『男子総合3位』を目標に掲げて日本学生選手権(インカレ)に臨んだ早大。3日目は男子200メートル自由形でルーキーの田中大寛(スポ1=大分・別府翔青)が初出場初優勝を遂げ、3年ぶりの派遣奪還を目指した男子4×100メートルメドレーリレーも制…

 『男子総合3位』を目標に掲げて日本学生選手権(インカレ)に臨んだ早大。3日目は男子200メートル自由形でルーキーの田中大寛(スポ1=大分・別府翔青)が初出場初優勝を遂げ、3年ぶりの派遣奪還を目指した男子4×100メートルメドレーリレーも制し総合2位に浮上。大会最終日となる4日目にも着実に得点を積み重ね、前日から順位を1つ落としたものの総合3位と目標を達成する素晴らしい結果となった。

★2種目を制し総合5位から2位に浮上


初出場のインカレで優勝を果たした田中大

 大会3日目の決勝競技、男子200メートル自由形で1年生の田中大が登場。去年のインターハイで同種目を制した田中大は、午前中の予選を1位で通過。「予選は飛ばしたので、決勝は落ち着いて入ろうと思っていた」と振り返った田中大は、前半を5位で折り返す。後半は一気にペースを上げ、2位でラスト50メートルへ。最後は素晴らしいスパートで2位に1秒以上差をつけ1分48秒20でゴール。自己ベストを更新する好タイムで優勝した。日本代表入り経験のあるランキング1位の吉田啓祐(日大)が棄権し、混戦が予想されたこのレース。「自分の泳ぎができた」という田中が持ち味の後半の強さを活かし、早稲田にとってこの日最初の決勝競技で最高のスタートを切った。

 男子100メートルバタフライ決勝には幌村尚(スポ4=兵庫・西脇工)が登場した。予選を52秒69の5位で通過し、51秒台突入が期待された決勝は52秒12で4位。3位とは0秒02差と惜しくも表彰台を逃し、個人種目は悔しい結果に終わった。男子200メートル個人メドレー決勝には竹内智哉(スポ4=神奈川・湘南工大付)が出場した。去年はけがで思うような泳ぎができなかった中、予選を8位で通過すると決勝では順位を2つ上げて6位に。明日の400メートルにも期待を残す結果となった。タイム決勝で一発勝負となった男子1500メートル自由形は武井凛太郎(スポ2=東京・早実)と古畑海生(スポ3=千葉・市川)は自己ベストを更新しそれぞれ6位、7位に入賞。最後のリレー競技に向けて勢いをつけた。


男子4×100メートルメドレーリレーは3年ぶりの優勝を果たした

 3日目最終種目の男子4×100メートルメドレーリレー決勝。昨年は1位の日大に0秒32差の2位と、悔しい結果に終わったこの種目は昨年と同じメンバーで王座奪還に挑んだ。第1泳者の丸山優稀(法4=埼玉・大宮)が5位でつなぐと、「去年悔しい思いをした」とリベンジに燃える第2泳者の平河楓(スポ2=福岡・筑陽学園)が後半に一気に加速し、3位まで順位を上げる。続くは、個人種目は悔しい結果となった幌村。スタートから飛ばし、1位の近大をラスト5メートルで捉え1位に。引継ぎタイムながら、51秒48と好記録をたたき出した。アンカーは伊東隼汰(社3=東京・早大学院)。「前の3人がいい位置でつないでくれたのでがむしゃらに泳いだ。」と振り返った伊東は近大との差をぐんぐんと引き離しそのまま1位でゴール。「メドレーの早稲田といわれる中で優勝できてうれしい。」(丸山)と2017年以来、3年ぶりに覇権を奪還。幌村は「去年負けて、(今年は)個人でうまくいかない中、チームみんなで勝ち取れた優勝。期待に応えられてよかった」と安堵の涙を流した。これで総合順位は2位に浮上。目標の3位を上回る順位で最終日につないだ。

(記事 菊池廉、写真提供 日本水泳連盟)

★総力戦で目標達成の総合3位

 総合3位に向けて逃げ切りを図りたい最終日。まず行われた男子400メートル個人メドレーには2年ぶりの優勝も目指したい竹内が出場。だがベストから5秒以上遅れ、まさかの予選落ち。一方同じく4年生の福岡清流(スポ4=大阪・桃山学院)は自己ベストを更新し、最後のインカレで自身初の個人種目の決勝に滑り込んだ。また男子100メートル背泳ぎに出場した丸山は、予選決勝共に全く同じタイムで泳ぎ、6位。1・2年時にはB決勝にも進めず、急成長を経て期待されて臨んだ昨年のインカレは男子200メートル背泳ぎでは10位、男子100メートル背泳ぎでは8位。最後となる今年、個人種目の表彰台に上がることはできなかったが、大きく成長した4年間の集大成のレースにはなっただろう。

