全国的なフィーバーとなったカープ旋風のど真ん中にこの男はいた。広島に戻って2年目の今季、プロ18年目を迎えたベテランは、若手が躍動するチームの中でも負けない存在感で中軸に君臨した。 開幕当初は6番打者として起用される中で打撃絶好調。4月5日…

全国的なフィーバーとなったカープ旋風のど真ん中にこの男はいた。広島に戻って2年目の今季、プロ18年目を迎えたベテランは、若手が躍動するチームの中でも負けない存在感で中軸に君臨した。
 開幕当初は6番打者として起用される中で打撃絶好調。4月5日のヤクルト戦で、今季1号弾含む4安打4打点の活躍を見せると、4月19日のDeNA戦からは主に4番打者に据えられた。迎えた同26日のヤクルト戦では、第二打席で成瀬善久からツーベースを放ち、NPB史上47人目となる通算2000安打を達成。大記録を達成したあとも調子は落とさず、首位を走るチームをガッシリと支えていく。
5月、6月とともに3割近いアベレージをキープすると、圧倒的な力をみせたのが7月だった。39歳のベテランながら、夏場の疲れは一切見せず、むしろギアを上げ、7月2日から19日にかけて起用された10試合で計7本塁打をマーク。18日の中日戦では、チーム今季7度目となるサヨナラ勝ちを自らのアーチで決めた。月間打率は実に.443。惜しくも、横浜DeNAの筒香嘉智が、彼を上回るペースでアーチを量産していたために月間MVPに選ばれることはなかったが、カープ25年ぶりのリーグ優勝へ向けた“勝負の夏”を牽引した存在のひとりであるのは言うまでもない。
 8月には史上42人目となる通算300号本塁打も達成。衰えるどころか若返ったかのような打棒で活躍を続け、シーズン終盤には打点王争いにも加わった。先日発表されたベストナインに続き、この度、シーズンMVPも受賞。記憶に残る活躍ぶりで、鯉党の脳裏に背番号25の存在を強く焼き付けたシーズンだった。