大学日本一を決める大会に、5年ぶりに明大男子が挑戦した。1チーム3人のトーナメント方式で行われ、山邑祥次朗(営4=甲南)、山内俊瑛主将(理工3=明大明治)、田崎裕斗(商3=明大明治)が出場。しかし随所で全国の壁に圧倒され、初戦突破とはなら…

 大学日本一を決める大会に、5年ぶりに明大男子が挑戦した。1チーム3人のトーナメント方式で行われ、山邑祥次朗(営4=甲南)、山内俊瑛主将(理工3=明大明治)、田崎裕斗(商3=明大明治)が出場。しかし随所で全国の壁に圧倒され、初戦突破とはならず。一方で今後の課題など新たな発見もあり、実りある大会となった。

◆9・15~18 全日本学生男子王座決定戦、個人選手権(服部緑地陸上競技場)

▼9・16 予選ラウンド

 山邑――57位

 山内――59位

 田崎――67位

 玉川――94位

▼9・17 個人決勝ラウンド

 山邑――1回戦敗退

 山内――1回戦敗退

▼9・18 団体決勝ラウンド

 明大――9位タイ

 王座独特の雰囲気にのまれてしまった。試合が始まると、どのチームも大声で仲間を鼓舞する。その雰囲気に圧倒された山内は「自分はこんなに緊張に弱いのか」と悔しさをにじませた。田崎もまた、この極限の状況下で実力を発揮できず、終始表情を曇らせた。初戦でスコアを競った愛知産大には0―6のストレート負けを喫し、奮闘むなしく王座は閉幕した。課題として浮かび上がったのは「普段通りを出す難しさ」(玉川元喜・文4=明大中野)。全国の強豪が集まる大会で流れをモノにできず。また、5年ぶりの王座ということもあり「経験値の差が結果に響いてしまった」(玉川)。山邑前主将の下で掲げた〝史上最強〟のスローガンは後輩へ託されることとなる。

 「〝全国〟と言葉で言うより、実際にこの場に来て分かることがある」(田崎)。立ちはだかった全国の壁を前にして感じた経験の差。特に、緊張からペースが乱れてしまうことが最大の落とし穴となった。「練習を試合のように。試合を練習のように。まさにその通りだと感じた」(玉川)。大会を肌で感じたからこそ会得した改善点を部全体に還元し、山内を中心とする新たなチームの発展へ。「自分たちの代を超えてほしい」(山邑)と、先輩の思いが引き継がれる。

[村川拓次]

試合後のコメント

山邑

――王座決定戦を終えて、今の心境を教えてください。

 「(4年生部員で)今試合に来ているのは自分と玉川だけですが、同期は22人いて、自分たちが運営をしていくにあたり〝史上最強〟を掲げ、団体はベスト8を目指してやってきました。主将としてチームをまとめてきましたが、同期や後輩が協力して〝史上最強〟のために動いてきました。みんなで努力した結果が王座なので、多くの人に支えられたと思っています」

――試合の内容はいかがでしたか。

 「結果としてはストレート負けでした。でも自分が6本打った中で見ると8~9点に収まっているのは良かったです。最終射がXのど真ん中だったので、こうして必死に10年間努力してきた最後の1本が10点だったのはとても嬉しいです。長い時間掛けて大会に出るのはこれが最後になると思うと、寂しい部分もあります。アーチェリーがあって10年間楽しかったですし、自信など多くの部分を身につけられたので良かったです」

玉川

――王座を経験して感じたことはありますか。

 「アーチェリーの特質上、どれだけいつも通りにできるかが重要になります。その〝普段通り〟を出す難しさは勉強になりました。『練習を試合のように。試合を練習のように』とはよく言いますが、まさにその通りだし、練習の重要性を実感しました」

山内

――試合を振り返ってみていかがでしたか。

 「ここ最近試合がなかったのも関係してくると思いますが、緊張に関しては、自分はこんなに弱いんだと痛感しました。それを克服するために、試合にたくさん出て、経験を積んでいきたいです。後輩にも試合に出て経験を積んでほしいです。大きな大会だと、試合に出るだけで刺激を得られます。もちろん自分も大きな刺激を受けました。個人でも団体でも、強いチームは周りから見ても分かりました」

田崎

――王座の雰囲気を感じましたか。

 「この独特の雰囲気にのまれてしまいました。極限の状況下で自分の力を発揮できないのが自分の現時点での実力なので、今日の結果を受け止めて来年につなげたいと思います。ここに来て初めて経験できることがあると思います。言葉で〝全国〟と言うよりも、実際に体験して分かることもあります。自分の実力を過信せず、上には上がいることが分かりました。これからもっと経験を積んで、揺るぎない自信を付けないといけないです」