国内メジャーとなる日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯(9月10日~13日/岡山県・JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部)の行方を占ううえで、欠かすことができないのは、今季すでに勝利を挙げている笹生優花と小祝さくらのふたりだ。 第2戦のNEC軽井沢7…
国内メジャーとなる日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯(9月10日~13日/岡山県・JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部)の行方を占ううえで、欠かすことができないのは、今季すでに勝利を挙げている笹生優花と小祝さくらのふたりだ。
第2戦のNEC軽井沢72と、第3戦のニトリレディスを制した笹生は、3連勝がかかった前週のゴルフ5レディスでは29位タイに終わった。それでも、好調を維持し、日本女子プロの優勝に一番近い立場にある。
デビューイヤーながら世界一を目標に掲げ、近い将来の海外ツアー参戦を目指す笹生にとって、プロ転向後初となる公式戦で、"日本一"の称号を得ておきたいところだろう。
「勝ちたい気持ちは、どの大会も同じ。メジャーだからといって、クラブハウスの雰囲気は何も変わらない。コースも毎週、JLPGAさんも、ゴルフ場のスタッフさんも、簡単なセットアップにはしてくれませんから」
53回目を迎えた今大会の舞台となるJFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部は、海に面したリンクスコースだ。風が強く、グリーンはアンジュレーションがあって、芝目が読みにくい。だが、昨年のプロテストで同コースを経験済みであることは、笹生にとって幸いするかもしれない。
「昨年の(プロテストでの)ゴルフを、イマイチ覚えていなくて(苦笑)。グリーンは難しいんですけど、(自分では)よくわからないというか、日本のゴルフ場としては変わった印象です。ボールが流れちゃうところが難しいかなって思います」
日本人の父とフィリピン人の母との間に生まれた出生や、頭ひとつ抜けた飛距離から「女ウッズ」と呼ばれていることについても、彼女は言及した。
「(タイガー・ウッズは)レギュラーツアーで80勝して、メジャーは今、15勝でしたっけ? (私とは)比べものにならないです」
冷静な物言いでリモート会見に臨んだ笹生が、虎視眈々と今季3勝目を狙う。
練習ラウンドを消化する小祝さくら
一方、前週のゴルフ5レディスを制した小祝は、優勝したその日に岡山へ移動し、月曜日も休まず練習に時間を費やした。新型コロナウイルスの影響で試合のなかった時期に、同コースでの練習ラウンドを行なっており、今季国内初メジャーに向けての準備に抜かりはない。
「私には『メジャーで勝ちたい』とか、『メジャーだからモチベーションが上がる』とかっていうのはないんです......って言いつつ、今思ったんですけど、いつもメジャーを意識していないのってどうなんだろう、と。『メジャーだからがんばろう』とか、『気合を入れなきゃいけない』とか、そういうのが私には必要なのかも」
小祝は、地元・北海道で行なわれた第3戦のニトリレディスで、笹生とマッチレースを演じたが、最終的には2打差をつけられ、苦杯をなめて涙を流した。その悔し涙が、翌週のゴルフ5レディスにおける歓喜(ツアー通算2勝目)につながった。
「ここ2試合はすごくショットがよかったので、成績を出せたと思う。今週は......まだちょっとわからない。練習ラウンドで調子がいい時は、試合で悪いことが多くて、練習ラウンドで悪かった時のほうが、試合では成績がよかったりする(笑)。今は、あまり練習ラウンドの調子を気にせずやっています」
昨季、1998年度生まれの「黄金世代」が席巻した女子ゴルフ界は、新シーズンを迎えて、2001年度生まれの「新世紀世代」から笹生という新星が誕生した。さらに、古江彩佳や安田祐香、吉田優利ら2000年度生まれの「プラチナ世代」も、躍動のチャンスを伺っている。
3世代がしのぎを削り合う新時代の最初のメジャーが、いよいよ開幕する。