サッカーIQラボ 〜勝負を決めるワンプレー~Question縦へのランニングから、リーズはどうリバプールを崩した? 20…
サッカーIQラボ 〜勝負を決めるワンプレー~
Question
縦へのランニングから、リーズはどうリバプールを崩した?
2020-21プレミアリーグ第1節、リバプール対リーズ・ユナイテッド。昨季王者と17年ぶりにブレミアリーグに帰ってきた古豪の一戦は、大きな注目を集めた。
名将マルセロ・ビエルサ率いるリーズは、昨季チャンピオンシップ(実質2部)を制し、クラブ創設100年の節目に17年ぶりのブレミアリーグ昇格を決めた。そのスタイルはビエルサの色を濃厚に感じさせる。
マンツーマンのハードな守備でボールを奪うと、カルヴィン・フィリップスの美しいロングフィードを起点に、前線の選手がダイナミックにゴールへ襲いかかる高速カウンターは、勇敢で洗練されている。
そしてビエルサのチームは、どんな強敵にもいっさい怯まず真正面からぶつかり、必ずと言っていいほどエキサイティングな展開なる。この日もまさにそうだった。

エルデル・コスタの内側をアイリングが駆け上がる。このあと、リーズはどんな展開を見せただろうか
後半21分、3-3となった同点シーンだ。右サイドのエルデル・コスタがボールを持つと、ルーク・アイリングが駆け上がった。次のシーンでリバプールにどう隙が生まれただろうか?
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Answer
ファン・ダイクを釣り出して、中央にスペースをつくった
アイリングのインナーラップはリーズの勇敢さを象徴するとともに、リバプール守備陣に決定的な楔を打ち込むランニングだった。

アイリングの駆け上がりでできたスペースに、クリッチがさらに駆け上がり、パスを受けてゴールを決めた
エルデル・コスタの目の前を横切るように駆け上がったアイリングが目指したのは、リバプールの左サイドバック、アンドリュー・ロバートソンの背後だった。リバプールにとっては、そこにパスを通されてサイドを深くえぐられるとピンチになる。センターバックのフィルジル・ファン・ダイクが吊り出されるのは必然だった。
ファン・ダイクがペナルティーエリア中央という重要なエリアを空けてカバーに向かった一方、本来であればスライドするはずのジョー・ゴメスは動けなかった。目の前にいるロドリゴのマークを捨てられなかったのだ。仮に捨ててスライドしていれば、このスペイン代表FWへ決定的なクロスが入ったのは間違いない。
センターバックふたりの間に一瞬の隙が生まれた瞬間、マテウシュ・クリッチが鋭く駆け上がった。そして、右サイドで一連の流れを冷静に見極めたエルデル・コスタが、クリッチの足元へクロスを送ると、クリッチはワントラップから右足のシュートをゴールに突き刺した。
試合はシーソーゲームを繰り返し、3-4でリバプールに軍配があがった。しかし、昨季王者に対して強烈なインパクトを残す見事な一撃だった。