約1年ぶりに開催された全国の舞台。コロナウイルスの影響により、2ヵ月ほどの延期を経た。明大は5人という少数でのエントリーになったが、塩島嵩一朗(法3=南大隅)がスプリントで2位。大きな存在感を発揮した。◆9・12~13 2020全日本学生…

 約1年ぶりに開催された全国の舞台。コロナウイルスの影響により、2ヵ月ほどの延期を経た。明大は5人という少数でのエントリーになったが、塩島嵩一朗(法3=南大隅)がスプリントで2位。大きな存在感を発揮した。

◆9・12~13 2020全日本学生トラック(泉崎国際サイクルスタジアム)

▼男子1キロメートルタイムトライアル

福地――6位

白尾――65位

▼男子スプリント

塩島――2位

荒川――5位

 慣れない種目で善戦を見せた。2本先取の男子スプリント決勝、塩島の相手は予選で学連新記録をたたき出した中野(早大)。国体やインカレで同種目優勝経験のある実力者を前に「前々で展開していこう」(塩島)。先行逃げ切りのプランを思い描いた。その思惑通り、2本とも塩島がリードを保つ展開に持ち込んだものの、やはりラストのキレは相手に軍配。同学年の圧倒的な馬力に後塵を拝す結果となった。

 高校時代はロード、入学後はチームスプリントやケイリンを本職に据えていた塩島にとって、同種目での全国大会出場は初めてのことだ。直前の1週間は全く練習を積めず「自転車と体のバランスが思うようにいかない」(塩島)状態の中で臨んだという今大会。実際に予選では位置取りを失敗し、バランスを崩して余計なタイムロスをした部分も。しかし結果として、底の無いポテンシャルと地力の高さを示す舞台にしてみせた。

 本来なら8月下旬に行われるはずだったインカレ(全日本大学対抗選手権)が中止になり、代替の大会が10月に開催される予定だ。短距離陣の目標はチームスプリントでの日本記録更新。昨年度日本新記録を出しながらも、中大がそれをさらに上回り2位に甘んじたという経緯がある。「全てを出し切って日本記録を出すぞという気持ち」(塩島)。この先団体種目の練習ができるかは未知数だが、先陣を切るこの男に不可能はない。

[川和健太郎]

レース後のコメント

荒川仁(政経4=千葉経大付)

――レース全体を振り返っていかがでしたか。

 「あんまり力を出せなかったというか、上手くかみ合わなかった感じですね」

――自粛期間で一番苦労したところはどこでしょうか。

 「個人的な練習に関しては、ナショナルチームで練習しているので、そんなに苦労はなかったんですけど、チームとしての全体の練習だったり、チーム競技の練習ができなかったっていうのはありました」

塩島

――良かったところはどこでしょうか。

 「自分の感覚、感じてること、考えてることと、やってることがちゃんと一致したことです。相手の動きを見て、自分がいけるところで一気に仕掛けることができました」

――大学対抗選手権自体は無くなりましたが、その点についてはいかがですか。

 「自分たちの目標はチームスプリントという、3人で走る競技で日本記録を出すことなので。大学の枠関係なく、ただ記録を狙いに行くという感じなので、特に変化はなかったです」