左翼へ本拠地1号、辻監督も高く評価「意外にスイングが強いから使っている」

■西武 4-3 ロッテ(15日・メットライフ)

 故障者続出の西武で、20歳の若獅子が名乗りを上げた。育成選手出身のプロ3年目、右投左打の高木渉外野手である。15日には本拠地メットライフドームで行われたロッテ戦に「6番・左翼」でスタメン出場し、“逆方向”の左翼席へ通算2号、本拠地では初の本塁打を放った。

 西武はこの日、0-3で3点ビハインドの7回、ロッテ先発の石川から先頭の山川が中前打を放ったが、続くメヒアが三ゴロ併殺打。チャンスの芽は、一瞬にして摘まれたかにみえた。しかし続く高木がカウント0-1から、2球目のツーシームをジャストミート。打球はギリギリ左翼フェンスを越え、スタンドに飛び込んだ。

 1打席目は左飛、2打席目は遊ゴロに倒れ、迎えた3打席目には「気分転換で」バットを替えて臨んでいた。ダイヤモンドを1周しベンチに戻ると、感謝の気持ちを捧げるかのように、打ったバットを両手で握りしめながら見つめていた。

 これが反撃ののろしとなった。チームは続く8回、先頭の代打・森の右翼線二塁打を足掛かりに、金子の中前適時打、スパンジェンバーグの11号2ランで逆転。勝利をものにしたのだった。辻監督は「無死一塁からの併殺打で、ムードが沈みがちなところで、高木が見事なソロ本塁打。あれで2点差となり、走者が1人出れば一発同点の状況になった。そういう意味で大きな一発だった」と褒め上げ、「あいつのいいところは、ああいう風に逆方向へも長打が出ること。意外にスイングが強いので、期待して使っている」と評した。

高木にある雑草のようなたくましさ、世代交代の風を吹かせるか

 西武は今季、不動のセンターだった秋山がメジャーへ移籍。右翼レギュラーの木村も腰を痛めて今月6日に登録を抹消された。左翼を守ることが多かった新外国人スパンジェンバーグも、中村が右手首を痛めて戦線離脱したことをうけて三塁へ回り、外野に穴が開いた格好になっている。

 そこへ数々の若手が入れ替わり登用されては、故障や不振で2軍へ戻っていった。いま最もレギュラーに近い高木は、育成ドラフト1位で福岡・真颯館高から入団。1年目のオフに支配下登録を勝ち取ったが、2年目の昨季の1軍成績は1打数無安打。6月6日の広島戦に代打で出て、二ゴロに倒れたのが全てだった。

 今季は8月11日に1軍に初昇格すると、翌12日から4試合連続スタメンで起用され、14日の楽天戦では3安打猛打賞の活躍だったが、右足首を痛めて16日に登録を抹消される不運。それでも腐らずに2軍で実績を積み、今月11日に再昇格を果たすと、この日まで再び4試合連続スタメン。その間12日にPayPayドームで行われたソフトバンク戦で、中堅バックスクリーンへプロ1号を放っている。

 プロ1年目は背番号121、現在も73という重い番号を付ける高木には、突き落とされて這い上がる、雑草のようなたくましさがある。新鋭が定位置をつかみ、チームに世代交代の風を吹かせるか。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)