テニスの世界ランキング3位であるドミニク・ティーム(オーストリア)は、「全米オープン」で優勝。1990年代生まれの選手として、初めてグランドスラムの栄冠を手にしたのだ。27歳のティームは今後どこまで上位2人との差を詰めることができるのか。T…

テニスの世界ランキング3位であるドミニク・ティーム(オーストリア)は、「全米オープン」で優勝。1990年代生まれの選手として、初めてグランドスラムの栄冠を手にしたのだ。27歳のティームは今後どこまで上位2人との差を詰めることができるのか。Tennis World USAが報じた。【動画】新王者として風格!ティームのスーパープレー集vsズベレフ/全米OP男子決勝

9月13日の日曜日にニューヨークで偉業を達成した後、ティームは火曜日にウィーンに帰った。数日休みを取って、週末には練習のためコートに戻るという。今週の「ATP1000 ローマ」にも来週の「ATP500 ハンブルク」にも出場しない。パンデミックによるテニスの中断後、クレーコートでの実戦を一試合もせずに、翌水曜日には「全仏オープン」(フランス・パリ/9月27日~10月11日/クレーコート)のためにパリに向かう予定だ。

そんな状況でもティームは「全仏オープン」に向けて自信があり、アキレス腱にも筋肉にも痛みはないという。ティームは過去4年連続で同大会準決勝に進出。2018年と2019年にはいずれも決勝でラファエル・ナダル(スペイン)に敗れた。

「全米オープン」でティームは7試合を勝ち抜いてタイトルを獲得した。初戦と2回戦では1セットも落とすことなく、3回戦では2014年のチャンピオンであるマリン・チリッチ(クロアチア)に4セットで勝利。続いて若手のフェリックス・オジェ アリアシム(カナダ)とアレックス・デミノー(オーストラリア)を、どちらもストレートで退けて準決勝に進出。

準決勝では、昨年の準優勝者ダニール・メドベージェフ(ロシア)に握られた8つのブレークポイントのうち6つをしのぎ、自らはメドベージェフのサービスを4回ブレークして、6-2、7-6(7)、7-6(5)の接戦をものにした。

この試合でメドベージェフはティームより多くウィナーを打っていたが、アンフォーストエラーが多過ぎた。ティームは第2・第3セットでいずれも3-5とリードされたが冷静さを失わず、タイブレークに持ち込んで、結果的にはまたしてもストレートで勝利したのだ。

そして決勝では、今年の「全豪オープン」準決勝の相手であったアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)と対戦。ズベレフは最初の2セットを奪い、最終セットでもサービング・フォー・ザ・チャンピオンシップのチャンスがあった。

2セットを先取され2セットを取り返したティームだったが、最終セットではけいれんで足を引きずるシーンもあった。そして第8ゲームをズベレフがブレークし、優勝を目前にしたのだ。だがズベレフはプレッシャーに圧し潰されたかのように次のゲームでブレークバックを許し、ファイナルセットはタイブレークにもつれ込んだ。

タイブレークでティームの6-4となった時、ズベレフは2度、チャンピオンシップポイントを防いだが、その後2ポイントを連取したティームが死闘を制した。

“ビッグ3”不在とはいえ、ライバルたちの誰もが渇望していたトロフィーを掴み取ったティーム。新たな自信を胸に、今季最後のグランドスラムでナダルやノバク・ジョコビッチ(セルビア)を脅かす存在となれるだろうか。

(テニスデイリー編集部)

※写真は「全米オープン」でのティーム

(Photo by Matthew Stockman/Getty Images)