開幕カードの明大戦を1勝1分で終え、勝ち点(ポイント)1.5とした早大。今週末に相まみえるのは、今春覇者・法大だ。0が、「リーグ戦(東京六大学秋季リーグ戦)全体でのターニングポイント」と語るように、このカードの勝敗が優勝の行方に大きく影響…

 開幕カードの明大戦を1勝1分で終え、勝ち点(ポイント)1.5とした早大。今週末に相まみえるのは、今春覇者・法大だ。0が、「リーグ戦(東京六大学秋季リーグ戦)全体でのターニングポイント」と語るように、このカードの勝敗が優勝の行方に大きく影響する。強敵を打ち破り、10季ぶりの賜杯をたぐり寄せたい。


1回戦の先発が予想される法大・鈴木

 法大の最大の強みは、プロからも熱視線を送られる先発陣だ。1回戦の先発が予想されるのは、鈴木昭汰(4年)。今春は制球を乱す場面が見られたが、開幕カードの東大戦では、140キロ中盤の速球と多彩な変化球を両サイドに投げ分け、8回途中2失点と好投した。2回戦の先発は、高田孝一(4年)が濃厚。早大相手には、通算6試合で2勝0敗、防御率1.47を記録しており、早大キラーと言ってもよい投手である。常時150キロ前後のスピードを連発する直球が最大の武器であり、今春の対戦でも早大打線を7回途中1失点と苦しめた。万全の状態であれば、両者ともに打ち崩すことは容易ではない。救援陣も、今春ブレークした山下輝(3年)、経験豊富な三浦銀二(3年)、期待のルーキー尾﨑完太と多士済々な顔ぶれ。強力投手陣で早大打線を抑え込みにかかるだろう。

 迎え撃つ早大打線。明大1回戦では、つながりを見せて7得点を奪ったが、2回戦では、序盤の好機で『あと一本』が出ずに、初回の3得点のみに終わった。法大投手陣は強力なだけに、少ないチャンスをものにすることがより重要になる。注目は、明大1回戦で3打点を挙げた0、2回戦で3ランを放った0の3年生コンビ。明大戦では共に力のある直球を捉えただけに、速球派がそろう法大投手陣相手にもその力を発揮したい。また、明大戦では無安打に終わった切り込み隊長・0の復調も勝利に向けては欠かせない。


明大2回戦で3ランを放った丸山

 一方の法大打線も、好打者が並ぶ。中でも、今春の首位打者・永廣知紀(4年)、主将の中村迅(4年)、長打力が武器の村田雄大(4年)と続く2、3、4番は強力だ。特に3番を任される中村には警戒を強めたい。通算安打の半分以上を長打が占める一方で、今春は打率.316を記録するなど確実性も兼備する。今季も2試合連続で安打を放ち、順調なスタートを切った。また、4番を任される村田は、今春は打率1割台と苦しんだものの、今季は2試合連続で打点を挙げており、好調さがうかがえる。永廣を含むこの強力上位打線を抑えることが、早大勝利への大きなポイントになる。

 対する早大投手陣も充実の顔ぶれだ。1回戦の先発が予想されるのは、0。開幕カードの明大戦では、17奪三振1失点完投と圧巻の投球を披露した。今春の覇者相手にも、同じような投球を見せ、チームに勝利をもたらしたい。そして、注目が集まるのは2回戦の先発だ。明大戦では、夏場に右肩の不調を訴えた0に代わり、0が務めた。だが、右肩の状態が良好であれば、徳山が先発を務める可能性が高い。今春の法大戦では7回1失点(自責点0)に抑えており、その再現に期待がかかる。徳山が先発を外れる場合は、明大戦同様に西垣の先発が濃厚だ。明大戦では課題としてきた2巡目以降も踏ん張りを見せ、5回1失点と試合をつくった。今カードでも安定したゲームメークを見せ、救援陣にバトンをつなぎたい。その救援陣の注目は0。山下にとって法大は、リーグ戦デビューなった今春に2回4奪三振を奪うなど、相性の良い相手だ。明大2回戦で同点打を浴びた悔しさを晴らす投球を見せられるか。


今春の法大戦で好投した山下

 両校共に投手陣が強力なだけに、ロースコアの展開が予想されるこのカード。だからこそ、ピンチであっても自分の投球をすること、好機で『あと一本』を放つことがより一層重要になる。これらは今春の法大戦勝利、ひいては優勝を逃した要因であり、今夏に強化してきた点でもある。そのため、法大戦は早大の真価が問われる試合だと言える。リーグ戦前半の最大の山場を制し、優勝に前進できるか。負けられない戦いの火ぶたが、まもなく切られる。

(記事 杉﨑智哉、写真 池田有輝、大島悠希)

東京六大学秋季リーグ戦星取表
順位 明 大法 大慶 大早 大立 大東 大勝ち点
明 大  ●1-7
△3-3
◯9-4
◯9-3
 2.5
法 大    ◯4-2
◯10-1
慶 大    ◯3-0
◯8-3
早 大◯7-1
△3-3
    1.5
立 大●4-9
●3-9
    
東 大 ●2-4
●1-10
●0-3
●3-8