 男子200メートル平泳ぎには、100メートルで自己ベストを更新し、メドレーリレーの優勝メンバーにも名を連ねるなど、今大会部でも随一の勢いを感じさせる平河が早大勢で唯一の決勝入りを果たす。迎えた決勝、レースは平河の隣、佐藤翔馬(慶大)が「世界記録を目指す」という事前の言葉通り、浮き上がりから差をつけ、前半から世界記録を上回るペースで大きく先行。だが2位以下は混戦の様相を呈す。その中で平河は前半、予選よりも抑え7位で折り返す。しかしその後徐々に差をつめ、最後の50メートルで順位を上げて4位に入る。表彰台には届かなかったものの、昨年から3つ順位を上げ、タイムも2秒以上縮める成長ぶりを見せた。

 インカレ最終種目となる男子4×200メートルフリーリレーの決勝には簑田圭太(スポ2=大阪・太成学院大高)、田中大、福岡、竹内のオーダーで臨んだ。昨年は予選10位と決勝進出を逃し、早慶戦でも慶大に2年連続の敗北を喫するなど一抹の不安もあったこの種目。まずは昨年に続き第1泳者を務める簑田が自己ベストを更新する1分50秒35の3位で流れを作る。第2泳者は前日男子200メートル自由形で優勝を果たした田中大。この日もラップタイムでただ1人1分48秒を切る圧倒的な泳ぎを見せ、体1つ分ほどの差があった中大、近大後半にかけて一気に抜き去る。大会期間中、個人種目で自己ベストを更新した好調の下級生が1位で4年生につなぎ第3泳者は福岡。わずか1時間ほど前に男子400メートル個人メドレー決勝を終えたばかりという厳しい状況だったが、550メートルまでリードを保つ。最後は中大の猛追に屈したものの、ほぼ横一線でアンカーの竹内へつなぐ。重圧の中、竹内は序盤をハイペースで入り、早大が再び先頭に。逃げ切りを図るが、後続の追い上げもあり勝負は混戦状態へ。粘りを見せたい竹内だったが、最後は力及ばず早大は表彰台までわずか0秒2というタイムで4位フィニッシュ。思い描いていたような結果ではなかったかもしれないが、それでも見事な戦いぶりを見せた。最終結果は、2年ぶりの男子総合3位。苦戦を強いられる場面もあったが、早大は目標を達成し今年のインカレは幕を閉じた。

 

(記事 青柳香穂)

結果

総合成績男子順位学校名得点1位明大4242位日大345.53位早大3354位近大3035位中大2476位中京大2227位東洋大2018位法大161

 

※シード権獲得校のみ掲載

◇決勝

男子100メートル自由形

田中大寛 50秒20【8位】

男子200メートル自由形

田中大寛 1分48秒20【1位】

男子1500メートル自由形

武井凜太郎 15分31秒42【6位】

古畑海生 15分31秒48【7位】

男子100メートル背泳ぎ

丸山優稀 55秒81【6位】

男子200メートル平泳ぎ

平河楓 2分11秒15【4位】

男子100メートルバタフライ

幌村尚 52秒12【4位】

男子200メートル個人メドレー

竹内智哉 2分00秒87【6位】

男子400メートル個人メドレー

福岡清流 4分26秒24【8位】

男子4×200メートルフリーリレー

早大(簑田、田中大、福岡、竹内) 7分19秒22【4位】

男子4×100メートルメドレーリレー

早大(丸山、平河、幌村、伊東) 3分36秒45【1位】

◇予選

男子100メートル自由形

田中大寛 49秒95【7位】

伊東隼汰 50秒17【12位】

菅野遼 51秒22【27位】

男子200メートル自由形

田中大寛 1分49秒12【1位】

簑田圭太 1分50秒47【9位】

菅野遼 1分53秒25【29位】

男子100メートル背泳ぎ

丸山優稀 55秒81【6位】
米山毅 56秒74【22位】

男子200メートル平泳ぎ

平河楓 2分11秒53【3位】

大﨑威久馬 2分12秒59【11位】

白石崇大 2分13秒01【12位】

男子100メートルバタフライ

幌村尚 52秒69【5位】

男子200メートル個人メドレー

竹内智哉 2分01秒32【8位】

田丸敬也 2分02秒94【16位】

福岡清流 2分03秒51【18位】

男子400メートル個人メドレー

福岡清流 4分20秒68【8位】

竹内智哉 4分20秒86【9位】

田丸敬也 4分21秒27【12位】

男子4×200メートルフリーリレー

早大(簑田、田中航、田中大、竹内) 7分23秒24【3位】

男子4×100メートルメドレーリレー

早大(丸山、大﨑、幌村、伊東) 3分39秒18【2位】