――長倉選手もセカンドセットを振り返ってもらってもいいですか

長倉 セカンドセットは結局1ゲームも取れなかったです。まずキープしないといけない1ゲーム目を取れなかったことが大きいです。ドラゴンショットに阻まれて(笑)。相手も強かったですし、流れを戻せなかったことは相手の実力があったことですし、練習不足だったと思っています。

――早慶対抗試合には運営で携わると思いますが、そこに向けた意気込みをお願いします

長倉 早慶戦の本番は今週なので、そこに絶対勝って引退したいです。コロナの影響もあって声出しの応援はできないのですが、精一杯拍手をしたり、ガッツポーズをしたり、アイコンタクトをしたりとやることはあると思うので、しっかりサポートをしたいと思います。出し切って終わりたいと思います。

尾形 僕は来週審判をすると思うのですが、審判をする際は早稲田にも慶應にも公平なジャッジをするように心掛けます。応援する時間もあると思うのですが、僕たちが交流試合で流れを持ってかれたことをしないように、応援からちゃんと流れをつくって、選手が戦いやすいようにしたいと思います。

――最後に春関に向けた意気込みをお願いします

長倉 春関は池田(文隆、政経2=カナダ・Glebe Collegiate Institute)と組むのですが、最近池田もテニスを頑張って上達しているので。形としては、自分は引退になるのですが、少しでも勝って上にいけるように頑張りたいと思います。

尾形 僕は4年生の加藤(翼、社4=和歌山・慶風)さんと組むのですが、優秀の美を飾れるように。加藤さんに悔いが残らないように全力で足を引っ張らないようにしたいと思います。シングルスは去年全部2次予選止まりだったので、今年は殻を破り、本戦に出ることができるように頑張りたいと思います。

谷垣絢也(スポ4=東京・足立学園)、池田文隆(政経2=カナダ・Glebe Collegiate Institute)

――お二人が今回の交流試合でダブルスを組むことが決まったのは、いつ頃ですか

谷垣 2週間くらい前です。

――いつも2人はダブルスを組まれているのですか

池田 いつもではないです。昨年の夏関(関東学生テニス選手権)で組んで以来です。

――谷垣選手に伺いますが、4年生として最後の団体戦が設けられることが決まった時の心境は

谷垣 このようなコロナ渦の状況で春の個人戦や夏の個人戦がなくなった中で試合をさせてもらえることはありがたいことで、それが団体戦という場でライバルの慶應と試合をすることができたのはうれしかったです。

――池田選手は4年生の谷垣選手と組むことになりましたが、4年生と組むことでいつもの試合と違う部分はありましたか。

池田 4年生とは仲がいいので、それによるプレッシャーは特になかったです。

――昨日の試合を振り返ると

谷垣 そうですね。ファーストセットは相手が強いよりも、自分たちのパフォーマンスがあまり良くなかった。相手も自分たちからしたら弱くはなかったので、ファーストセットは1ー6で取られちゃったよね(笑)

池田 取られちゃいましたね(笑)。僕のサーブが全然入らなくて、ずっとミスをしていて、1ー6で取られました。最初のアップの時は頑張ればいけると思っていました。1ー6の時は、やったなと思いました。でもセカンドセットから谷垣さんが笑わせてくれましたね。

谷垣 池田がまだ緊張していたので、和ませるようなことをチェンジコート中に言ったので、そしたら流れに乗ってくれて良かったです。

池田 それで相手のダブルフォルトもあり、セカンドの頭を運良くブレイクしました。元々谷垣さんのサーブは良いので、しっかりとキープして、ワンブレイクのままいけました。

谷垣 セカンドセットはうまいこと6ー4で取れました。ベンチコートに入った藤井(竣介、商4=愛知・昭和)がうまいことアドバイスしてくれました。藤井が自分の試合でいなくなった時は、オフの日で来るはずもない田中(優之介副将、スポ4=埼玉・秀明英光)が来てくれて、いろいろアドバイスしてくれたのも大きかったです。

――藤井選手や田中選手などからは、どのようなアドバイスがありましたか

谷垣 藤井も田中も、シンプルにとりあえず相手にやらせろと。相手に打たせればミスが起きる、一発では決めてこないと思っていたので、際どいことを狙うよりも中に入れろと言われました。

――ファイナルは10ー7で制しましたが

池田 1ブレイクで6ー4だったのですが、結構接戦でした。ポイント獲得率も変わらない感じが、そのままタイブレークにもつながって、6ー6から何故か3ポイント取れました(笑)。多分終わりに近付いていくにつれ、相手が緊張していました。自分たちは笑っていました(笑)

