世界ランキング7位で、女子テニスのトップ25選手中最年少である20歳のビアンカ・アンドレスク(カナダ)は、2020年シーズン中の大会出場を見送り、2021年1月から改めて始動すると決めた。Te…

世界ランキング7位で、女子テニスのトップ25選手中最年少である20歳のビアンカ・アンドレスク(カナダ)は、2020年シーズン中の大会出場を見送り、2021年1月から改めて始動すると決めた。Tennis World USAが報じた。【動画】19歳にて初グランドスラム優勝のアンドレスクアンドレスクは「全仏オープン」を棄権しているため、この知らせは予想されていた。怪我明けで今季再び試合に出場する準備ができず、来年の復帰に向けてあらゆる準備をするようだ。

新型コロナウィルスの大流行によるルール変更のおかげで2019年のランキングポイントが今も有効であるため、アンドレスクは現在のランキングを維持している。復帰後に大きな大会での勝利やタイトル獲得を狙うためには絶好の立場であり、アンドレスクは万全の状態で試合に出ることを切望している。

カナダのミシサガ出身であるアンドレスクは、昨年11月に中国の深センで行われた「WTAファイナル・深セン」で膝に深刻な怪我を負い、2020年は一度も大会に出場していない。

2018年の「全米オープン」では、当時世界208位であったアンドレスクは予選1回戦でオルガ・ダニロビッチ(セルビア)に敗れた。だがその後「BNPパリバ・オープン」と「ロジャーズ・カップ」を制し、「マイアミ・オープン」で負った肩の重い怪我を克服したアンドレスクは、翌年の「全米オープン」に優勝候補の1人として臨んだ。

2019年に世界15位で「全米オープン」本戦に初出場したアンドレスクは、7人の対戦相手を倒して優勝、カナダ人初のグランドスラム覇者となった。決勝では、同大会で6度優勝しているセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)を1時間39分の試合の末に6-3、7-5で破った。

アンドレスクは初出場で「全米オープン」を制した初めての選手となり、またグランドスラム4度目の出場で優勝を果たしたのは、1990年に「全仏オープン」で優勝したモニカ・セレス(ユーゴスラビア)以来であった。

10代で「全米オープン」決勝に進出したのは2009年のカロライン・ ウォズニアッキ(デンマーク)以来であったが、アンドレスクはさらに1歩進んで優勝トロフィーを掲げ、2006年に「全米オープン」を制したマリア・シャラポワ(ロシア)以来となる十代でのグランドスラムチャンピオンとなった。

3月にマイアミで負ったひどい怪我のこと、そして「全米オープン」優勝を果たしたこともあり、アンドレスクは2019年の残り期間は出場ペースを落とし、初出場の年間最終戦、「WTAファイナル・深セン」でシーズンを終えることとなった。だがその大会で、シモナ・ハレプ(ルーマニア)との試合ではマッチポイントを握りながら勝ちを逃し、続くカロリーナ・プリスコバ(チェコ)との対戦で膝を痛めてしまった。この怪我により、アンドレスクは現在まで試合から離れている。

何度か試みたものの、2020年中に復帰を果たすことはできず、アンドレスクは来シーズンにより良い状態で試合に戻れるよう努めている。来年の「東京オリンピック」出場は彼女の目標の一つだ。

「難しい決断でしたが、今年のクレーコートの大会への出場は見送り、今シーズンの残りの期間は大会に出場せず、自分の健康とトレーニングに集中することにしました。この結論に至るのは辛かったけれど、2021年には楽しみなことがたくさんあり、オリンピックもその一つです。この期間に自分を高め、これまで以上に強く、良い状態で復帰できるようにしたいと思います」とアンドレスクは語った。

(テニスデイリー編集部)

※写真は2019年「全米オープン」でのアンドレスク

(Photo by Tim Clayton-Corbis/Getty Images)