実に10年ぶりだという快挙を達成した。早大は昨年に引き続きBクラスからの団体戦出場。今大会は団体予選を3位で通過し、決勝トーナメントを迎えた。決勝の舞台で対戦するは予選1位の専大。一進一退の攻防が続き、いざ勝った方が優勝となる大将戦に。「…

 実に10年ぶりだという快挙を達成した。早大は昨年に引き続きBクラスからの団体戦出場。今大会は団体予選を3位で通過し、決勝トーナメントを迎えた。決勝の舞台で対戦するは予選1位の専大。一進一退の攻防が続き、いざ勝った方が優勝となる大将戦に。「負けるわけにはいかない」と臨んだ二見颯騎(スポ3=東京・足立新田)が反応良くはたきこみで相手を沈めると、悲願の優勝を決めた。また、個人戦トーナメントでは、主将の長谷川聖記(スポ4=愛知・愛工大名電)ら3人が2日目のトーナメント戦へと駒を進めた。

 今年度のBクラス団体戦は、まず予選で3校と戦い、その成績に応じて決勝トーナメントが組まれるという方式がとられた。初戦の東大戦では4勝1敗という好調の滑り出し。続く国士大と防衛大では5戦5勝という完封勝利だった。それぞれの取組を見ても、立ち合いから電車道で持っていく相撲もあり、内容の充実ぶりが伺えた。その勢いのもと、決勝トーナメントも勝ち進んだ。優勝が見え始めたトーナメント準決勝。ここで遂に予選を全勝で勝ち上がってきた法大と対戦することに。それでも先鋒の栗田余裕(スポ1=新潟・海洋)や二陣の土屋和也(スポ1=静岡・海洋)の幸先良い連勝のまま4連勝を飾る。最後の大将戦こそ相手の立ち合い変化で1敗を喫したものの、手堅く決勝進出をつかんだ。

 迎えた決勝戦。ここまでの流れに乗りたいところだったが、さすがは予選1位通過の専大。ここまで無敗できていた好調の土屋と浅田大介(社4=石川・金沢学院)に初めて土がつく。一進一退の攻防が続くなか、最後の望みは大将の二見に託された。そんな状況でも、いたって冷静だった。「相手の攻めにも冷静に対処して、落ち着いて相撲を取れていた」。相手が良く見えていた二見は、相手の足がそろうと反応良くはたきこみ。優勝が決まったその瞬間、すぐさま後ろを振り向き、チームにガッツポーズを見せた。


表彰式後の早大相撲部

 団体戦で優勝を飾った勢いそのままに個人戦へ。突きからの攻めを起点に、押しでも組みでも相手を寄せ付けなかった長谷川。立ち合いの威力そのままに『激しい相撲』で圧倒した栗田。安定感のある動きで追い込み、投げ技で相手を転がし続けた業師の土屋。3人がトーナメントを勝ち進み、2日目のトーナメントへとつなげた。

 見事、団体戦の初陣を優勝という形で終えた。目標としていた『Bクラス優勝そしてAクラスベスト8以上』。一つは成し遂げた。さらにもう一つの目標へ。2日目こそ早大相撲部の真価が問われる大事な一日となりそうだ。

(記事 大貫潤太、写真 早稲田大学相撲部提供)

