「全仏オープン」(フランス・パリ/9月27日~10月11日/クレーコート)で、5年連続のベスト16入りを果たしたドミニク・ティーム(オーストリア)。試合後の記者会見で、前日デニス・シャポバロフ…

「全仏オープン」(フランス・パリ/9月27日~10月11日/クレーコート)で、5年連続のベスト16入りを果たしたドミニク・ティーム(オーストリア)。試合後の記者会見で、前日デニス・シャポバロフ(カナダ)が受けた疑惑の判定に触れ、クレーコート大会への自動ライン判定システム「ホークアイ」導入の必要性を訴えた。【トーナメント表】全仏OP男子シングルス【実際の映像】超重要ポイントでの「疑惑の判定」にシャポバロフ抗議

通常テニスの大きな大会では、「ホークアイ」や「FOXTENN」といった自動ライン判定システムを使ったチャレンジ(判定に異議がある場合、機械による再判定を求めることができる制度)の権利が認められている。しかしクレーコートの試合では、「ホークアイ」などを導入していても「ボールの跡が残る」として、伝統的にチャレンジは認められていない。

しかし、現地1日のシャポバロフ対ロベルト・カルバレス バエナ(スペイン)の試合では、第5セットゲームカウント5-4、シャポバロフのサービング・フォー・ザ・マッチという重要な場面での判定が物議を醸した。

相手のボールがアウトだと思ったシャポバロフは、インと判定され抗議。ボールの跡が違うと主張したが、判定は覆ることはなく失点。そこで集中力が切れてしまったシャポバロフは、簡単なミスを連発して土壇場でブレークバックを喫し、最終的に5時間の死闘を敗れた。

そのことに関連して質問されたティームは「僕はクレーでのホークアイ導入について、100%賛同したい。昨日のデニスとロベルトの試合ではミスがあったし、実際今日の僕の試合でも僕の方に有利に働いたミスはあったからね」と話した。

「というより、ボールの跡が見えないだけということもあるから、審判のミスではないんだ。特にセット間の休憩後は、コート整備でラインをブラッシングされているのでとても難しい。ボールの跡がどこから始まっているのか見るのは、ほぼ不可能なんだ」

その上で、シャポバロフやステファノス・チチパス(ギリシャ)らと同様に、ティームも「ホークアイ」の導入を求めた。

「ホークアイがクレーコートにもあったら、誰にとっても公平になると思う。だから導入すべきだと思うよ」「来年はすべてのクレーコート大会で導入されることを願っている」

クレーコートでのチャレンジは、今年から「ATP500 リオデジャネイロ」など一部の大会で試験的に運用されている。今後「全仏オープン」を含むすべてのクレーコートで運用されることが期待される。

(テニスデイリー編集部)

※写真は「全米オープン」でのティーム

(Photo by Matthew Stockman/Getty Images)