群馬サイクルスポーツセンターにて、全日本学生個人ロードレース大会が行われた。早大からは、小野寛斗(スポ4=神奈川・横浜)と山田拓海(スポ1=長野・飯田風越)の2選手が出走。両者とも決勝にて完走を果たし、今後のシーズンに向けて課題と収穫の両…

 群馬サイクルスポーツセンターにて、全日本学生個人ロードレース大会が行われた。早大からは、小野寛斗(スポ4=神奈川・横浜)と山田拓海(スポ1=長野・飯田風越)の2選手が出走。両者とも決勝にて完走を果たし、今後のシーズンに向けて課題と収穫の両方を得る大会となった。 ※この取材は9月5日にリモートで行ったものです。

 予選A組にエントリーされた両選手は、小野が3着、山田が11着に入り、決勝に駒を進める。「チェックしていた選手が動いたら反応する」(小野)、「独走、または少人数での先行を狙っていた」(山田)と両選手が語った言葉は、決勝レースにて、積極的な動きを見せたことをうかがわせる。しかし、集団内で数的不利を余儀なくされたことも影響し、思惑通りの展開にすることは出来ずにレースは終盤へ。最終的に好成績を残すことにはならなかったが、両選手ともサバイバルなレース展開を切り抜け完走を果たした。

 小野が36位、山田が39位と、順位だけを振り返れば満足のいくものではなかった。しかし、小野は「強度も高くサバイバルなレース展開で走ることが出来たのは大きな収穫でした」、山田は「これからの糧になるレースになったと思います」と語り、前を向く。両者の今後の闘いぶりに注目したい。

(記事 青山隼之介)

結果

 

▽男子予選(各組30着)

小野 A組 3着  決勝進出

山田 A組11着  決勝進出

▽男子決勝

小野 36位 山田 39位

コメント

小野寛斗(スポ4=神奈川・横浜)

――コロナの影響でレースがない期間が長かったと思いますが、その期間はどのようにしてモチベーションを保っていましたか

最初の1、2ヵ月はモチベーションを高く持って練習することが出来ていました。すぐレースが開催されてもいいようにしていました。ですがコロナの感染者が増えてレースが中止や延期になっていく中でモチベーションを保つことが出来ませんでした。部の選手達が実家に帰省していることもあり基本一人で練習することが多く距離や時間を乗る練習が出来ても強度を上げる練習には限界がありうまくできていない状況でした。それでもいつかあるレースの為に練習だけはしておくという気持ちで毎日過ごしていました。

――シマノレーシングにも所属されているとのことですが、普段はどのように大学での活動と両立をしていますか

今年はコロナの影響もありシマノレーシングでもレースに出場することが出来ていない状況です。そのため今までと変化なく過ごしたり練習したりしています。

――今大会の目標や目的があればお願いします

4年生になりロードレースでの優勝がまだありません。また実業団チームにも所属しているので下手な走りは出来ないと思っています。レース内容も大事だと思いますが優勝を大前提で臨むことが出来たらと思っていました。結果としては惨敗でしたが久しぶりのレースでとても楽しく走ることが出来ました。

――身体の仕上がり具合はいかがでしたか

身体は仕上がってはいませんでした。特に練習での強度が足りず、レース終盤は常にきつい状況でした。それでもコツコツ練習してきたので何とか完走は出来ました。身体のベースとなる長距離や体力は出来ているので後は強度を上げていくことが重要だと思っています。

――予選は3着での通過となりましたが、余裕を持てた通過でしたか

決勝より予選の方が緊張していましたし練習の成果があるのか不安だったので余裕で通過することは出来ていなかったのかもしれません。ですが3位で通過できたのは自信につながる結果でした。

――決勝レースについてお聞きします。序盤から中盤にかけてはどのように立ち回っていましたか

今回のレースはチェックしていた選手が動いたら反応するということをしていました。前半から中盤は集団内で待機しつつアタックに反応する感じでした。早稲田からは2人しか出ていなかったので人数の多い大学に数で押されたような形でした。

――最終結果に対する自己評価をお願いします

久しぶりのレースでどこまで走ることが出来るか不安でした。練習はしていましたが身の入っていない感じはありました。気持ちの面でもきつかったです。決勝レースでは周回数が短くなりましたが、強度も高くサバイバルなレース展開で走ることが出来たのは大きな収穫でした。また自分の欠点を見つけるには十分すぎるレースでした。次回に繋がるレースが出来たのではないかと思います。まだまだ満足いく結果ではありませんが、全体的に悪い部分含めて良かったのではないかと思います。

――今後の目標となるレースは何になりますか。また、そのレースに向けてどのような練習をして仕上げていきたいですか

インカレの代替大会(全日本大学自転車競技大会)になります。他の選手も戻ってくるので今まで以上にいい刺激の入る練習になると思います。大学最後のレースにもなるので今まで以上にしっかりしていきたいと思います。

山田拓海(スポ1=長野・飯田風越)

――レースが開催されなかった期間はどのようにしてモチベーションを保っていましたか

目先のレースだけに気を向けるのではなく、目標を大きく持つことでモチベーションを保っていました。例えば、国際大会で結果を出すなどです。

――今大会の目標や目的があればお願いします

目標は「優勝」でしたが、同時に各大学の選手たちの中で自分の「存在感を出す」ことも意識していました。

――身体の仕上がり具合はいかがでしたか

悪くなかったと思います。

――予選は余裕を持って通過することができましたか

はい。通過自体は難しいものではありませんでした。

――決勝レースについてお聞きします。序盤から中盤にかけてはどのように立ち回っていましたか

独走または、少人数での先行を狙っていた為、前半から積極的に攻撃を仕掛けていました。しかし、思惑通りにはならず、自分自身が苦しむ展開へと引きずってしまいました。

――最終結果に対する自己評価をお願いします

「優勝」という目標は達成できませんでしたが、今回のレースで掲げた「存在感を出す」という点から見れば良いレースだったと思います。しかし、何よりも結果を残すためには、その展開に自分から持ち込む力が必要だと感じますし、さらに磨く必要のある部分だとも感じます。順位に関しては、積極的に行った結果なので後悔はありませんし、これからの糧となるレースになったと思います。しかし、結果を残すことができなかった事は、私に期待を寄せてくれていた方々に申し訳ない気持ちです。

――今シーズンの、今後の目標をお願いします

応援してくださる方や、自分の走りを見てくれている方の心を揺さぶることのできる、そのような走りをすることが目標です。