「全米オープン」で2年ぶり2度目、そしてグランドスラム3度目の優勝を飾った大坂なおみ(日本/日清食品)。第1セットを1-6で落としてからの栄冠となったが、逆転できた理由をWOWOWテニスアンバ…

「全米オープン」で2年ぶり2度目、そしてグランドスラム3度目の優勝を飾った大坂なおみ(日本/日清食品)。第1セットを1-6で落としてからの栄冠となったが、逆転できた理由をWOWOWテニスアンバサダーの伊達公子さんが語った。【実際の動画】2度目の全米OP頂点に!大坂なおみvsアザレンカ/全米OP女子決勝&表彰式

Q.2セット目序盤までのビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)選手優勢の流れから、大坂選手が逆転できた要因は?

「試合が終わって、勝ったからこそ『耐え続けられたこと』、『メンタルの強さ』が勝因と言えるのですが、第2セット0-2の第3ゲームを取ることができたのが1つのキーになったと思います」

「2セット目序盤までは、アザレンカ選手の調子が良すぎて、大坂選手が良いボールを打てていてもあまり効かず、何をして良いのか分からなくなった部分もあると思います。そのなかで、あのゲームでは(ラリー中)無理に行かず、ペースを落としたのが良かったのではないでしょうか」

「ギリギリの状況で切り替えられたのは、やはり勝ちたいという執念ではないかと思いますね。作戦的に変えたというよりは、とにかく何か道を作るために、しがみついたメンタルの強さが大きな要因ではないでしょうか」

Q.試合解説中、今までの2度のグランドスラム優勝と今回の優勝は意味合いが違うとおっしゃっていましたが、どのような違いがありますか?

「1回目の優勝の時は、グランドスラムに勝つという目標は持ちつつも、あまり現実味のない中で、勢いもあり勝ってしまったという感じでした。2回目も、その勢いがあっての優勝に見えました」

「しかしその後は、チャンピオンとしての重圧もあってなかなか勝てない時期もあり、苦しんだ時間もあったと思います。それを経て、今回は少しプレッシャーからも解放された中で、人間的な成長やチームの変更も加わって、静かな闘志を持ってもぎ取った優勝でした」

「大会期間中、計画的ではあるのですが、それを見せすぎず、右肩上がりに調子を上げて勝ち切ったというところが今までと全く違う優勝に見えました」

Q.すぐにクレーコートシーズンが始まりますが

「ハードコートでできたことが、クレーコートでできるかといえば、まだまだ課題は山積みだと思います。クレーコートでは、勢いで勝ち進めるほど甘くはないと思います。特に今回は短期間ですので、克服できるようなことがあればもちろんすごいことではありますが」

「チームや、彼女自身もそれをよく分かっていると思いますので、(今回の全米優勝で得た)良いところは自信に変えつつ、いったんリセットして臨むことが大切なのではないかと思います」

女子シングルスは大坂の優勝で幕を閉じたが、日本時間14日午前5時からは、新しいグランドスラム王者が誕生する男子シングルス決勝が行われる。また、大坂は太ももの怪我があるため出場するかどうかは未定だが、9月27日からは「全仏オープン」も開幕する。まだまだ今年のテニスツアーは終わらない。

(テニスデイリー編集部)

※写真は伊達公子さん

(写真提供:WOWOW)