19歳逸材・御家瀬緑が経験したコロナ禍とは 陸上の富士北麓ワールドトライアルが6日、山梨・富士北麓公園陸上競技場で行われ、昨年日本選手権女王・御家瀬緑(住友電工)は女子100メートルで12秒16(向かい風1.3メートル)、同200メートルで…
19歳逸材・御家瀬緑が経験したコロナ禍とは
陸上の富士北麓ワールドトライアルが6日、山梨・富士北麓公園陸上競技場で行われ、昨年日本選手権女王・御家瀬緑(住友電工)は女子100メートルで12秒16(向かい風1.3メートル)、同200メートルで25秒24(向かい風1.6メートル)だった。春から上京して社会人生活を始めた19歳。初めての一人暮らしの中、新型コロナウイルスで受けた影響を明かした。
まだ本調子ではなかった。御家瀬は100メートルで自己ベスト11秒46に大きく届かず。レース後は骨挫傷で痛めている右足を引きずるような仕草をしながらも取材対応。「スタートは前に出られたけど、中盤から伸びない走りになりました。先週から足があまり動いてなかったですね。そんなに調整できずに臨んでいるレース。練習の一環として走れたらいいなと思って臨んでました」と振り返った。
昨年6月の日本選手権では、100メートルで29年ぶりの高校生女王に。北海道・恵庭北高卒業後、住友電工陸上競技部に入って上京した。3月からは、東京五輪を見据えた前途洋々たる新生活。しかし、19歳の逸材もコロナで多難な道を歩むことになった。
ナショナルトレーニングセンターを拠点する予定だったが、感染拡大防止のために施設は閉鎖。「一人で家で練習となると、限られることもありました」とメニューは制限された。骨挫傷の影響で思うように体を動かせない。体重管理に苦労した。
慣れない自炊にも苦労「体を締めていかないと」
「食事もだし、コロナでどう運動量を出していくか難しい。できるのは自重の筋トレくらいです。あとは河川敷の練習できる場所でやっていた。運動量と食事量がなかなか合わないですね」
慣れない自炊にも四苦八苦。親のありがたみを知りながら、北海道にはない梅雨や酷暑も経験し「東京は湿度が凄い。息がしづらいのが北海道と違いますね」と新鮮だった。それでも「五輪にこの状態で迎えなかった安心感はあります」と1年延期は追い風だ。18日からの全日本実業団対抗選手権(埼玉・熊谷)を経て、10月の日本選手権(新潟)に向かう。
「あと1か月、できるだけ上げていってその時にできるベストを尽くしたい。環境が変わったと言えばそうですが、慣れていきながら調子を上げていきたい。あとは、もうちょっと体を締めていかないといけないですね」
コロナ禍で早くも苦労を味わった社会人1年目。故障を癒しながら調整を続けていく。(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)