専門誌では読めない雑学コラム木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第272回 ゴルフをやり始めて30年以上過ぎましたが、飛距離は落ちるばかりで、情けない限りです。そこを、ショートゲームでカバーし、たまに80台が出る、という案配です。まあでも、80…
専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第272回
ゴルフをやり始めて30年以上過ぎましたが、飛距離は落ちるばかりで、情けない限りです。そこを、ショートゲームでカバーし、たまに80台が出る、という案配です。まあでも、80台で喜ぶよりも、100を叩かないようにする――そういうゴルフが多い、今日この頃です。
年齢を積み重ねると、体力は落ちます。それは仕方がないことです。ただ反面、いいこともあります。それは、起床時間です。
昔は朝起きるのがしんどかったのですが、最近は勝手に目が覚めるから不思議です。歳を取ると、太陽が沈んだら眠くなり、朝日が昇ると目が覚めるという、人間が本来持っているバイオリズムに戻るのでしょうか?
そんなこんなで、今回は30年にもわたる"睡眠攻防戦"からの脱却について、語っていきたいと思います。
私がゴルフを始めた30年前は、バブル全盛で、夜中に起きているのが当たり前。ゴルフの前日も、午前2時就寝、朝5時半起床というのがざらでした。だから、いつもフラフラしながらプレーしていました。
ひどい時は、完全に徹夜。一睡もしないで、ゴルフをしたこともしばしばありました。
ほんと、ヤバかったと思います。でも、当時はまだ若いので、体力があったんですね。
それから、オジさんになるにつれ、就寝時間が微妙に早くなり、40代では午前1時に就寝。50代になると、日付が変わる前には就寝するようになりました。
2013年からはアベノミクス全盛で、(2005年からダラダラとやってきた)株取引を本格的に再開した関係で、ゴルフに関係なく、午後11時に就寝、朝7時に起床が当たり前になりました。午前9時には株取引が開始されるので、7時には起きて、準備しないといけないのです。
7時に起きて、いろいろと準備していると、ちょうど朝ドラが始まって、それを見ながら、軽い朝食を食べます。うまくできているもんですなぁ~。
そうした状況から、「もうこれ以上、早起きすることはない」と思っていたのですが、新型コロナウイルス感染拡大の影響によって、またも劇的に生活が変化しました。朝、通っていた公立図書館が休館。六本木のテレワークオフィスも一時休館となって、行くところがなくなってしまったのです。
そもそも家で仕事ができるタイプじゃないので、どこか使えるようなテレワーク場所を借りないと......。そんな思いを巡らせて少し調べてみると、家の近所に、出来たばかりのテレワークオフィスがあることを発見。早速、申し込むことにしました。
そうしたら、コロナ禍で"リモートオフィスブーム"なのか、24時間のフルタイム利用は満員でした。それでも、夕方6時からのナイト会員なら「OK」とのこと。ナイト会員であれば、翌朝の午前9時まで利用可能なんだとか。
じゃあ、早起きして朝6時に行けば、9時まで3時間、仕事ができるじゃないか。実際、試しに早起きして行ってみると、誰もいなくて、すごく静か。「こりゃ、仕事がはかどる」と、4月中旬から現在に至るまで、早朝使用率95%で稼働しています。
そうなると、日々の起床時間は朝5時半。就寝時間は夜の10時となりました。本当に10時に眠れるのか?って思うでしょ。これが、案外できるんですよ。
朝5時半に起きると、昼過ぎには眠くなります。でも、そこでは我慢して、昼寝はしません。そうすると、晩ごはんを食べたあとには、眠くてしょうがなくなるんです。テレビを見ていると、午後9時過ぎにはうつらうつら。10時に床へ入るや、速攻で眠れます。
夜中に目を覚ますことはありますが、その際は時間確認のみ。一旦起きると眠れなくなってしまうので、トイレ以外は起きません。そんな夜中のトイレも、月に1回も行きません。寝る前に水分を摂らないようにしているので、それがいいのかもしれませんね。
