27日から開催されている「全仏オープン」(フランス・パリ/9月27日~10月11日/クレーコート)。通称ローランギャロスと呼ばれるこの大会で、トーナメントディレクターを務めるギ・フォルジェ氏が…

27日から開催されている「全仏オープン」(フランス・パリ/9月27日~10月11日/クレーコート)。通称ローランギャロスと呼ばれるこの大会で、トーナメントディレクターを務めるギ・フォルジェ氏が、WOWOWテニスアンバサダーである伊達公子さんのインタビューに答え、日程を変更してまで開催し、有観客にこだわった理由などを語った。【実際の写真】飛行機の羽をイメージしたセンターコートの屋根【トーナメント表】全仏OP男子シングルス【3択クイズ・10問】全仏オープンについてどれだけ知っている?

Q.「全仏オープン」が開幕しましたが、今のお気持ちは?

「正直言って、かなり(準備が)大変でしたね。一番イライラしたのは観客数で、決まりそうになる度に突然減らされました。やっと政府からOKが出て、(1日あたり)『11,000人なら観客がいないより良い』となって」

「すると同じ担当者が2週間後には『やっぱりダメだ、5,000人だ』と言われて。そして予選の3日前には『5,000人ではなく、1,000人だ』と言われました。その対応が大変でしたよ」

Q.観客を入れようとこだわった理由は?

「まずテニス界は(経済的に)四大大会で成り立っていることを理解する必要があります。私たちはフランスの何百人もの選手や人々に仕事を提供している。フランステニス協会の(運営資金の)85%は、ローランギャロスに頼っています。だから会長は何があってもローランギャロスを救う必要がありました」

「唯一大会の開催が可能だったのが9月末で、日程を変えて私たちは多くの批判を浴びました。それでも今は3,800万ユーロ(約47億円)の賞金を予選出場者・女子・男子に出しています。大会が開催しているからです」

Q.今年から設置されたセンターコートの開閉式の屋根や、会場の変更点について教えてください。

「ローランギャロスは屋外の大会で、インドアのアリーナではありません。屋外の大会ですから、屋根を閉じても自然に空気が入ります。もちろん、ほとんど風は無いけれど、スタジアムは閉じ切ってはいない。11枚の飛行機の羽をイメージした屋根です。ローランギャロスは飛行家でしたからね」

※ローランギャロスは元々、世界で初めて地中海横断飛行に成功したパイロットの名前

「私たちはローランギャロスの多くの部分を変えてきました。400万ユーロ(約5億円)を使って改修して、スタジアムの客席の石を変えたり、今年は日没が早くて暗くなるから照明も付けることにしました。多くの施設を選手のために改善してきました。私はそれを誇りに思っています」

(テニスデイリー編集部)

※為替レートは2020年10月1日時点

※写真は「全仏オープン」でのナダル

(Photo by TPN/Getty Images)