チャレンジャーとしての戦いが幕を開ける。10月1日から無観客で日本学生選手権(以下インカレ)が開催される。5連覇を懸けて臨んだ昨年度は日大に敗れ、王座を陥落。もう一度、頂点へ。〝Rerise〟する時が来た。 総合優勝への第一歩として欠かせ…

 チャレンジャーとしての戦いが幕を開ける。10月1日から無観客で日本学生選手権(以下インカレ)が開催される。5連覇を懸けて臨んだ昨年度は日大に敗れ、王座を陥落。もう一度、頂点へ。〝Rerise〟する時が来た。

 総合優勝への第一歩として欠かせないのが、2日目の400メートルフリーリレーだ。「優勝すれば3日目、4日目とチームに勢いがつく」(佐野秀匡監督)。現在4連覇中の同種目。昨年度のインカレで決勝を任された市川光太(情コミ3=明星学園)や井元秀哉(法3=湘南工科大付)、そして溝畑樹蘭(政経4=報徳学園)と戦力は充実している。リレーランキング(9月16日現在)では中大、日大を差し置いて1位にいるため、確実に優勝を勝ち取りたい。

 また同じく2日目の400メートル自由形には中島涼(政経3=札幌大谷)が出場。前回は6位で惜しくも表彰台を逃したものの、現在の個人ランキング(9月16日現在)4位に。表彰台入りのチャンスは十分にある。

 4年生の活躍がカギとなるか。「総合優勝には4年生が表彰台に乗ることが一番大事になる」(佐野監督)。虎視眈眈(こしたんたん)と狙うのが4日目の400メートル個人メドレーにエントリーする本庄智貴(商4=埼玉栄)主将だ。一時はケガで出場自体も危ぶまれたが「自分史上一番の調子に戻ってきている」と準備は万全。最後のインカレで有終の美を飾りたい。

 また、ここ数年、明大勢は平泳ぎでの表彰台が遠ざかっていたが、今年度は永島諒(商4=湘南工科大付)が昨年度から大幅にタイムを更新し、200メートル平泳ぎで個人ランキング2位に。平泳ぎ種目は優勝を争う日大との差を埋めるチャンスでもあり、なんとしても表彰台を勝ち取りたいところだ。

 宿願を果たせるか。3日目の200メートル個人メドレー、4日目の100メートル自由形には溝畑がエントリー。特に200メートル個人メドレーは昨年度の日本選手権で2位に入るなど、日本トップレベルの実力を誇るものの、インカレでの優勝はまだ一度もない。個人2種目、さらにリレー種目と昨年同様に厳しい戦いを強いられるが、個人種目で2冠を達成すれば総合優勝に拍車が掛かるのは間違いない。

 

 ワンツーフィニッシュの期待がかかるのが4日目の100メートル背泳ぎに出場する中西晟(営4=呉港)とインターハイ王者・松山陸(商1=春日部共栄)だ。中西は前回のインカレで4位とあと一歩のところで表彰台を逃しており、リベンジに燃える。両者とも自己ベストでは優勝を狙える位置にいるため、順当にいけば明大勢での金銀独占も夢ではない。

 新型コロナウイルスの影響で4月から活動が休止となり、練習が再開できたのが6月下旬。満足に練習が積めていないのは事実だ。さらに日本選手権を含むほぼ全ての大会が中止に。例年と比べて大会での経験不足も否めない。しかし「今までやってきたことを出せばいいだけ。マイナスになることは1ミリもない」(佐野監督)と下を向く者はいない。「みんなの思いを背負って、最後は天皇杯を掲げたい」(本庄主将)。王座奪還に向けて、紫紺スイマーたちの決意は固い。

[岩田純]