前期最終節は桐蔭横浜大との一戦。前半29分に先制点を決めるが、セットプレーから2失点を喫し逆転を許す。後半34分には小林の同点弾が飛び出すも、そのまま試合終了。2―2のスコアドローで前期を折り返した。 勝利をものにできなかった。29分、岡庭…

前期最終節は桐蔭横浜大との一戦。前半29分に先制点を決めるが、セットプレーから2失点を喫し逆転を許す。後半34分には小林の同点弾が飛び出すも、そのまま試合終了。2―2のスコアドローで前期を折り返した。

 勝利をものにできなかった。29分、岡庭のクロスに佐藤凌が頭で合わせ、先制に成功。しかし先制後は「小柏や佐藤凌は徹底的なマークをされた」(栗田大輔監督)。2人の絶対的ストライカーを中心に封じ込まれ、なかなか好機をつかめず。そして40分、71分にはともにセットプレーから失点を喫し、逆転を献上。79分には途中出場の小林が土壇場のゴールを決め食らい付くも、最後まで相手の守備を剥がせず。2―2のままホイッスルが鳴り響いた。今節で前期は幕切れ。「勝たせられる点を取れなかった。(前期全節を振り返っても)大事な試合で得点を取れるFWになっていかないといけない」(佐藤凌)。最前線でプレーする攻撃陣にとって、兜の緒を締め直す一戦となった。

 

(先制点を挙げた佐藤凌を祝福する選手たち。喜びもつかの間だった)

 一方で原石も見受けられた。公式戦初出場ながら同点弾を浴びせた小林だ。持ち味である軽快なドリブルでゴール前まで持ち込みシュート。右足から放たれたボールはゴールネットに突き刺さった。2年次まで度重なるケガに悩まされ、なかなかトップチームに上がれずにいた。それでも「リハビリの中で、こういう舞台でやることを意識して取り組んできた」。時間を惜しまず虎視眈々(こしたんたん)と準備を重ね、今節を迎えた。「緊張せずに、自分が出たらやってやる」。有言実行とはまさにこのことだろう。しかし「勝たせられる選手になっていかなければ」と決しておごらず。沈着冷静な男の眼差しは、真っ直ぐ上を向いていた。

 

(同点弾と鮮烈なデビューを果たした小林)

 戦いはまだまだ続く。前期総失点は11。「年間の目標が20未満で例年の優勝ラインでもある。(前期折返しということで)半分の10を超えてしまい、目標を達成できなかった」と指揮官はこの結果にやや不満気だ。「選手は昨年度と比較しがちだが、例年の優勝ラインをしっかり取りにいくことが大切」(栗田大輔監督)。次戦はアミノバイタルカップが控える。目の前のことを見据え「一つ一つ階段を登れるような取り組みを」(栗田監督)。その先には、必ずタイトルを総なめにし『繋翔』を果たす日がやってくるはずだ。

[佐々木崚太]

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試合後のコメント

栗田監督

――前期の振り返りをお願いします。

 「勝ち点25を取れているというのは素晴らしいことだと思います。前期25、後期25取れれば総勝ち点50になるわけで、25を取ったのは良かったと思います。負けは2敗だけなので、あまりネガティブには考えていないです。しかしもっとプレーの精度だったり、一つ一つ階段を登れるような取り組みをしていかないとまだまだ甘いと感じています」

――途中出場で得点を取った小林選手の評価をお願いします。

 「3年間で初めてトップチームに上がって、今週初めて起用しました。彼の特徴の中で得点につなげられたのは自信にもなりますし、よかったと思います」

佐藤凌

――今節の振り返りをお願いします。

 「最終節で絶対に勝たなければいけない試合でした。結果として引き分けという形で勝ち点3を取れなかったというのは、チームとしてまだまだ甘さがあります。後期に向けて改善しなければいけない点だと思います」

――Jリーグ特別指定選手を受けました。

 「特別指定されましたけど、明治であと3ヶ月ぐらい、チームに尽くすことが大事だと思っています。しかし、されたということはそれなりの自覚と責任は伴いますし、そういった面では努力しないといけないです。それなりの自覚を毎試合見せていかなければいけませんね」

小林

――公式戦デビューを果たしましたが、持ち味は生かせられましたか。

 「シュート決めたところは自分の持ち味を出せたと思うんですが、その他の面では行ききれてなかったり、タイミングを外しているところがまだまだありました。そこを練習で今後やっていきたいと思います」

――リーグ戦優勝へ向けて意気込みをお願いします。

 「負けは許されないので、勝利という形に向けて練習からしっかり突き詰めて優勝を狙っていきたいと思います」