谷垣 笑っていたよね(笑)。自分たちは、楽しくやろうと決めていたので。

池田 あの時、勝った後にどのようなポーズしようかしか考えてなかったです。もちろんプレイに関しても考えてはいたのですが、カメラにどのようにガッツポーズしょうか考えていました。

谷垣 それが勝った要因なので。相手に思い切りできて良かったです。

――Dチームとして勝利することができましたが

谷垣 藤井の試合も難しい試合で。ファーストセットは取れたのですが、セカンドセット取られて、スーパータイブレークに持ち込まれた。応援の力、藤井自身の力もあり、勝つことができた。その部分だけでも感慨深いのですが、村松の試合も弱い相手ではなかったのですが、相手の相性に合わせて自分のプレースタイルとは少し異なることをしていたので、村松の成長を感じることができ、頼もしい後輩だなと思いました。

――今後二人は春関に出場される予定ですか

谷垣 自分は教育実習の関係で出ないです。

――今回の試合が4年生として挑む最後の試合になりましたか

谷垣 引退試合でした。

――引退試合を終えた、今の率直な気持ちは

谷垣 実際やってみる前は相手がどのようなプレイヤーであるか、勝てるか負けるかも分からなかったですが、試合では勝てるかギリギリの相手に勝つことができ、楽しくテニスもできて、応援もしてもらい、いい形で終えれて良かっです。このような形で池田とダブルスを組んでチームの勝利に貢献できて引退試合を終えれたことは本当に良かったと思います。

――池田選手の春関での目標は

池田 春関のダブルスで4年生の長倉さんと組めることになり。長倉さんはシングルスでも本戦にいったことある、僕よりも実力のある強い選手なので、上にいける一番のチャンスです。僕の頑張りでかなり変わってくるので、かなり気合が入る春関です。シングルスも粘り強くやり、本当にダブルスは力が入る感じです。

藤井竣介(商4=愛知・昭和)

――シングルス3として出場することが決まったのは、いつ頃ですか

前日にチームで話し合って決めました。

――主務としては早慶定期戦や交流試合の開催に尽力されたと思いますが、どのようなことをされたのでしょうか

今年はイレギュラーな形になったので、決めることが例年以上に多かったです。今年新たに増えたこととしては開催時期。5月にやる予定だったのがずれ込んだことで、いつ試合をするのかを慶應大学さんと折衝しました。さらに感染対策をどうするか。また資格についても、資格に例年採用していた大会が行われないとのことで、今年は別の資格をつくり、両主将・主務と話し合い、開催される運びとなりました。

――ダブルスが1勝1敗の中で試合を迎えましたが、試合を迎えた時の心境について

隣の谷垣、池田ペアがファーストセットを落としたのですが、ファイナルセットで勝ってくれたので、すごくいい勢いを隣のコートから借りて入ることができました。自分としても最後の団体戦になるので楽しんでやりたいプレーをしようと心掛けました。

――谷垣、池田選手のベンチコートに入られたと思いますが、何か声を掛けましたか

その二人にはいくつか声掛けをしたのですが、一球でも多く返すことがテニスの一番大事な部分だと思っているので、それを何回も伝えました。際どいところを狙ってミスをするよりも、相手に一球でも多く打たせることでチャンスをつくろうと伝えた結果、二人の逆転勝ちにつながったと思います。

――藤井選手の試合では、誰がベンチコートに入られたのですか

ベンチコーチは谷垣が終わり次第入ってくれたりしました。一番長く入ってくれたのは谷垣でした。

――谷垣選手から何か声は掛けてもらいましたか

彼は盛り上げ方がうまいというか、どんな時も気持ちを乗せてくれる同期なので、そこを頼りにして、元気出してタイブレークを戦い抜けたかなと思います。

――スーパタイブレークまでもつれ込む接戦となりましたが、振り返ると

選手目線の取材を受けたことがなかったので、今まで試合を振り返ることがなかったです(笑)。ファーストセットのタイブレークもいい形でプレーすることができたので。今までタイブレークには苦手意識があったのですが、昨日は最後だからか分からないですが、やり切ろうと前向きな気持ちがうまく作用しました。今まであまり得意だと思ってなかったタイブレークを取ることができたことの、大きな要因だと思います。

――春関は出場されますか

迷っていたのですが、昨日の試合を経てもう少し試合をしたい、もう少しうまくなりたい気持ちが出てきました。主務としての仕事もあり練習はそこまでできていないですが、春関には出ようと思っています。