そんなわけで、毎朝5時半にはバッチリ目が覚めますから、ゴルフの日も単なる日常のスケジュールに過ぎません。普通に起きて行けばいいだけ。すごく楽です。
少し前のゴルフでは、私の家に同伴者が7時に迎えに来てくれることになっていました。だから、その日は朝5時に起きてテレワークオフィスに行って、1時間半ほど仕事をしてからゴルフへ、という離れ業をこなしました。すげぇ~。
朝5時半に起きると、1日がすごく長いです。人生、これまでの倍は生きているような気がします。
朝6時から9時前まで、テレワークオフィスで仕事でしょ。家に戻って、9時からは株取引をします。そのまま、家で昼ごはん。午後の株取引は、暇な時はしますけど、半々といった感じです。あとは、雑用。そして、午後3時過ぎから、再び営業し始めた六本木のテレワークオフィスで仕事をして、その後、お誘いがあれば、食事をしたり、飲んだりしますが、今や午後9時には帰宅しますかね。
六本木のキャバクラは、たいがい午後9時ぐらいから賑わい始めるんですが、新型コロナウイルスの感染拡大が騒がれるようになってからは、まったく行っておりません。代わって、夕方6時ぐらいからやっている、渋谷や新橋のラウンジでしっぽりやっています。
朝5時半に起きるようになって、PGAツアーの中継を見逃すこともなくなりました。常にリアルタイムで見ています。
昔、六本木でブイブイ言わせていた人が、今は朝のゴルフ場で大活躍! 案外、そういうものかもしれませんね。
かつて夜型だった人も、歳を重ねて朝型に変わったという人は多いかもしれませんね...。illustration by Hattori Motonobu
というわけで、早起き派になると、具体的に何がよろしいのか。まとめてみましょう。
(1)朝の行動が素早い
毎日5時過ぎに起きていると、朝食も早い時間からしっかりと摂れます。ヨーグルトやシリアル類を食べれば、朝のトイレ方面もバッチリ。ゴルフ場でプレー中に便意をもよおして、あたふたすることは皆無です。
早起きしているから、ゴルフ場での練習もシャキッとできます。時間的な余裕もあって、スコアアップにつながるのは、言うまでもありません。
(2)よく眠れる
翌日ゴルフだと、前日に興奮して、なかなか眠れないことがよくありますよね。日々夜更かししていて、ただでさえ睡眠不足なのに「あと3時間しか眠れない......」と焦れば焦るほど、余計に眠れなくなります。
しかし、早寝のルーティーンになっていると、夜になれば勝手に睡魔が襲ってきますから、眠れないことはありません。
(3)ゴルフ後の睡眠
ゴルフをした日は、疲れて眠れると思うでしょ。でもこれが、不思議となかなか眠れないのです。
夏場は日焼けして、体が火照って眠れません。さらに、神経が興奮していて眠れないのです。そのうえ、「あの時、OBさえしなかったら、あいつに負けなかった」なんて、余計なことを考え始めると、"ひとり反省会"が延々と続いて、なおさら眠れません。
けど早寝派は、ラウンド後の興奮によって、多少の障害はあるものの、日々のバイオリズムのほうが強いので、通常どおり眠ることができます。
(4)朝、勝手に目が覚める
ゴルフの日となれば、当然目覚ましをかけるわけですが、普段から早起きしていると、目覚ましが鳴る30分ぐらい前にはすでに目が覚め、うつらうつらとしています。そうして、「そろそろ目覚ましが鳴るかな」という頃には、しっかりと起きることができます。
こうなると、完璧な朝型人間です。
そうして、私は今日も、朝6時にはテレワークオフィスに向かいます。その道すがら見かけるのは、駒沢公園で散歩をしたり、ジョギングをしたりしているたくさんの人たち。その姿を見て、そういう人たちと同じような生活リズムになったんだなぁ~、としみじみ感じます。
そういう方々は、自らの健康のこともしっかりと考えて生きている人が多いです。体型もスマートな人ばかり。長くゴルフをやるなら、そっちの生活リズムにしたほうが、断然効率がいいと思いますね。