結果

団体戦

Bクラス予選

予選1回戦 対東大 4勝1敗

先鋒 ●栗田弐段(上手投げ)須山選手

二陣 ◯土屋弐段(押し出し)小山選手

中堅 ◯長谷川参段(突き出し)益田選手

副将 ◯浅田参段(押し出し)松本選手

大将 ◯二見弐段(不戦勝)佐賀選手

予選2回戦 対国士大 5勝

先鋒 ◯栗田弐段(押し出し)小原初段

二陣 ◯土屋弐段(押し出し)森屋選手

中堅 ◯長谷川参段(寄り切り)八木初段

副将 ◯浅田参段(押し出し)藤本選手

大将 ◯二見弐段(寄り切り)山野井選手

予選3回戦 対防衛大 5勝

先鋒 ◯栗田弐段(押し出し)細井選手

二陣 ◯土屋弐段(押し出し)田内選手

中堅 ◯長谷川参段(突き倒し)鈴木参段

副将 ◯浅田参段(押し出し)森四段

大将 ◯二見弐段(寄り切り)平山四段

※予選3位通過

団体Bクラス決勝トーナメント

準々決勝 対国士大 5勝

先鋒 ◯栗田弐段(押し出し)小原初段

二陣 ◯土屋弐段(押し出し)齋藤選手

中堅 ◯長谷川参段(押し出し)八木初段

副将 ◯浅田参段(押し出し)藤本選手

大将 ◯二見弐段(寄り倒し)山野井選手

準決勝 対法大 4勝1敗

先鋒 ◯栗田弐段(寄り倒し)橋本弐段

二陣 ◯土屋弐段(送り出し)松浦初段

中堅 ◯長谷川参段(押し出し)小湊参段

副将 ◯浅田参段(押し出し)福田弐段

大将 ●二見弐段(はたきこみ)一佛弐段

決勝 対専大 3勝2敗

先鋒 ◯栗田弐段(押し出し)甲斐初段

二陣 ●土屋弐段(肩透かし)大橋選手

中堅 ◯長谷川参段(寄り倒し)山本参段

副将 ●浅田参段(寄り倒し)工藤弐段

大将 ◯二見弐段(はたきこみ)志戸初段

※団体Bクラス決勝トーナメント優勝

個人戦

長谷川聖記(スポ4=愛知・愛工大名電)

二回戦 ◯対福井弐段(明大)上手投げ

三回戦 ◯対志戸初段(専大)引き落とし

※2日目のトーナメント進出

浅田大介(社4=石川・金沢学院)

一回戦 ●対有川参段(大東大)押し出し

二見颯騎(スポ3=東京・足立新田)

一回戦 ◯対吉村弐段(大東大)押し出し

二回戦 ●対甲斐初段(専大)押し出し

栗田裕有(スポ1=新潟・海洋)

一回戦 ◯対西田選手(防衛大)押し出し

二回戦 ◯対松本選手(東大)押し出し

三回戦 ◯対山本参段(専大)押し出し

※2日目のトーナメント進出

土屋和也(スポ1=静岡・飛龍)

二回戦 ◯対八木初段(国士大)上手投げ

三回戦 ◯対神弐段(明大)上手投げ

※2日目のトーナメント進出

 

 

コメント

浅田大介(社4=石川・金沢学院)

――Bクラス団体優勝おめでとうございます。今のお気持ちは

 数年振りのBクラス団体優勝だったので、とても嬉しいです。次のAクラス予選に向けても良いスタートダッシュがきれたと思っています。

――団体戦初戦、勝てばチームの初勝利につながる一戦でした。どのような心境で臨まれましたか

 特にそういったことは考えておらず、いつもの相撲を取ることだけを考えていました。

――団体戦では予選から数えて6戦5勝の活躍でした。ご自身の何が良かったと思いますか

取りこぼさないように丁寧かつ、思い切りいけたのが良かったと思ってます。ですが正直、全勝したかったので悔しいです。

――今大会、とても落ち着いている印象を受けました。気持ちの面では余裕をもって取れましたか

 自分的にはすごく緊張していたのですが、その緊張が良い方向に働いてくれたのかなと思ってます。

――明日に向けて意気込みをお願いします

この流れを大切にして、このまま予選を通過していけるように頑張ります。

二見颯騎(スポ3=東京・足立新田)

――Bクラス団体戦優勝おめでとうございます。今のお気持ちは

素直にうれしいです。大将戦で勝つことができて、本当に良かったと思います。

――決勝トーナメント決勝戦、勝てば優勝が懸かる一番でした。どのような思いで土俵に上がられましたか

緊張はしていましたが、2対2の大将戦だったので、負けるわけにはいかないなという気持ちで上がりました。

――決勝戦の相撲内容についてご自身の言葉で振り返ってみていただけますか

 振り返ってみると、相手の攻めにも冷静に対処して落ち着いて相撲を取れていたと思います。

――大会を終えて、室伏渉監督(平6人卒=東京・明大中野)と部員の皆さんは何かお話しされましたか

 監督も部員もみんなが良かったと言ってくれました。10年ぶりのBクラス優勝ということで、本当に喜んでくれました。

――明日に向けて意気込みをお願いします

この優勝した勢いに乗って明日は相撲を取りたいと思います。1部昇格を目指して頑張ります