26日、男子テニス世界51位の西岡良仁(日本/ミキハウス)が、オンラインテニス教室「N論」を開催。第4回となった今回は「西岡流・最強のコンディショニング(調整法)」と題して、テニスを真剣に取り組んでいる小学生〜大学生を中心に、テニス関連団体…

26日、男子テニス世界51位の西岡良仁(日本/ミキハウス)が、オンラインテニス教室「N論」を開催。第4回となった今回は「西岡流・最強のコンディショニング(調整法)」と題して、テニスを真剣に取り組んでいる小学生〜大学生を中心に、テニス関連団体、指導者、メディアら約130名が集まって語り合った。【前回のレポート】西岡良仁のメンタル論。「劣勢の時にどうしたらいいか?」への回答

「N論」とは、1人でも多くの若者が夢に向かって飛び出していくために、西岡を中心として多くの人がつながって自由に語り合い、学生たちが切磋琢磨していく場。西岡が一方的に話しかけて伝えるのではなく、参加者と語り合う双方向のコミュニケーションが一つの特長だ。「N論」は学生たちに、誰かをサポートする「チャリティーマインド」を持ってもらいたいという趣旨もあり、チャリティーで行われている。

今回は「全仏オープン」開幕前日ということで、フランス・パリでまさに試合に向けて調整中の西岡と日本、その他にもアメリカやドイツなどからの参加者を繋いで、試合初戦を迎えるにあたっての調整の仕方について語り合った。

■初戦へ向けた具体的な準備

プロの世界でも大会初戦が一番大変で、シード選手に勝つのも1回戦が最も可能性が高いと言われるほどだという。1回戦で勝った後なら、流れと勢いがつくが、初戦は感覚が掴めていない状態で臨むことになるからだ。

そこで大事なのは、いかに試合を想定して練習できるか、こういうタイプの対戦相手ならこのパターンでポイントを奪うといったイメージをして練習できるかだという。

プロの場合は相手の情報が得やすいため、強み弱み・プレースタイルを分析し、どうやってポイントを奪うかの作戦を事前に練っている。そして大事なのは、試合が始まるまでに「自分はスタートからこうプレーする」というのを明確に決めてから臨むことだと西岡は語る。明確に作戦を持つことで気持ちにも余裕ができるという。

その作戦の練り方の勉強方法も教えてくれた。それはプロの試合をテレビ観戦する際に、「この選手はどうやってポイントを取っているのかを観察する」こと。そして「こういう展開を作れば、この選手からポイントを取れるんじゃないかと自分で考える」こと。これが「めちゃくちゃ大事」でイメージを持つだけでも充分だと西岡は強調した。

また試合前日は1時間のみで練習で切り上げるという。それまでにしっかり調整するスケジュールを組んでいるため、前日は疲れないように、やりたい調整だけを行って良いフィーリングを掴んで、翌日に備えるという。これは西岡だけでなく、プロの多くはそうだろうと語った。

■試合当日も普段通りの生活スタイルで

試合の日だから特別なルーティンを持つというわけではなく、「通常の生活で普段通りやっていることを、何変わらず試合でやる」ことが一番大事なルーティンだと思っていると西岡は語る。直前の練習も同じで、普段練習では打たないけれど試合の日だからやるというのは必要ないという。だからこそ、普段の練習から試合を意識することが重要なのだろう。

また試合が始まる20~30分くらい前から、一つ前の試合の勝っている方が第2セットで2・3ゲーム取ったあたりからウォーミングアップを始めているという。

この日「N論」が行われたのは、パリ時間のなんと朝8時。自身の試合が迫る大事なタイミングだが、学生たちのために貴重な時間を割いてくれ、「N論」終了後には練習へ直行した。西岡は「全仏オープン」1回戦で、第19シードのフェリックス・オジェ アリアシム(カナダ)と対戦する。その注目の初戦は大会2日目、日本時間28日18時から開始予定。

「N論」は単なるオンラインイベントではなくコミュニティであり、今後も定期的に、そして規模を拡大して開催予定だ。

(テニスデイリー編集部)

※写真は「N論」での西岡良仁